書きたかった2-4

「門番……?」


「あ、詳しい話はまた後でにしましょう。では」


 後ろにお客さんが来たからか、メラレウカさんはどこかへ行きました。


(後でって……いつなんだろ。そもそも門番なんか私が出来るの?)


 わけが分からなかったので、考えることを放棄して働いた。


「お疲れ様です。ありがとうございました」


 そう言い、バックヤードを出る私。出た先にはメラレウカさんが待っていました。


「メイドさん……ずっと待っていたんですか?」


「あ、いえ。一旦屋敷に帰って上がりの時間は聞いてたのでついさっき来たところです」


「な、なんで上がりの時間を知っているのかは置いといて、待っていてくれたのはありがとうございます」


「いえいえ。それよりも、どうしますか?ここで話しますか?それとも来ますか?」


「うーん……」


 山茶花には少し帰りが遅くなることは伝えてある。だから問題はない。


「じゃあ、お邪魔します。」


「では、こちらに」


 私はメラレウカさんについていくことにしました。




「おおお、おじゃまします……」


「ふふ、緊張しすぎですよ。もっとリラックスしてください」


「そ、そうは言われましても……」


 こんなでっかい豪邸に入ることに緊張しないわけがない。しかも、これからここの主様と話すとかなんとかメイドさんが言ってたし……。


 助けて山茶花ぁーー!!



「……なんか椿がめちゃくちゃ緊張してる気がする。……頑張れ妹よ」




「さ、どうぞ」


「し、失礼します」


 玄関扉を開けると、そこには一人の女の子がいました。


「お連れしました、お嬢様」


「ありがとう、メラレウカ。そして、初めまして白山椿さん。


 わたくしはローズ・ブラックライ。ここの主です」


「は、初めまして……」


 ここの主の娘とかではなく、この女の子が主なのか……。


「立ち話もなんですし、どうぞこちらへ。メラレウカ、お茶の準備を宜しく」


「かしこまりました」


「は、はい」



 私達は客間へ移動した。メイドさんこと、メラレウカさんはお茶の準備かなにかで今はいないので、二人きり。


「そんなにかしこまらなくても良いんですよ?」


「で、ですけど。流石にそれは……」


「私が貴女をここで雇いたいという話なので、確かに真面目な話でしょうけど……


 ぶっちゃけこういう話し方苦手なんです。というか、こういう話をこれまでしたことなくて……」


 ホントにぶっちゃけちゃってるぅ……。


 でも、ローズさんはまだ子供なんだよね。苦手でもしょうがない。私も大人なのに苦手だし……。


 そもそも、お金持ちだからってそういうのが得意とへ限らないし……。


「……わかりました。敬語は流石に外せませんけど、ある程度砕けた感じで話しましょう」


 パァァァっと表情を明るくするローズさん。




……可愛いっ。

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