第5話 結露
またね
次が当たり前にあるみたいに言って
じゃあね
ずっとそこにいるみたいに笑って
2:16、雨はまだ降り止まない。
田中はさっき聞こえた謎の声の事が頭から離れなかった。
田中「誰だったんだあの声は」
大雨と深夜のお陰なのか人通りが少なく
思ってたよりも早く現場に辿り着いた。
検視官「田中さん!!こっちです!!」
名前を呼ばれるままに田中は遺体の方へ向かった。
田中「身元は?」
検視官「名前は西川真由19才。3日前に殺された伊東茜と同じ大学ですね。これで2人目ですか。」
田中「いや。俺がさっきまでいた現場の被害者も伊東茜と同じ大学生だった。3人目だ、同じ大学で同じ学部の子が殺されるのは。」
「君!!現場検証中だ!離れなさい!!!」
警察が止めようとしても男は被害者の西川真由の方へと向かおうとしている。
村上「おい!!!真由!なんでっ!クソッッ離せよ!!」
小山「村上!!やめろ離れろよ!」
小山が止めようとするが村上は聞く耳を持とうとしない。
騒ぎが聞こえた田中が村上の方へ向かっていく。
村上「ま、真由!!な、、。なんで、。
なんで真由が!!!!!!!」
田中「君。西川真由の知り合いか?」
落ち着いた様子の田中の姿を見て少し冷静になった村上はゆっくり口を開いた。
村上「真由の、、彼氏だ。」
田中「そうか。。分かった。とりあえずここは濡れるから一旦署まで来てもらう。そこで少し真由さんについて教えてくれないか。」
村上「。。分かった」
小山「あっ、お、俺も着いていきます!」
田中「分かった。さぁ2人ともパトカーに乗って、風邪ひくぞ。」
そう言って2人を乗せたパトカーは署まで向かった。
田中「雨まだ止まないな。
どうだ、少しは落ち着いたか?」
署に着き田中は村上に声をかけた。
村上「体はな。頭は落ち着いちゃいねぇよ。」
田中「だよな。まずこんな時にあれだが、
犯人に心当たりはあるか?」
村上「あるわけねぇだろ。心当たりあったらおれが先に犯人殺してやるよ。」
田中「そうか。真由さんは誰かに恨まれるような事は?」
すると小山が
小山「真由ちゃんはそんな子じゃありませんよ。村上とも真剣に付き合ってたし、そんな人から恨まれる事なん、、、、。」
田中「どうした?何か心当たりが?」
村上「なんだよ小山。」
小山「村上、俺たちがやってきた事刑事さんに話そう。これが事件に何か関係しているかは分からないけど何か繋がるかもしれない。」
田中「なんだ?」
小山「刑事さん。僕たち大学とバイト先のコンビニである奴にこう、、何というか、ちょっ、ちょっとイタズラというか、その、、イ、イジメをしてして、あっ、いや、イジメというか少し気に入らない事を詰めて脅したり、からかったりしてるんです。僕と村上と。ま、真由ちゃんはイジメに加担はしてないけど常に俺たちの側にいたので、、。」
田中「君は君たちがイジメていた子が犯人だと?根拠が?」
小山「前殺された伊東茜っているじゃないですか、あの子も中学と高校の時周りに混ざってそいつをイジメてたみたいで、、その逆恨みと言うか、真由ちゃんもそれで犠牲になったのかなって、、。」
田中「ちなみにその子の名前は?」
村上「圭太、、冬月圭太だ。」
田中「冬月圭太。。分かった、明日任意にはなるが少し話を聞いてみるよ。
聞けそうな話は充分聞かせてもらった、今日は2人ともゆっくり休みなさい。」
そう言って田中は2人を見送った。
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