エピローグ
【報告】
令和◯年七月二十日、原因不明のバイオテロによって封鎖された都立八裕学園中等学校及び高等学校。被害は校内全域に広まり、ウィルスの発見には時間がかかったため救助者は0名。
学校近辺の区域は急遽避難処置を施し、感染拡大の被害を最小限に抑えた。
感染者は学校内に専門の役員を配備し、事態の収拾を試みたが一向に回復の見込みは見えない。
ウィルスの出所や全容も掴めないまま二年が経過。
令和◯年八月五日、突如厳重に塞いでいたはずの校舎から感染者が封鎖区域の外へ流出。
急遽自衛隊を派遣するが感染者の数に自体は混乱を招いた。
感染者の状態は医療班からの報告とは明らかに異なり、代謝の異常、栄養失調、知能指数の大幅の低下と、歩くことさえままならないはずの状態。しかし、言葉による説得は応じず、警告する自衛隊員を無視して反撃に出た。催涙弾、催眠ガスなどの類は一切効果なし。そのため武力行使せざるを得なかった。
自衛隊員の感染が危惧されたが、一週間の経過を観察しても予想されていた症状は見られず。被害は最小限に抑えられた。
拘束し専門の施設へ送られた感染者だが、ウィルスや細菌など体を侵食する病原菌は見当たらず治療法の確立は暫く見込みのないままかと思われる。
感染者流出の原因だが、校舎を囲っていた檻は全て切断されており、外部による犯行の線が濃厚と思われる。
自衛隊員の目撃証言によれば、感染者を先導していたのは一〇代後半の少女であり、隻腕でありながら巨大な刃物を振り回していたとされている。
少女の行方は未だ突き止められず、引き続き事件の重要参考人として捜索するものとする。
スカー・レッド 御伽ハルノ @Harunootogi
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