6-4


 アズキばあちゃんは「おお! こんな所に!」と、マドンナをソックスからうばった。


「ばあちゃん、ごめん。ばあちゃんが鶏を探しているの知っていて、内緒で飼っていたのはあやまるよ。でもマドンナは変なんだ。瓦礫がれきの下にもれていても、平気なんだ。……黒くはなっちゃったけれど……」


 アズキばあちゃんは、ソックスの頭をポコリとした。おでこの上に小さなたんこぶが出来る。


「この大馬鹿者おおばかものがっ! この鶏は、お前らの守り神なんだぞ!!」

「にゃ??」

「守り神??」


 はあ、と大きなため息を吐き、ばあちゃんが何か言いかけた時だった。



 キュイイイーン!!



 突然、耳をつんざく音が、はてな新聞堂内に響く。


「にゃああ!?」

「な、なんだぁ??」


 耳をふさぎながら、窓から外をのぞくが、誰も居ない。


 誰も居ないのに、声だけが響く。


『アー、アー、ア〜ン、マイク、テスト、チュウ』


「なんだ? 誰がどっから話しているんだ??」


「外には誰も居ないよ?」


 その時、コマリが呟いた。


ホネハルケお父様 ヌニ……」


 続けて、ハヤテが言った。


「国王デス! 遠くカラ、声ヲ、トバス、『メガホン』デ、ハナシテ、マス」


「えぇ?! とかい島の国王様も来たの!?」


『アー、ハテナジマ、ネコタチ。コマリ、カエセ! コマリ、ケ、ケ?……(ダロレス大臣ヌシこれナスツキヌゑなんて読むの?)……コマリ、ケッコン、シタイ、ナー!』


「コマリを返せ、結婚させたい、って言っているよ」とわざわざ訳すソックス。


「オヨメ、イヤ!」


 コマリはぴしゃりと言った。

 ちゃんとオヨメって言えた!


『コマリ、ケッコン、スル、パパ……シア……シアワ?……、ヨ!!』


 ……あれ、この言葉……。


 前にコマリが言っていたぞ。ソックスは表を見ながら、『ヲイモカ』を訳した。


「コマリが結婚すると、パパが……えーっと、パパが『』だって」

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