第6話

「ううん・・・ううん・・・辷コ繝サ繝サ繝サ縺昴l縺ォ繧ク繝」繝ウ繝√Ν」


「またうなされてる」


「うん。よほどお腹空いてるんだね?将軍様」


「いや違うでしょ。え?違うよね?」


「でも、どうしよう、もう少しで暗くなっちゃうし。あの・・・たま・・・たま・・・」(ぽっ)

「何照れてんのよ」

「・・・のところに戻っても、食べ物は無いよね?釣り竿もその、折れちゃってたし・・・ぽきって・・・」(しゅん)


渚は深いため息をついた。


由夏は、こう見えてなかなかに複雑な家庭環境なのだ。

人々がまだ肥え桶を担いでいた頃から続く米問屋の実質的な一人娘である由夏の父親は非常に放蕩な人物だった。

その放蕩ぶりと言ったら、間接的な関係者として、子供たちの耳にその噂が入る程であった。

そんな由夏の父は、由夏の母に当たる女性と離婚した後、この国へ出稼ぎに来ていた飲み屋の従業員と結婚、その後、どこでこしらえたのか多額の負債を抱えたまま失踪。由夏は父が失踪する少し前に父親の説得で血縁を切り、米問屋の経営は由夏の叔父夫婦へと引き継がれた。

由夏の叔父は、由夏の父とは異母兄弟に当たる人物で血の繋がりはない。叔母に当たる人物とは面識すらないそうだ。

国内でも有数の巨大企業に重役として勤めているという由夏の叔父と叔母は、きっと今頃は会社のオフィスから都会を見おろし、指先で数字だけを動かしているに違いない、実際、由夏の学費や生活費はそのようにして由夏の銀行口座に振り込まれて、由夏は叔父や叔母に会いに行くどころか、日頃の感謝を伝えるための手紙を送るための連絡先はおろか電話番号すら知らないらしい。

毎年、おおきな蔵に残された処分予定の古米を少しづつ拝借し、何かあった時の為(きっと、父親が帰ってきた時のため?)に振り込まれるお金にはあまり手を着けず。古く大きな家に由夏は一人で慎ましく暮らしている。

周囲の大人たちに翻弄されながら、由夏は文句だとか愚痴だとかを言うどころか、失踪した父や、叔父や叔母をとても大切に思っているのだ。

全く!こんな可愛くて気のいい娘をほおっておくなんてなんて奴らでぇ!情けねえ大人どもだ畜生め!許しちゃおけねえ!って・・・あれ?江戸っ子?


「ねぇ・・・渚?私のお話つまらなかった?渚は、ヴァン×ウルフ(ヴァンパイア×ウェアウルフ)じゃなくて、ウェア×パイア(ウェアウルフ×ヴァンパイア)派だもんね?ごめんね」(しゅん・・・)

「ううん!違うってば!考え事!考え事だよ!ってか何が違うのそれ?」

「・・・!渚も考え事・・・するんだね?なんだか私、嬉しいな」

「ああー!ちょっと失礼だぞ由夏!」

「うふふ、ごめんね。渚」


つまり、どういう事かと言うと、由夏に将軍を任せるわけにはいかないのだ。

任せて良い訳が無い。しかし、しかしだ。


渚はまた大きなため息を一つついた。


「ああ・・・買い物、してかなくちゃいけなかったんだ」

「あっ!わたし気が付いてたけど、言い忘れちゃった・・・ごめんね。急げばまだお店開いてるよ?渚」

「なにー!罰として荷物持ちの刑だー!由夏よ!半分持てぃ!」

「はーい!」

「ううん・・・・隕九▽縺代◆縺槭ョ繧ォ繧エ繝ウ縺ッ繝サ繝サ繝サ蟄伜惠縺励◆」


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