あとは流れで

【職業】

改築作成者 女たらし 後見人 山歩き

【小進歩】

信用貸し 小麦貯蔵庫 大農場の称号 ファサード彫刻


『女たらし』

 このカードをラウンド5以降に出した時、石材1、小麦1、野菜1、羊1を支払い、子供が欲しい、部屋がなくてもよいのアクションを得る。



 行っちゃう?も何も、他の職業を見たら、女たらししか選択肢はないとは思うんだけど。『山歩き』は、拡張ボード? えーと、メインボードの繋ぎ目から左半分、てことか。のアクションスペースを使うたびに、1飯払えば1石を得られる。うーん、今の私の手札だとそんなに石が欲しいわけじゃないしな。やっぱり女たらししかないよね。よーし、女をたらしこんで家族を増やしちゃうぞー。


 ……でもこのカード、支払うコストが栄養士とモロかぶりなんだよね。栄養士を成立させながらちゃんと使えるか、かなり心配。


 小進歩は……強気で行くなら点数カード欲しいよね。となると、『大農場の称号』か『ファサード彫刻』。

 大農場の称号は、単純にノーコスト3点のカードで、オマケに1飯もらえる。もちろんそんな甘々なカードがこのゲームにあるわけもなくて、出す条件として全ての種類の家畜と畑6枚を持っていなくてはならない。家畜はともかく、畑6枚がキツイ。いくらドリル鍬があるとは言っても、5グリで畑6枚も耕せる? うーん。

 ファサード彫刻は、コスト2レンガで、出したときにすでに終わっている収穫の回数分飯を払えば、それを点数に換えられるというカード。これも出す条件がキツイ。現在のラウンド数以上の木材を持っていなくてはならない。終盤に一気に柵を引き切る戦略なら使えるかもしれないけど、私の場合は趣味の柵作りを使う時点でほぼほぼ無理だよね。

 比較するなら、大農場の称号の方がまだいけそうな気がする。女たらしで増員するならたぶん3部屋で終わるから、あとは6マス柵と畑6枚で盤面を埋められれば理想的だね。


 6枚目! 私の最初の山だ! さーて、何が返ってくる?


【職業】

ハイドシュヌッケン飼い 掃除屋 豚追い

【小進歩】

植え替え ガラスビン 猟師の帽子


 じゃがいも畝立て機は返って来ず。ビアジョッキ取った時点でもう使わないと思ってたからいいけどね。今は栄養士メインの手札になってるし。

 職業は、この中なら『ハイドシュヌッケン飼い』が良さそう。誰でもいいから猪市場で豚さんを取ったら、なぜか私が羊さんを一匹もらえる。栄養士で支払う家畜を自動的に補充できるのは良いね。これ返ってくるならやっぱり買い付け人流して正解だったわ。

 ん、待てよ。これ、自分が豚さん取ったときでも発動するんだよね。だからペットラバーとコンボになるのか。猪市場が豚さん羊さん小麦に3飯の強アクションに! さらに次のラウンドには豚さんが2匹になってるから、きっと誰か取ってくれるんじゃない? そしたらまた羊さんをもらえて、次のラウンドにまたペットラバー! 毎ラウンド羊さんがもらえる! 何これ最高じゃん! ハイドシュヌッケン超有能! ハイドシュヌッケンて何のことかはさっぱりわからないけど! 6枚目でまだこんなカードが残ってるなんて! これはなんだかいけそうな気がしてきた!


 小進歩は、『ガラスビン』でいいか。出したときに家族の数だけレンガと飯を払ったら、単純に4点。

 おお……かなり打点出るぞ、この手札。何もかもうまくいったら、自己ベストいけるんじゃない? いくかなぁ……いくといいなぁ……いや、いかせるんだよ! 今度こそ、勝つんだよ!


 さて、ドラフト最後の7枚目!


【職業】

畑調査人 種畜買い付け人

【小進歩】

水飲み桶 かご


 うん。7枚目なんてこんなもんだよね。むしろ6枚目までが強過ぎたわ。いつもなら4枚目ぐらいから戦力外だもんね。使わないだろうけど、『畑調査人』と『水飲み桶』にしておくか。……いや、いつぞやの『板金工の親方』みたいな例もあるから、一応ちゃんと使い道を考えてみよう。

 畑調査人は、他のプレイヤーが畑を1枚耕すたびに1飯をこのカードの上に置いて、ゲーム中に一度だけ、カードを裏返せば上に載っている飯を全てもらえるという効果。

 水飲み桶は、コスト1レンガで、牧場に家畜を2匹多く飼えるようになる効果。

 ……ごめん。水飲み桶は何かのついでに出すこともあるかもしれないけど、畑調査人は絶対使わないわ!

 これにて、ドラフト終了! これが今回の私の手札だ!


【職業】

子なし ペット愛好者 栄養士 趣味の柵作り 女たらし ハイドシュヌッケン飼い 畑調査人

【小進歩】

ドリル鍬 ビアジョッキ 石灰肥料 機織り機 大農場の称号 ガラスビン 水飲み桶




「じゃあ皆さんよろしいですかー、1ラウンド目のカード、めくりますよー」


 ほらっちさんが1ラウンド目のカードに手をかけながら、みんなに確認を取る。


「よろしいですよー」


 甘菜ちゃんが明るく返事をする。うおー、いよいよ私にとって初めての5グリが始まるのか。高ぶってきたー!


「1ラウンド目、柵! そして俺はもちろん授業! 出す職業は、『個別指導』!」


 ほらっちさんが初手で出した個別指導は、いずれかの授業スペースが埋まっているときに小麦の種に行けば、1飯払って職業を出せるというカード。序盤から職業を連打したいときには重宝する。ついでに取った小麦も活かせるような構成ならなお強い。ほらっちさんてこういう、カードを出すためのカードを使うのがうまいんだよね。どんな使い方をするのか、怖くもあり楽しみでもある。


「僕も授業で。1飯払って、『仲介商』を出すよ。えーと、この6か所に1石と1飯置きます。で、僕が行ったら置いてある石と飯をもらえます」

「それ、5+かー。初めて見るけど、かなり強いね」

「迷ったんだけど、流しちゃったなー」


 石積君の言っている「この6か所」というのは、片方が使われているともう片方は使えなくなるという、6か所の選択スペースのこと。この6か所に全てに、1石と1飯が置かれて、石積君がそのアクションスペースを使ったら置かれている石と飯を回収できる。回収の手間がかかるとはいえ、一手で6石6飯相当か。そう考えると、確かに強いな。


 さて、私の番だ。序盤の方針は決まっている。まずは一直線に、子なしの最速起動を目指す! あとは流れで!


「葦石木!」

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