「こたえは……生き続けるしかないな」「この悶々を抱えて生きろと?」「今が辛いなら、辛さから遠ざかるしかない」「生きていれば、良いことに巡り合うかもしれんしな」「落ち込んでいるぶん、幸せを見落とすだろうけど、とりあえず生きなくちゃ」 陰鬱な空気が纏わりつく作品でした。曇天の下、彩度の低い紫陽花が彼女の心情とシンクロして、目に焼きつきます。いつか彼女に救いあれ。
或る田舎の儀式が暗示するのは、人間の優しさか。それとも残酷さ?はたまた滑稽さか。500字にして、人間という存在について考えさせられる作品です。