ホント仲良いな

 12ラウンドは初手で3木を確保したけど、機織り機で2木を使ってしまったので、柵を引き切るにはあと2木を調達しなきゃいけない。できれば岸辺の林で2木1葦が取れればベスト。そうすれば改築用の葦も揃う。2木1葦残ってて欲しいなぁ。


 くびきさんは葦石木。よく資材市場使う人だな。

 甘菜ちゃんは牛さん2頭を取って、ホエイ桶で厩を建てて、また厩の木発動。未来のラウンドスペースが、甘菜ちゃんの木で溢れかえってるんだけど……どうすんのこれ。飼い切れないから牛さん食べてるけど、これで先に柵引かれてたらもっと家畜の点数伸ばされてたな。

 ほらっちさんは増員。まあ、さっき5部屋にしてたからね。出す小進歩はなし。ん?


「ほらっちさん、今増員するんですね。競合いないし後でも良くないです?」

「諸事情というやつだよ」


 うーん、なんだろう。わかんない。まあいいや。石積君は小劇場。ついにそこの石飯回収か。って小劇場、1飯しか溜まってないじゃん。なんで今行ったの石積君。


「まさか、甘菜がさっきのラウンド行くとは思ってなかった……飯、足りてただろ……」

「後見人使いたかっただけだから、累積ならなんでも良かったんだよね。それならお兄ちゃん飯困ってそうだし、行ってやれーって」


 甘菜ちゃん、グッジョブ。

 何はともあれ2木1葦が残ってたのはめでたい! 私は予定通り2木1葦。

 くびきさんは2木。これでくびきさんも木の調達は完了か。でも次のラウンドの柵は絶対に譲らないぞ。


「私は授業で。1飯払って『煙突掃除屋』を出しますね」


 煙突掃除屋は甘菜ちゃんが取ってたか。石の家の改築が2石安くなるから、6部屋で4石持ってる甘菜ちゃんはもう改築可能だね。私はまだ木の家だし、石の家にするにはあと3石と1葦を集めた上で、改築に駆け込まなきゃいけない。ちょっと厳しいかな。でも私3部屋しかないし、3手使って3点行動なら、優先順位は下げて良さそう。


「よし、誰かが授業行ってくれるの待ってた! 小麦もらって、1飯払って個別指導で『動物捕り』!」


 なるほど、個別指導はどこかの授業が使われてないと、小麦を取っても発動しない。だから、誰かが授業に行ってくれるのを待つために、競合がいなくても先に増員に行ったってことか。

 そして動物捕りは、日雇いに行ったら2飯の代わりに、家畜3種類を1匹ずつをもらえる効果の職業カード。残りの収穫回数分だけ飯を払わないとダメだけど、もう終盤だし今なら2飯払うだけで良い。このラウンドと次のラウンドに日雇いに行けば、ほらっちさんは家畜3種類のつがいを確保できる。家畜点は低そうと思ってたのに、抜け目なく伸ばしてくるな。やっぱり、この人強い!


「僕は改築柵で。3石と1葦と木15本払うよ」

「えっ、石積君何言ってんの。今12ラウンド……って、あーっ!」


 思い出したーっ! そういえば、最終章か! それ出したとき、確かに改築柵を抜いて自分の前に置いてたわ! すっかり忘れてた!


「じゃあ改築して柵引くけど……いいよね?」

「……はい。どうぞ、改築して柵をお引きください……」


 なんか、前にもこんなことあったような……デジャブ?


 ともあれ、これで全員柵を引き切れることは確定しちゃったか……うまく回ってはいるけど勝てるかどうかわかんないし、誰か1人ぐらい脱落させたかったなぁ……。とりあえず豚さん行くか……。


「豚さん取ります。ペットラバーとハイドシュヌッケンで、豚さん羊さん3飯1小麦もらいますね」

「今更ですけど、そのコンボも鬼のように強いですよね」

「ハイドシュヌッケンてドラフトの6枚目だったんだよねー。今回のドラフトは運が良かったよ」

「私の後見人が7枚目だったのもついてましたねー」

「いや、そんなカード使いこなせるの甘菜ちゃんだけだから!」


 くびきさんは野菜。さっき紐編みで野菜もらってたから、これで野菜は2つ目。撒けば野菜4点か。

 甘菜ちゃんは3レンガ。ん? まだレンガいるの? 後見人使いたいだけ? それとも、手札に何かあるのかな。

 ほらっちさんは日雇い。動物捕りで家畜3種類ゲット。これは予定通りだね。

 残るは、甘菜ちゃんの1手番。


「うーん、あと1回累積に行かなきゃなー、どこでもいいなら漁に行っとこうかなー。3飯もらうね、お兄ちゃん」

「……僕に断らなくてもいいだろ……?」

「んー? なんとなく」


 ホント仲良いな、この兄妹。


「ではでは後見人に1飯払いまして、厩見本作りを使いますね。あ、厩なくなるから牛1頭食べなきゃ。で、1飯1木1小麦もらってと。出す小進歩は、2レンガ払って『ファサード彫刻』!」


 ファサード彫刻! さっきレンガ取った理由はこれか! ファサード彫刻も使いにくいと思って流したけど、甘菜ちゃんは出せるんだ! 柵を引くのが遅れたのを、逆に利用してきた!


「木が今のラウンド数以上ないと出せないけど、15木材あるから余裕ですね。で、終わった収穫の数だけ飯を払えばその分ボーナス点になるから、4飯払って4点です」

「うおおお、ブラボーッ!」

「ここで出てくるか、ファサード彫刻!」

「カッコイイ! めっちゃカッコイイよ、甘菜ちゃん!」

「いやー、それほどでも、ありますけどねー」

「素敵! 抱いて!」


 これにて、12ラウンド終了。残り、2ラウンド!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る