第2話イライラからのザマァでスカッとする話よりの、こぼれ話、私の妹は、私の婚約者を寝取るクソやろうだ 完全版

いつもどおり朝・・・いつもどおりの朝食

いつもどおりに二人は、朝食を取っている


何一つ昨日と変わりがないようにも見えるが

だがそれは外側だけ、二人の内面は、それぞれ嵐のようだったりする


一人は怒りを、一人は混乱を・・・・・

そんな、いつもと同じようで違う朝食を終え


「じゃあ、行ってくるから、留守番よろしくね」


これもいつもどおりの言葉を残る

アヤカにかけるとノゾミは多少はぎこちないが

微笑を浮かべ、そのまま玄関から出ていく

一人残された、アヤカ・・・・・ノゾミを見送ってほんの30秒ほどだろうか

微笑みを浮かべていたその顔からは、微笑みが消え

突然リビングに駆け戻ると

ソファーにダイビングそしてクッションを殴り始める


「意気地なし、根性なし、この童貞ーーーーーーーはあはあ」


もうお察しだとは思うが、昨夜アヤカの誘惑は失敗に終わった

まったくの失敗というわけではないが、ノゾミは逃げ出したのだ


「本当に・・・・あそこまで行って何よ、そのまま押し倒しないさいよ」


アヤカが悔しがっているように、寸前まではいったのだ

だけど、やはりと言うか、ノゾミの経験のなさが、災いとなったのだろう

テンパっていたのかアヤカに無造作に近づくといきなり

アヤカの右胸を鷲掴み・・・・それも力尽くでだ

アヤカは突然の事に驚いたが、それ以上に普通に痛かった


「イター」そう悲鳴をあげ、顔を歪めるアヤカの顔を見て

ノゾミは怖くなったのか?それともどうして良いのか

わからなくなったのか?どちらにしても、すぐに回れ右をすると


「ゴメンなさい・・・・付き合ってくれてありがとう

今日はもうおしまいね・・・・おやすみなさい」


そう早口で言うとアヤカの部屋の鍵を開け

ダッシュで自分の部屋に・・・・残されたアヤカは・・・


「えーーーーーなんでよ?」


昨夜の事を思い出すと、悔しくてますます

頭に血が上っていくがそれでも一晩たつと

それなりに物が考える事ができるようになってくる


「そうだ・・・・ノゾミは中学生男子みたいなもの・・・

違うか中学生男子なんてやりたいだけのケダモノよね・・・て違う

そんなことはどうでも良くて」


アヤカの言いたことはこうだろう

ノゾミは中学生男子と同じで女性にどう手を出して

良いのかわからない・・・・


「そうよね・・・きっとそう」


(だけど・・このままなのは困るわよね、もしこのまま有耶無耶にしたら

ノゾミの奴また気づかないフリを、してしまうかもしれない)


アヤカの考えはこうだった、なんの根拠も無く

誘惑したわけじゃない、私達は両思いだ、ただお互いがその気持ちに

気づかないフリをしていただけ・・・・・

そうだ自分も気づかないフリをしようとしていた

ノゾミも同じ気持ちのはずだと


だからこそ、アヤカは頭にきてるのと同時に

焦りも感じていた自分はシンヤさんじゃなく

ノゾミを選んだって言うのに

肝心のノゾミが、このままじゃあ


(よし昨日の事は忘れて、ノゾミを許す絶対にそのことで責めない

そんなことより、私は優しいお姉さん・・・経験のない童貞を優しく

リードしてあげないと・・・・でもそんな経験私にもないしな)


やるべき事は、なんとなくだが見えてきたが

具体的にどうすれば上手くいくのか?


(ノゾミがそんな気分になりやすいような、雰囲気を作らないといけないわよね

う〜〜〜〜ん、とにかく今夜の夕食はいつもより頑張るか)


何も決まってないようにも思えるが、とにかくアヤカは前向きに

考えるようにしたようだし

よしとしようそして、もう一人の当事者は?



(はーーーーー失敗した、本当何してるのよ)


仕事中だって言うのに、昨夜のことが頭から離れない

ノゾミは焦っていた、アヤカがあんな行動に出るとは

正直おもっていなかったからだ


アヤカが考えていたように

実はノゾミもアヤカの気持ちにはそれとなくは気づいていた

そして自分の気持ちにもだ、だけどその事を私達は生涯口にしないだろうと

だからこそ、昨夜のアヤカの行動には心底驚かされた

そして、とにかく何かしなければと焦った結果があれだ

アヤカの小さい悲鳴と、苦痛に歪んだ顔を見た時


とにかく怖くなりあの場所から逃げてしまったのが

部屋に戻った後も、どうすればよかったのとにかくその事ばかりが頭から

離れず朝方まで眠ることもできなかった


(ねむい・・・・いやいや仕事中だし流石に眠るわけには、それにしても眠い)


仕事も大事だが、それ以上に今のノゾミの頭を占めているのは

これからどうしたら良いかだ


(アヤカがその気になったのなら、私も覚悟を決めないとな

これまでのような、誤魔化しはダメだ・・・・・けどな)


ノゾミは思い切りのいい女性だ、決断も早い

ちょっと思い込みが強いのが、欠点だが


(とにかく今日は帰ったら、よく話し合おう・・・・今朝の様子だと

かなり怒っていそうだけど、話くらいなら多分大丈夫・・・・

・・・・う〜〜〜ん、ちょっと心配だし、何か買って帰るかな)



「お帰りなさい・・・・あらどうしたのその花束?」


「アヤカにプレゼントよ、あとケーキも買ってきたから

後で一緒に食べましょう」


完全にご機嫌取りに来ているが、でもそれはアヤカにとっても都合がよく

少しわざとらしい程、喜んでみせる


「うわー綺麗な薔薇ねいい匂い・・・ありがとうノゾミ」


ノゾミもアヤカも実は内心ホッとしていた

多分大丈夫だろうとは、思っていたがこうしてお互いが

歩み寄ろうとしているのがわかったんだ

後はちゃんと話せば、なんとかなるはずだと


「じゃあご飯にしましょうか、すぐに用意するからね」


花束を抱え奥に消えていくアヤカを追うように、ノゾミも自分の部屋に戻り

着替え、洗面所で化粧を落としリビングに


「うん今日も美味しそうだね」並べられている夕飯の数々を見ながら

満足そうにノゾミが漏らせば、アヤカの方も


「うん、今日は頑張ったんだから、よく味わってね」


「へえーそれは楽しみ」実にいい雰囲気だし

今のうちに言っておこうとノゾミが口を開く


「あのね・・・アヤカ、食事の後でいいから、話があるんだけど、いいかな?

ちょっと長い話になるかも知れないけど」


勿論だがアヤカの方でも、それは待っていたことすぐに頷くと


「うん、いいよ・・・ケーキでも食べながらゆっくり話そうか」


二人は微笑み合い、まずは夕食

意外な事かも知れないが、夕食時にノゾミはあんまり喋らない

美味しいとか、ポツリと言ってくれたりはするのだが

どうもノゾミは食事時には、食事に集中したい人間らしく

あんまり喋ろうとしない、それがちょっとだけだがアヤカには不満だった

いやアヤカの不満はそれだけではない


ノゾミは仕事のことや、家族の事など、ほとんどの事をアヤカに話さない

なぜかと聞いてみたところ、アヤカが別に知る必要がないだろうし

家族はともかく仕事の話を、聞いたところで面白くないだろうと?


確かにノゾミの仕事の事を話されても、分からないかも知れないが

別に愚痴でもいいから、話して欲しいと言ってみても

ノゾミは怪訝な顔を作ると


「人の愚痴を聞いて何が楽しいの?・・・少なくとも私は他人の愚痴を聞いて

愉快になった事は一度もないんだけど」


わかっていない愚痴を聞いて、共感したりして、女は仲を深めるものなのよ

そう言ってもみたけど、ますます怪訝な顔を深め


「ふ〜〜ん、でも私には自分の愚痴を人に言ったり

聞いたりするのはちょと抵抗があるのよね」


わかってはいたけど、やっぱり自分とノゾミはメンタルの根本的なところが

違うようだと、軽いカルチャーショックを受けたりもした

少し話がずれたようなので、元に戻すが

食事時のノゾミは、あんまり喋らないが


それでも時おり、思いついたように、口を開く

まあ言ってくるのは、子供みたいに


「これは何?」とかなんだけど、それが素材のことなのか

料理名の事なのかはハッキリとしないが

アヤカにとってみれば、それはどちらでもよかった

待ちに待っていた機会なのだからだ


とにかく、素材の事でも料理名でもどちらでもいいから説明する

素材の時なら、どんな風に選ぶか今日は頑張って目利きしたんだと

料理のことなら、どんな手間がかかり今日は苦労して料理したんだと

とにかく自分がいかにノゾミの、食事の為に頑張っているのかを

アピールする機会なのだ


どちらかの、時には両方の説明をおとなしく聞いたノゾミは


「へえ、そうなんだね・・・いつもありがとう、とても美味しいよ」


どこまでノゾミが本気で言っているのかは、分からないがそんな事は

アヤカにはどうでもよかった、こうして言葉にしてくれているだけで

テンションが上がってくるし、今自分は幸せだと感じてしまえるのだから

そんな食事も終わると、いつものように


「じゃあ片付けしてるから、ノゾミは先にお風呂に入ってきちゃて」


「うん、先にいただくね」暮らし始めた当初こそノゾミも片付けを手伝おうと

していたが、それはアヤカが強硬にさせなかったので

今となっては、ノゾミの方でも気にしないようにしている


さて、今夜はお風呂に入り、のんびりとテレビを見て終わりじゃない

それどころか、これからこそが本番だ、今更ながらだが二人とも緊張してくるが

それはあんまり表は出さず、お互いにのんびりとしている風を


「このケーキ美味いな、ネットの評判どおりね

数量限定って話だったから昼間に予約しておいてよかったよ」


「そうなんだ、確かに美味しいわね」


確かに美味しい、それは間違いない、ネットの評判どおりなのだろう

だけど・・・・買ってくるなら、一言欲しかった

しかもなんで6号のケーキを1ホール?

とてもじゃないけど二人で食べ切れるわけがない

たとえ、夕食の後じゃなくてもだ


そう今すぐにでも、言ってやりたいがアヤカはなんとか堪えた

ノゾミが考えて買ってきてくれた物だし

今日は怒るわけにはいかない今日の自分は優しいお姉さんでいなければ

そう自分に言い聞かせると、微笑みを浮かべつつケーキに手を伸ばす


軽く隣のノゾミが息を吐くのがアヤカにもわかる


「ふーーーそのアヤカ・・・・昨日はごめんね

せっかくアヤカが勇気を出してくれたのに逃げるなんて、そのごめん」


勿論、アヤカはもう許す気になっていた、昨夜の事はこれからも

言うまいと・・・だけどノゾミの方から謝ってくれたのは

嬉しかった、気にしないようにしても

こういった事は、いずれ問題になったりもする

早めに解決すれば、後に引くこともない


「ううん、私の方こそごめんね、ちょっと強引だったよね?」


微妙に苦笑を浮かべるとノゾミは


「じゃあ昨日の事は、お互い悪かったって事で、終わりにしようか・・・

・・・・それでね・・・その、アヤカが勇気を出してくれた訳だし

私も、もう自分の気持ちを誤魔化しているべきじゃないと」


そこで言葉を切ると、隣に座るアヤカの肩を持ち、自分の方に向かせ

アヤカの目を見つめる、ノゾミの勘違いなどではなく

アヤカの目が潤んできているのが、わかる


「私の本当の気持ちを言うよ・・・・・私はアヤカの事が好きだ

いつまでも私の側に、いてもらいたいと思っている」


「私もよ、いつまでもノゾミの側にいたい」


そう悲鳴をあげるように叫ぶと、ノゾミの胸の中に飛び込む

ノゾミはそんなアヤカの体を受け止めると、その頭を優しく撫で始める

アヤカは生涯でも感じたことがない程の幸福を

いま感じているんだと、実感できて涙が出そうになってきた


「それでね、これからの事を話したいんだ・・・急かせるようで悪いんだけど

落ちついた?」


目尻に溢れた涙を拭いていると、そうノゾミが言ってくるので


「うん、ごめんね、嬉しくてつい」そう返すアヤカにノゾミは微笑むと


「アヤカは本当に可愛いね、気にしないでもいいのよ

今夜はまだ時間もあるしゆっくり待つから」


「ううん、もう大丈夫だから、気にせず続きを話して」


「そう・・・それじゃ、それでね、これからの二人の関係なんだけど

その恋人って事でいいのかな?・・・その単なる同居じゃなく同棲って事で?」


「うん、私はそれでなんの不満もないけど」


改めて言われるとなんだか照れ臭いが、まあそんな関係だろう


「本当なら夫婦になろうとか、言いたいところなんだけど

日本じゃ同性婚は認められてないしね・・・

まあ精神的な結婚くらいならできるんだろうけど」


「結婚・・・・したい精神的でもいいからノゾミの奥さんになりたい」


口に出してしまってアヤカ自身がビックリした、自分がそこまで望んでいるとは

でも一旦口に出してしまえば、もうその事を意識せずにはいられない


「ありがとうアヤカにそこまで思われているなんて、嬉しいよ・・

・・でも実際にはやはり難しいかな・・・いやアヤカと結婚したくないって

言ってる訳じゃないのよ・・・そうね法律上の事を言えば

さっきも言ったとおり、日本じゃ同性の結婚は認められていない

つまりアヤカは私の妻としての、社会保障が受けれないのよ」


ノゾミが何を言おうとしているのか?

いまいちピンとこず微妙は顔をしていると


「アヤカ・・・あのねアヤカは年金とかどうなっているか知ってる?

健康保険は?」


「え〜〜〜〜と・・・・・」どうしてたっけと、思い出そうとしてると


「ああ、そんなに考えこまなくていいから、私がわかってるから

アヤカはこの一年、年金未納で、健康保険も入っていないから」


「そうなの・・・じゃあ私、年金貰えないの?

病気になったらどうすればいいの?」


「そうなのよね・・・まあ年金はこれから納めればいいし、健康保険も入れば

いいだけなんだけど・・・・私の妻としては受けれないのよ」


よくわかっていないアヤカの顔を見ると

これはもうちょっと具体的に話さないといけないようだ


「つまりね、アヤカが法律上も私の妻と認められると

アヤカは何も心配もいらないんだけど、法律上認められていない

そうなるとね全ての手続きをアヤカ本人がしないといけないのよ

まあ、アヤカが私を代理人として委任状を書いてくれればそれでも

いいんだけど」


「はあ・・・」


「う〜〜〜ん、今まで放っておいた、私も悪かったけど

社会保障は重要よ明日にでも区役所と年金事務所に行った方がいいわね」


「はあ・・・」


「あとね・・・・もしもよもし明日私が交通事故とかで

死んだりするとするじゃない」


「ちょっと縁起でもないこと、言わないでよ」


話にいまいちついていけず相槌だけしていたアヤカだが

このノゾミの言葉には反応せずにはいられない


「だから、もしもだってば・・・でもねその可能性はゼロじゃない

私はねアヤカの事を残すと思うと、心配で心配で・・・・

ああごめんね、要点を言うとね私が死んだらアヤカはここを追い出されるのよ

いくらアヤカが私の妻だと言ったところで、それは認められない

私の財産を一銭も相続できない・・・・」


「そんな・・・別に財産なんかどうでもいいけど、ノゾミがいなくなったら

私どうやって生きていけばいいの?」


「ああ、ごめんねそんなに心配しないでいいから

アヤカのこれからは私が考えるから

そうね・・・まずは遺言状でも作るらないとね・・・あとは

・・・ああほんとごめん、話が本筋からずれたわね」


「ウホン・・・つまりね、妻として当然のように認められる権利がないのよ」


「そうなのね・・・・」考えてみれば、アヤカは自分の社会保障の事なぞ

この数年考えた事もなかった

いや、頭によぎったことはあるにはあるんだけど

前の夫でもあるトシアキの扶養に入っていたせいもあるのか

その手の手続きもトシアキがしてくれていたみたいだし


とはいえ、ノゾミが考えてくれると言っているし、そのとおりにすれば

問題ないのだろうと、軽く考え始める・・・


「ふ〜〜ん、じゃあ保険とかにも入ればいいの?」


実にフワッとした、考えだが将来の安全とか考えると

どうしてもそんな事くらいしか、アヤカには思いつかない


「いいえ、アヤカ保険には絶対に入ったらダメよ」


「え?・・・なんで?」


意外な事を言うので少しだが驚いたような顔になってしまう


「いい、アヤカ、保険はギャンブルよ、それもほとんどの人が負けるね」


「・・・・・・・確かにそうかもしれないけど、安全を買うと思えば

高くないんじゃない?」


「いいえ、本当に保険は保険会社しか勝者のいないギャンブルよ

勿論保険で助かる人がいるのも知ってるけど

ハッキリ言って保険に金をかけるくらいなら

貯金するか投資するかしたほうがよっぽどマシよ

私も投資に回してるし」


「そうなんだ」


これも以外だった、と言うかノゾミは自分の事をとにかく話さない

アヤカが聞いても、誤魔化されたり知らなくて良いと言われたり

その事も不満だったのだが、それは今はいいとしても

将来的にはもうちょっと話してもらわないとなと

アヤカは心に留めておくことにした


「う〜〜〜ん、ごめんね色々話が脱線しちゃて

そうこれからの事を話したかったのよね」


「そういえばそうよね・・・・あの、これからのことって?」


ノゾミが目に力を入れて自分を、見つめてくるのがわかる


「アヤカ・・・アヤカは百合の定義ってわかる?」


「百合の定義?・・・・・・あのレズビアンの別称だよね

それがどうかしたの?」


「違うから。百合とレズは、同じじゃないの・・・私たちは百合を目指すべきだと思うのよレズじゃなく」


まったく違いがわからず、困惑するだけのアヤカを見てノゾミは更に説明を続ける


「もうちょっと噛み砕いて言うとね・・・・・

そうね百合は精神的な繋がりを重視する

女同士の恋愛・・・・レズは肉体関係を重視する

女同士の恋愛と言ったらいいのか・・・・

・・・・いやその辺の定義は本当に難しくて

これが絶対に正しいとかないんだけどね」


「・・・・・つまり百合を目指すってのは

精神的な恋愛をしましょうってこと?」


「そう、私が言いたかったのはまさにそれよ」


「あの、それってどこまでが精神的な恋愛なの?」


「そうね・・・・キスくらいまでなんじゃない?」


アッサリと言い切るノゾミに


「いや、子供じゃないのよ私達・・・いくつになったと思ってるのよ?」


「27、いやもうすぐ28か・・・それがどうしたの?」


堂々と答えるノゾミに、押されるがここは引くわけにはいかない


「そうよ27なのよ、子供じゃないんだからキスだけって・・・・

・・ああわかった、いつもの成り切り遊びね

そうか今度は百合カップルプレイってやつね?」


微かな希望を込め、アヤカは口元を引くつかせながら

微笑みを作るとノゾミの方も微笑み


「違うから、私たちの目指すのは百合カップルよ

レズカップルじゃないからね」


「いやよ、私にだって性欲くらいあるんだね、なんで付き合ってすぐに

レスにならないといけないのよ・・・・絶対に嫌だからね

いくらノゾミの言う事でも、こればっかりは聞かないから」


「そんなの自分で処理しなさいよ、いい子だから私の言うことを聞きなさい

これ以上の我儘はいくらアヤカでも許さないわよ」


アヤカは基本的にノゾミには逆らわない、何せ言葉どおり養われているし

恩もある、何より間違ったことは殆ど言わない

だが、こればっかりは逆らわずにいられなかった

なぜ、両思いだとわかった瞬間に、レスにならないといけないのか?


とてもじゃないけど納得できない

絶対に引かないそう思うとノゾミの前に仁王立ちをする


「う・・・・」がすぐにノゾミが立ち上がり、アヤカを軽く睨んでくる

思わず下を向きそうになるが、なんとか思い止まり逆にノゾミを睨みつけるが

怖いのか?その目は涙で潤み始める


「はーーーーもうわかったわよ・・強情ね

いい子だからそんな顔やめて隣に座りなさい・・・ほら」


ノゾミに強引に手を引っ張られる、隣というよりノゾミの膝に座ると

そのまま肩を抱かれると頭を撫でられる


「ちょっと、そんなんじゃ誤魔化されないんだからね」


ノゾミの手を、なんとか頭の上から

どかそうとするが、自力が違いすぎるノゾミの手はびくともせず

アヤカがウンウン唸りながらノゾミの手を掴んでるだけ

ノゾミは暫くそんなアヤカを黙って見ていたが軽くため息をつくと


「もうしょうがないわね・・・これは言いたくなかったんだけど

・・・・アヤカその気にしないでね・・・」


ノゾミの変な言い回しに、気を取られノゾミの目を凝視してしまう


「気にしないで?・・・何を?」


「うん、これからね、ちょっと・・・もしかしたらアヤカが傷つくような事を

言うけど・・・・・やっぱり言いたくないな」


「ちょっと、最後まで言ってよ・・なんなの?」


よほど言いたくないのか、ノゾミも自分の頭をかきながら

どうしたものかと思案し始める


「よし・・・言うけど、本当に気にしないでね・・決してアヤカが嫌いだとか

そんな事じゃないんだからね・・・」


「うん・・・・わかったから、早く言って」


「じゃあ・・・実はね、私・・・・アヤカの体にまったく欲情しないんだ」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「はぁ」


「本当にアヤカのことが嫌いだとかじゃないからね

アヤカの事は好きだしいつまでも側にいて欲しい、この言葉に嘘はないから」


「じゃあなんでよ・・・嘘つき、本当は私の事

家政婦としか見てないんでしょうノゾミの世話をしてくれる

女なら誰でも・・・」


それ以上は言葉にならず、泣き出しそうになる

さっきから感情が昂りすぎて、涙腺が脆くなっているのか


「ほらほら、泣かない、私は嘘なんか言ってないからアヤカの事好きだら」


「嘘言わないでよ、好きなのになんで抱きたいとか思わないのよ」


こうなると、思っていたから、なんとか百合カップルで誤魔化したかったんだが

もうそんなことは言ってられない


「アヤカ、落ち着いてね・・・・逆に確認なんだけど

アヤカは私の体に欲情するの?」


「そんなの、当たり前じゃない、ノゾミの事を見ると

ドキドキしてたりしたんだから」


「・・・・・・ドキドキか、じゃあ私の胸を揉んだり

アソコに触ったり舐めたりとかそんな想像してたの?」


「そう・・・・」


そうよ、そう返事をしようと思ったところでアヤカもハッとする

確かに自分はノゾミにドキドキしてたりしたけど・・・

ノゾミの体に欲情してたのか?

一年以上一緒に暮らしていれば

ノゾミの胸やそれどころか何度か全裸も見たことがある

だけど・・・・言われてみれば確かに、ノゾミの胸に触りたいとか

どうにかしたいとは思ったことがなかった・・・・


「私もそうなの、それで随分と悩んだ、アヤカのことが好きなはずなのに

なんでアヤカの体を見ても、ムラムラしてこないんだろうかってね?

・・・・・答えは・・・私たちの性的嗜好は男性に

決して女性の体じゃ興奮してこないのよ」


呆然としているアヤカを優しく抱きしめると


「ねえ、わかったでしょう?・・・・体の関係はなくても

私はアヤカが好きいつまでも守ってあげるから、だからもう泣かないで」


「うん・・・・」


アヤカの方も何か悟ったのか、もうノゾミに逆らわずにされるがまま


「アヤカ、今日はもう、疲れたんじゃない?

私も昨日から寝不足で・・・・今夜はもう寝ましょうか?」


「うん・・・・」



次の日の朝いつもどおりにノゾミを送り出し

朝食の片付けをしてる時アヤカはふと気づいた


「ああ、そうだ残りのケーキどうしようかな

捨てるのも勿体無いしかといって、全部食べ切るのは無理だしな」


自分のお昼をケーキにするにしても、とても一人じゃ食べきれない


「そうだ」


すぐにスマフォを取り出すと


美味しいケーキがあるから食べにこない


「よし送信」


レイコからの返事は結構すぐにきた


「どこの?」・・・・・そういえば聞いてないな


ノゾミが買ってきたんで、どこのかは知らないけど美味しいのは

間違いないよとそう返信したら、ノゾミの家に興味があったのか

すぐに行くから、住所を教えてくれと返信がきた



「確かに美味しけど・・・・ちょっと食べきれないわよこんなに」


「はは、まあ食べれらだけでいいから」


多少は文句も言っているが、それ以上にレイコの関心は

このマンションや内装に向いていて

たっぷりと1時間は根掘り葉掘り聞かれることになった

正直、アヤカもそれほど詳しく知らない事もあったので

かなり適当に答えてしまったのだが

二人とも気にならないようで、余計な突っ込みは入らず会話は進んでいく

そんな中、会話が途切れると、レイコが本題を


「で・・・・今日は何聞いて欲しいの?」


「うん・・・・・・・ちょっとね」言いずらそうにしているアヤカを見て


「例の彼氏と台湾に、行くかどうかで悩んでいるの?」


「ああ、違う、違う・・・彼とはもう別れたから、台湾の話はもう終わり」


「そうなの・・・てっきりその話かと思っていたのに」


「あのね・・・・私はノゾミの嫁になることにしたの」


「・・・・・・・はーーー、結局そうなったか」


「うん、そうなったの」


「まあ、ノゾミさんもアンタも納得してるんだったら

私からはもう何も言うことがないんだけど・・・・その様子だと

単なる惚気話を聞かせたいだけじゃなさそうね?」


「うん・・・・ノゾミも私の事を好きだって言ってくれたんだけど」


「くれたんだけど?」


「ノゾミが好きなのは私の精神とか心で、体じゃないって」


アヤカの説明にいまいち理解ができないのか、レイコは怪訝そうな顔になると


「え?・・・どう言う意味?」


「うん、つまりね、私達はプラトニックな百合カップルなんで

肉体的な関係は必要ないって」


「・・・・・・なんとなくわかったけど、アヤカの方もそれでいいの?」


「いいわけないでしょう、なんでこの歳になって

そんな中高生の行き過ぎた、友情ごっこをしないといけないのよ」


「まあそうよね・・・やっぱりノゾミさんその手の経験が少ないから

そうなるのかな?」


「うん、それもあるんだと思うけど、ノゾミの言う事も

あながち間違いじゃないのよね昨日言われて、私もハッとしちゃたんだけど」


「何言われたの?」


「私もノゾミも今まで男性を

て言うか男性の体を性の対象として見てきた訳じゃない

それがいきなり女の体に欲情しろって言われても無理だって」


「ああ、確かに、いきなりアンタの体に欲情しろって言われても、無理だわ」


アッサリと言うレイコに、アヤカも深くため息をつき


「そうなのよね、私もノゾミの体に欲情するかって言われたら・・・

全然した事なくて」


「でも、したいのよね?」またもアッサリ言い切るレイコに、少し照れながらも


「それは、やっぱり好き同士なんだしさ・・・・それに体が繋がってると

安心もできるじゃないいま、愛されてるんだって実感できるっていうか」


「うん、確かに・・・・その感覚がノゾミさんにはわからないんだろうな

あとさノゾミさんが言ってる、その百合カップルってなんなの?」


「ああ、それね・・・・う〜〜〜〜ん、その概念を説明するのは難問ね・・

・・・・そうだ、ちょっと待ってね」


そう言うとノゾミの部屋に向かい、すぐにあるBlu-rayのパッケージを持ってくる


「これ見て、これみればなんとなくだけど、わかると思うから」


そうパッケージを見せてくる


「やがて○になる・・・・・何それ?」


「ノゾミが好きな百合物のアニメ、多分ノゾミはこれに感化されてると思うから

これみれば理解できると思う」


「まあ暇だからいいけど、それ長いの?」


「一話22分くらいだから、そんなでもないんじゃない」


「22分かそれくらいなら

ケーキ食べながら見てれば終わるわねまあいいわよ」


あんまり乗り気ではないようだが

22分後、第一話が終わったところで終わりにしようとしているアヤカに


「一話じゃ、いまいち理解できなかったから、このまま続きを見せて」


さらに22分後


「続きは?・・・ノゾミさん買ってないの?」


「いや、あるけど・・・・アンタ、当初の目的忘れてない?」


「忘れてないけど、アヤカの悩みより

生徒会長と書紀ちゃんがそれに副会長のことが

気になって・・・・ねえ続き貸してくれない?」


「いやこれノゾミのだから、勝手に貸したら怒られちゃうよ

それに私の悩みより、重要ってなんなのよ?」


「あはは、冗談よ・・・・じゃあノゾミさんに聞いてみてね・・・あと

ノゾミさんが何を目指しているのか、確かになんとなくだけどわかったわ

いいじゃない、百合カップル・・・目指しなさいよ」


「はあ?・・・何アンタまでフィクションに感化されてるのよ

こんなの現実じゃ無理だから」


「ちょっと私の夢を壊さないでよ・・・あの三人の気持ちは確かな物なんだから」


どこまで本気なんだかわからないが

とにかくアヤカは冷めた目で見てあげることにする


「冗談だって言ってるでしょう、もうアヤカもノリが悪いわね、あはははは」


「ウホン・・・・じゃあ話を戻しましょうか、現実的に考えて・・・

ノゾミさんの希望どおりに百合カップルで行くのは

確かに厳しいのかなと私も思うわ・・・

まあいずれは飽きてきてレス気味になってくるけど

それも肉体関係があってからの流れだしね

いきなりレスってどうなるのかな?」


「う〜〜〜ん、さあどうなるんだろう?、聞いたこともないしな」


「そうよね、そんな話、私も聞いたことないしな・・・とにかく

こう考えたらどうかしらノゾミさんの言うことも正しいと思うのよ

今まで興味が無かったものに、いきなり興味を持てとか無理」


「うん、私もそう思う・・・でもそれじゃ困るのよね」


「うん、それでね、ほら食文化の違いとかでさ・・・・例えば日本だとクジラよ

日本じゃクジラを食べるけど、クジラを食べない国もあるわけじゃない

そんな国の人たちから、みたらクジラ見ても食欲が湧かないわけじゃない

でも一回、無理矢理にでも食べて美味いと感じれば

次からクジラをみれば食欲が湧くように、なるんじゃないかしら?」


「ああ、なるほどね、確かにそうかも・・・・だけどレイコ

クジラなんて食べたことあるんだ?」


「いいえ、食べたことないわよ、どこで売ってるのよ?みたことないんだけど」


「ああそうよね、ごめん、私も食べたことないんで

食べたことあるんだって気になって」


「たとえよ、たとえ・・・それでなんだけど、どうにか無理矢理でもいいから

ノゾミさんとやっちゃえば、解決なんじゃないかな?」


「それって、私がノゾミを襲ってレイプしちゃえってこと?

あのさ、私が襲ったところで、返り討ちよ、瞬殺、絶対に勝てないから」


「確かにそうよね・・・アンタとノゾミさんが喧嘩になったところで

アンタが次の瞬間泣かされてる、姿しか想像できないし」


「たぶん10秒くらいなら持つから・・・・

じゃなくてまず力尽くとは無理だからね」


「う〜〜〜〜ん・・・・・それならさまずはアンタの方から解決しない」


「私の方から?・・・・レズ物のAVでも沢山みればいいのかな?」


「それでもいいんだけど・・・そうねいっそのこと

ここはプロにお願いしたら?」


「プロに?」アヤカが理解できずにキョトンとした表情を浮かべると


「そうプロに、ほらさ男性が立たなくなった時とか

プロにお願いするとか聞いたことない?」


「全然ないけど」


「ごめん、私も聞いたことないや・・・

まあ都市伝説みたいなものか・・あはは」


「ちょっと待って・・・つまり私にその手のプロを買えって言いたいの?」


「まあそんな所かな」


「あのさ、そんなこと、出来るわけないでしょう

そんなノゾミを裏切るようなこと」


「まあ、そうだよね」言い出したレイコも苦笑を浮かべてる


その後も、なんだかんだと話て見るが、これだと言うような解決策はでず

最後には、いつもどおり愚痴の言い合いで

終わってしまった

帰り際


「ああ、そうだBlu-rayの件、ノゾミさんにちゃんと聞いといてね」


「うん、聞いとくね」


そしてその日の夜


アヤカは今日の昼間、友人のレイコを招き一緒にあのケーキを始末したことを

苦笑混じりに報告し、その時見ていたBlu-rayが気に入ったので

レイコが貸して貰いたがっていると


「へえ、レイコ・・・・・・同じサークルにいたのよね?・・・

レイコ、レイコ・・・・・・・ダメだみれば

思い出すかもしれないけど顔が出てこない」


「はは、もうノゾミはほんと、人のこと覚えてないよね」


「いやそんなことはないわよ、重要な人は覚えてるから・・・いやそのレイコさんが重要な人じゃないとかじゃななくて、かかわっても

関わらなくても、私の生活になんの変わりもないってことね」


「まあ確かに、ノゾミにとっては、重要じゃないだろうけど」


「はは、たまにはアヤカも友達と、遊んだりしたいよね」


「うん、レイコにはよく、悩み事とか相談とか乗ってもらってたりするのよ」


これはノゾミには少し意外だった、アヤカの悩み事や問題を解決するのは

自分だと思っていたので、自分以外にそんな話をしている人間がいたのが


まあ、レイコの場合、ほとんが話を聞いているだけなのだが

女同士の関係にはそんなものもあるんだけど、ノゾミにはちょっと不思議だった


「それでね、今日も悩みを聞いてもらってたんだけど、その時にね

ノゾミの事もちょっと話したんだけど、レイコが百合カップルのことが

いまいちわからないって言うから、やがて○になるを見せたのよ」


「ああ、確かに百合モノの最高傑作の一つだしね・・・・

って私とのこと話したの?」


ちょっと口が滑り、しまったと思ったが上目遣いにノゾミを見上げ

少しウルウルさせると


「ごめんなさい、レイコは昔から相談に乗ってもらっているし

別のところで言いふらすような人間でもないし」


すぐに謝れば、怒られる事も無いと媚を売る


「はいはい、もうわかったから、その目をやめなさい疲れるでしょう?

でも、あんまり自分の事を、軽く言わない方がいいと思うよ」


アヤカが納得はしてないだろう表情だが頷くのを見ると、ノゾミも頷き


「それで、レイコさんは、なんって言ってるの?」


話してしまったなら、しょうがないそれなら別の人からみたら自分の考えや

自分たちはどう見えるのか?、その方にノゾミの考えはシフトしていた


「そうね・・・ノゾミの言うことも分かるって

いきなり女の体に欲情しろは無理だろって」


「やっぱりそうよね」


「うん、そうなんだけどね、レイコは文化の違いみたいなモノじゃ無いかって」


「文化の違い?」


「うん、え〜〜〜と、クジラって他の国じゃ食べないじゃない

でも無理にでも食べて美味しいと感じれば

次からクジラをみたら食欲が湧くようになるんじゃないって?」


「ああ、なるほどね・・・・・確かに、一回経験すれば

次からは自然にそう思えるようになるかもしれないしね」


「でしょう、じゃあ今夜にでも」


ノゾミにもわかってもらえたようだしと、意気込んで言うが


「いや・・・・それはまだ抵抗があるって言うか・・・早すぎるっていうか・・

やっぱり、順序よく手順を踏んでいかないと

無茶するとかえって回り道になったりもするし」


ノゾミの方は、まだそこまで、踏み込めないようで


「もう・・・このヘタレ」アヤカのツッコミに「hahaha」ノゾミは苦笑してごまかす


「はあ〜もうレイコの言うとおり風俗にでも行っちゃうんだからね」


「風俗」


そのワードが気になったのか、繰り返しアヤカの顔を見つめる


アヤカの方といえば、また口が滑ったと

どうやって誤魔化そうかと考えていたが

ノゾミはそんな暇なんて与えてくれず


「風俗って何?・・・レイコさんが他にも何か言ってるの?」


「その・・・・ノゾミの前に私も女になれた方が

いいんじゃないかなってその道のプロにお願いして、教えてもらったらって?」


「ふ〜んその道のプロね」


「違うのよ、今のはほんの冗談だから

私がノゾミを裏切るわけないじゃない全然興味とか無いんだから」


「いや、私の方が興味が湧いてきたんだけど」


「え?・・・・どの辺に?」まさか、まさか


「あの、まさかノゾミ・・・女を買いたいとか言わないわよね?」


そう、自分を差し置いて、他の女を買うそんなことは絶対に許せない


「いや、私はそんな気はないわよ、アヤカにまずは経験してもらうってことよ

そうよね、アヤカは元々人妻だったんだし性的な経験も豊富だった訳じゃない」


「確かにノゾミよりはあるとは思うけど・・・・なんか引っかかる言い方ね」


「そう・・・それに比べて私はキスもまだしたことない正真正銘の処女・・・・

自分で言ってて、悲しくなるけど・・・でもここまできたら・・・始めては

アヤカがいい・・・」


無自覚なのか計算ずくなのかは、不明だがノゾミは時たまこんなくさいセリフで

アヤカの心臓を鷲掴みにする、アヤカが何もいえなくなると続けて


「どうすればいいのかは知識としては

あるんだけどやっぱり実際に経験するのには

叶わないと思うのよ・・・・

だからまずアヤカにプロのお姉さんに抱かれてもらい

私はその様子を観察させてもらう・・・・そして実戦よ」


ノゾミに好きに言わせおけば、とんでもないことを言い始めた

流石にアヤカもすぐに正気を取り戻し


「いやよそんなの、どんなプレイなのよノゾミに観察されながら

他の女に抱かれるって、絶対に嫌だからね」


こればっかりはいくらノゾミの言うことでも聞けないと目に力を込めてノゾミを

見つめるが、当のノゾミはやれやれみたいなポーズを取ると


「じゃあ、私達は肉体関係の無い

尊い百合カップルってことでいいのね?

アヤカの好きな方でいいわよ?」


一見アヤカに選択させているように思えるが

両方ともノゾミの希望であり、アヤカがどちらを選んでも

結局はノゾミの思いどおり、もちろんアヤカにもそれはわかっており

不貞腐れたような表情になると


「そんなのズルい」


「はいはいズルくてもいいから、選んでねどっちがいいの?」


アヤカは悩んだ・・・・こんなに悩んだのは本当に久しぶりだ

熟考した・・・・・そして考え抜き、苦悩の表情で


「百合カップルは・・・・・・嫌だから」


とそれだけなんとか絞り出すことができた


「じゃあ決定ね、よし早速その手のサービスを探さないとね」


「でもノゾミの希望どおりの事、させてくれる所あるのかな?」


「さあ、でもあの手のサービスはお金さえ払えば、結構融通が効くみたいだし

アヤカはそんな心配しないでもいいから・・・・

それより全身エステにでもいく?」


ノゾミに言われてハッとした、そうだノゾミに全身を観察されるんだ

みっともない姿を晒すわけにはいかない


「うん、私もエステを探すね・・・・」


「うん、お金は大丈夫?・・・もし足りないようだったら教えてね」


「多分大丈夫、今まで貰ったお小遣いそんなに使ってないから」


ざッとしか覚えていないが、エステに行く位のタンス預金はあるはず

だがアヤカの気持ちは沈みぱなしだ


(ああ、なんでこんなコトに・・・・・)



そして・・・・・いまアヤカとノゾミはあるホテルの一室に


「つまり、お二人は付き合い始めたカップル・・・・

だけどお互い女性同士の付き合いは始めて

それで、女性同士がどう愛し合うのか教えて欲しいって事でいいんですか?」


そう二人に聞いてきたお姉さんは、多分だが二人より若く20代前半って所だろう

背はアヤカとノゾミの中間くらいで、ショートカットがよく似合っている

爽やかな顔立ちのお姉さんだ


「はい間違いありません、恥ずかしながら知識としてはあるんですが

実践するとなるとやっぱり、抵抗がありまして、そこで・・

お姉さんの力で導いて欲しいんです」


ノゾミが力強く、そして何故か自信ありげに断言する

そんなノゾミにお姉さんも少し気圧されたように


「あの・・・確認なんですけど、三人で愛し合うとかじゃなくて、そのそちらの」


そこでお姉さんがアヤカの方に視線を向ける


「はいアヤカを愛してやってください、アヤカが正気を忘れるくらい

すごいのでお願いします、私も参考にしますから」


またもノゾミに威圧されたように、お姉さんは頷くと


「あの、記録を取りたいんですけど動画の撮影はダメでしょうか?」


「はあ、すみませんがそれは電話でもお話ししたと思うんですけど

撮影はNGでお願いします」


「わかりました、じゃあ動画は諦めますが

記録は残したいんで、ICレコーダを使わせてもらいますね」


そう言うとバックから取り出し


「テストテスト・・・○月✖︎日、いまさるホテルの一室・・・これより

私の人生においてターニングポイントもとも、思われることが起きる

全てを詳細に記録したいと思う」


それほど大声ではなく、いやどちらかと言えばボソボソと話す感じで

ノゾミなりに気を使っているのかもしれないが

アヤカとお姉さんは、困惑かドン引きしかなく


二人して力なく苦笑するしかできない


「私の準備は万全よ、さあアヤカもシャワーでも浴びてきて準備を

お姉さんもお願いします」


そこでお姉さんも、ようやく仕事を思い出したのか軽く頭を振り


「はい、じゃあ一緒にお風呂に入りましょうか私が綺麗に洗ってあげますんで」


「なるほど、もう始まってるんですね・・・・よしお風呂場に移動しましょうか」


何故か何もしないはずの、ノゾミを先頭にお風呂場に移動する


「お風呂場についた、お姉さんはアヤカの緊張を解きたいのか、優しく微笑み

まず自分から全裸になると、まだ恥ずかしげにモジモジしているアヤカの側に

近づく、優しい言葉をかけながらアヤカの服を脱がしていく

だがまだ微妙にアヤカの体には触れていないようだ

なるほど、触れるか触れないかのギリギリでアヤカの抵抗を制している」


「・・・・・あの、もう少し小声でお願いできますか?

アヤカさんも緊張が解けないし・・・私もやりにくいんですけど」


「すみません、気になりましたか・・・・もう少し声を落としますね」


そう言うとノゾミは口元を手で隠し、ボソボソとICレコーダに向かって更に

何か言っているようだが、ハッキリとは聞こえなくなった


「・・・・その続けましょうか・・ちょっと難しいかも、しれませんけど

ここには私とアヤカさんしかいない・・・そう思ってください」


無理だろうなとは、言った本人も思っているがアヤカはうなずき


「はい、よろしくお願いします・・・

言ってもらえればそのとおりにしますからなんでも言ってくださいね」


常にICレコーダに向かってボソボソ言いながら

鋭い視線を向けてくるノゾミの姿が気にならないわけがないが

なんとか二人はそれを無視しようとしてお互い努力することに決めた


他人に体を洗ってもらう経験なんてそうなかったが、かなり心地よく

これでノゾミの観察がなければ本当に、心からリラックスできたんだが

それでもそれを差し引いても、やっぱりプロの技を垣間見せてもらえたノゾミは

満足そうにボソボソと何かを呟いている


「あの質問いいですか?」


「あ、はいなんでしょうか?」


お姉さんがアヤカの体を拭いている時、ノゾミが不意に


「はい、これからベットに向かうと思うんですけど

こんな場合普通に二人で行くのか

それとも私がお姫様抱っこで連れて行くのでは、どちらがいいと思いますか?」


「いや、それはアヤカさんの好みなんじゃ・・・・ちなみにですけど

お姫様扱いされて嫌がる人は、あんまりいませんし

お姫様抱っこでもいい気はしますけどね」


「なるほど・・・わかりました、邪魔してすみません、続きをどうぞ」


「はあ」お姉さんは、そんな気の抜けた返事をするが

本当にやりずらいんだろうなと

横で聞いてたアヤカはお姉さんに同情してしまう


だがそんなアヤカの余裕もベットについた時からもう・・・それこそ全然なく

心臓はバクバクしてるし、視線は定まらないしある意味パニック


そんなアヤカの様子を苦笑しながら見ている、お姉さんは


「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ、全部私に任せてください

アヤカさんは何もしなくてもいいんです、なんなら目を閉じて」


「ヒャい」声が裏返って変な声が出るが

それに気づく余裕さえもうなくなっていた


これ以上何言っても無駄だろうとお姉さんは

アヤカの顔に触ると自分の方に向け・・・・・


もうアヤカには何されているのか、わからなくなってきた

身体中をいじられ、すぐ横からはノゾミの声が聞こえてくるし

ノゾミも興奮しているのか、もう小声じゃなく結構大きな声で

アヤカがお姉さんに何をされているのかをアヤカにもよくわかるように

解説してくれている


もういま自分を抱いているのが、お姉さんなのかノゾミなのかも

混乱してくる、ただわかるのは、今まで感じたことがないような

快感が自分を襲い続けていることだけ


それがお姉さんのテクニックのせいなのか?

それともノゾミに見られているせいなのか?

ノゾミに何をされているのか、教えられてるせいなのか?


とにかくイロイロな要素が組み上がり・・・アヤカは人生で始めて失神した



「ひゃあああ・・・何?ここどこ?」


目が覚めたアヤカは、パニックを起こす


「落ち着いて、ここはホテルのお風呂場よ

今はね失神してたあなたの体を綺麗にしてるところよ・・・

お姉さんの真似してるんだけど、やっぱり慣れが必要ね」


全身がだるく、ぐったりとしたアヤカに抵抗する気はなく

ノゾミの好きなように体を弄らせていたが


「そういえばお姉さんは、どうしたの?」


「ああ、仕事が終わったから、料金をお支払いして、帰ってもらったわよ・・・

・・・・なにお姉さんが、気になるの?」


ノゾミの言葉になにやら不審なものが、混ざっていると感じたアヤカは


「別に気になんかしてないから」すぐにも言い訳じみた事を


「本当に・・・それにしてすごい乱れぷりだったわね、そんなによかった?」


「・・・・・それは・・・ノゾミに見られてたし、ノゾミが耳元で

どんな恥ずかしい事されてるか、喋っているし・・・それでよ」



「ふ〜〜〜ん、まあいいか」


そう言いながらアヤカの体を拭き始め

アヤカは上手く誤魔化せたと、隠れて小さく息を吐き出せた


「じゃあ、次は私の番ね、お姉さんみたいに上手くできないだろうけど

さっき見たばかりだから、かなり再現できるはずよ

それなりに満足させてあげるからね」


そう良い笑顔を向けてくるが、正直なところ勘弁して欲しかった

失神するほどの事をされて

本当に怠くできればもう明日とかの方がありがたかったが

だが、ノゾミがせっかくその気になっているのだ

アヤカに首を横に振る選択はなかった


アヤカが小さく頷くの見て、まずノゾミはアヤカを抱き上げる


「どう、これはお姉さんもそう簡単には、できない真似よ」


確かに50キロ近いアヤカの体をお姫様抱っこで移動するのは

それなりに体力のある人じゃないと無理な事だろう


優しくベットに降ろされると、これからのことに改めて意識が向き

ノゾミの体に目が向く、スレンダーで引き締まった体

腹筋も軽く割れてるし、ノゾミの体は本当に綺麗でカッコイイと

見惚れてしまう、ノゾミがゆっくりと近づいてくるのがわかる


キスされるのかな?そう思い目を閉じるが・・・・・

あれ?・・・・いくら待っても、思っていた感触が口にこない

不審に思い目を開けると、ノゾミのドアップが


「アヤカ、これを受け取って欲しい」


そう言ってくるノゾミの右手には小さな小箱が


もしや、アヤカもそこまで鈍くはない

この小箱の中に何が入ってるかは、すぐにわかる

ノゾミは右手で小箱を開き中の指輪をアヤカに見せ

そして左手をアヤカの首の後ろに回す


「アヤカ、今夜・・・・私の全て、初めてをあげる

代わりに私のお嫁さんになってもらいたい」


「うん・・・なヒュ・・んぞみのお嫁さんに・・なひ・・・」


それ以上は涙が出てしまいマトモに答える事ができなかった


「ヒィ、ぐ・・・」なんとか涙を止めようとするがどうにもならない


泣き顔でみっともなくなった顔を隠そうと、両腕を交差するようにして隠すが

その左手をノゾミが掴んだかと思うとそのまま薬指にはめてくれる


10分くらいだろうか?ノゾミに優しく抱きしめてもらってようやく

アヤカも涙が止まってっきた


「落ち着いた?」ノゾミが囁く


「うん、ごめんね、もう大丈夫だから・・・・・・

私はノゾミのものだからいつでも好きなようにしていいよ」


その夜二人は始めて結ばれた




「へーーーーそれはよかったわね」


幸せそうに指輪を見せびらかすアヤカにレイコは

それ以外の返事が出せなかった

心の中では、そんなバカップルの話を聞かされても

困るだけなんだよとか思っていたが


アヤカとノゾミの初めての夜から、二週間たった

今日は久しぶりに友人のレイコを呼んで、いつものお喋りを楽しいんでいた

アヤカは惚気話をしたいのだが、レイコの関心は別のところにあるようだ


「それにしても、本当にレズ風俗を頼むとは思わなかったわよ」


「確かにそうよね、私も本当は嫌だったんだけど

ノゾミがどうしてもって言うから仕方なくよ」


「でも・・・・よかったんでしょう?・・・失神するくらい?」


「まあ・・・それは」


「へえーーーーレズ風俗か・・・レズ風俗なら浮気とか不倫にならないかな?」


「なるに決まってるでしょう、なに欲求不満なの?」


「そうよ・・・もう爆発しそうなくらい

あいつ疲れたって言って全然相手にしてくれないのよ

もう・・・・あのやろう役に立たないなら切り取ってやろうかしら」


本気じゃないだろうが、随分と物騒な事を言ってくる

アヤカはそれには答えられず苦笑いしかできないが


「それで、どんなことされたの?・・・詳しく、全部話して」


本当に欲求不満なんだな、話してあげないと自分まで襲われかねないと

アヤカも覚悟を決め、覚えている限りの詳細を話してあげると


「はーーーやっぱりプロはすごいわね、そうか女相手の女が最強なのね」


「確かに、そうかもね」


あの夜の事を思い出すとアヤカだって体が熱くなってくる


「レイコ、あんまり思い出させないでね・・・思い出してきて

私も変な気分になってくるから」


「ああ、ごめんアヤカも今はノゾミさんの嫁・・・

ノゾミさん以外の女の事を考えるのはよくないわよね」


「うん・・・・・・バレるとノゾミにも怒られるし」


「そうなの?・・・・だってノゾミさんの希望でその人の相手したんだよね?」


「まあそうなんだけど・・・ノゾミの考えだと、ノゾミと始めて寝る前は

誰と寝てもノーカウントなんだけど、ノゾミと寝た後はもう駄目なんだって」


「へえ・・・まあなんとなく、わかるけど・・・・

やっぱりノゾミさんて変わってるよね」


しみじと言うレイコに


「まあ・・・少しは」諦め気味にいうアヤカ


「はーーーー」思い出したのか、アヤカが深く溜息をつく


「ん?・・・どうしたの?、他にも何かあるの?」


「うん、ちょっとね・・・・・・・あの夜以来なんだけど

ノゾミがちょっと、ほんの少しなんだけど嫉妬深くっていうか

束縛が強くなってきて・・・・それがちょっとだけなんだけど困ってるかな」


「あらら・・・・まあでもありがちよね

童貞の相手したら粘着されて束縛されるとか」


どこかのネット掲示板にでも載っていそうな

情報であるがレイコは信じているのか

自信ありげに言い切る


「別にそこまで、ひどくないから・・・」


「そうなの?、まああんたが、そこまで気にならないなら

それで良いんでしょうけどね」


「うん・・・ああそうだ、レイコあんまり私の手とか握ったり体触ったりとか

激しいコミュニケーションは、これからはやめてね」


「別に、普段からそんなことしてないけど・・・・なんで?」


「うんこの部屋、カメラで監視されてるから

手とか握ってるのノゾミに見られるとまずいし」


「え?・・・・・カメラ」アヤカの爆弾発言にキョロキョロと周りを見回し


「ほらあそこ」アヤカが指差す


「なんでもペットの見守りようとからしいんだけど

ここだけじゃなくて台所とお風呂と、私の部屋とノゾミの部屋にあるから

アッサリというアヤカに、ビックリしたレイコは


「ちょっとどこが少しなのよ、めちゃくちゃ束縛されてるじゃない・・・大丈夫なのアンタ?」


「別に困らないじゃない、ノゾミだって四六時中見てるわけじゃないし

防犯にも役立って言ってる、強盗とか空き巣が入ったらすぐにわかって

私の安全のためにもなるって言われてるしね」


「いや、普通じゃないって、カメラで、自分の嫁を監視って・・」


「確かに最初は嫌だなって思ったけど、ノゾミに怒られるくらいなら

これくらいなら良いかなって」


「はあ・・・・怒られたんだ?・・・・ちなみにこれだけなの?」


アヤカは少し困ったように顔になる


「まだあるんだ・・・・後は何?」


「うん・・・・お金を全部取り上げられた、ノゾミが管理するからって」


「じゃあ、普段の買い物とかどうしてるの?」


「これ、お財布携帯とカード」


「ああ、確かにいまはその二つあれば困らないか」


「うん、でも両方ともノゾミの契約してるものだから

何か買うとすぐにノゾミのスマフォにメールがいくんだよね」


「はあ・・・・・・もう終わりよね?」


「あと一つ」


「まだあるんだ」アヤカは頷き


「うん・・・・このスマフォもノゾミが契約してるんだけど・・・

常にGPSをオンにしておかないと怒られるの」


「うわ〜〜〜〜〜もう言葉もないんだけど・・・・流石にやりすぎノゾミさんと

話あって見たら?・・・もう少し自分を信じて欲しいって」


「それは、もう言ったんだけどね・・・これは私の安全の為だって言って」


「確かに安全かもしれないけど、小学生の見守りサービスじゃないんだからさ

アヤカはいい年した大人なわけだし」


「私もそう言ったんだけどね・・・」


「言ったらどうなったの?」


「メチャメチャ、ノゾミに怒られた、私の服をこう掴んでね」


自分の背中を自分で掴むような真似をする


「そのまま玄関まで引きずられて玄関から叩き出されそうになったの

言うことが聞けないなら、この家から出て行け

あのお姉さんにでも養ってもらえって」


「うわ・・・ノゾミさん、極端だな」


「うん、私も追い出されたらたまらないから、ノゾミの右足にしがみついて

泣きながら、いう事をちゃんと聞きますって謝って

やっと許してもらたっんだから」


「もう何言っていいか、わからないよ」


二人の間に、なんとも言えない雰囲気が流れ

我慢できなくなったレイコが口を開く


「その・・・確認なんだけど、アヤカ本当に平気なの?」


「うん全然、考えてみたら、別に何も変わらないし、慣れれば気にならないし」


「まあそうなのかもしれないけどね・・・・」


「ああそうだ困ったことが、少しあるかな

外でレイコと会うのはあんまりできなくなるかも

いつもと違う所に行くとノゾミが不審に思うかもしれないし」


「あの・・・・それ以前に私と会うのは大丈夫なの?」


「それなら大丈夫よノゾミもレイコのことは私の親友だって

認識してくれているから」


「ははは・・・そうなんだ認めてもらってるんだ・・・うれしいな・・はは」


「あの今気づいたんだけど・・・監視されてるのってカメラだけなの?

マイクは?結構まずいこと口走っちゃたかもしれないんだけど?」」


「うん、カメラだけだって言ってた・・・・それに毎日私が掃除してるんだよ

変なものがあったらすぐにわかるから、安心して」


「確かにそうね・・・・ははは」


確かにアヤカにとってそれほどの不自由なことはないのかもしれない

やられていることは

セ○ムやアル○ソックの子供見守りサービスと同レベルだし

アヤカが気にさえしなければ、日常生活での不便は何もないのだろう


それに・・・・こう言っては悪いが今更だ

アヤカがノゾミに強く影響を受けていたことは

例の離婚騒動が終わりアヤカと再会してから

感じていたことだ、いまはその影響が支配に変わっただけ

しかもその支配をアヤカがさほど抵抗なく受け入れている


何かの本で読んだのか忘れてしまったけど

支配はある程度の自由を放棄する代わりに

安心と充足感を与えてくれると・・・・

レイコにはその辺はよくわからなかったが

今のアヤカをみればなんとなくだが、理解できるような気もしてるくる


最後にこれだけは確認しておかないといけないと思い、聞いてみることにする


「ねえ、アヤカ・・・・アヤカはいま幸せ?」


「うん、とっても」迷いなく答えてくるアヤカを見て


まあ・・・・こんな結末もありなのかなと

そう思っておく事にした。

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私の妹は、私の婚約者を寝取るクソやろうだ 完全版、策士ノゾミの逆転劇:裏切りを超えて掴んだ愛 bookmax @bookmax

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