書きたかった5

「ぐへっ……ん?」


 今誰か私の頭踏んだよな?今どういう状況だ?


 確か……。そうだ、ネモフィラがボン・キュッ・ボンな女だったから気絶してしまったんだ。


 改めてネモフィラの見た目を説明すると、狸耳、狸のしっぽ、可愛らしいブラウンのロングヘアー……おそらく、化け狸なのだろう。

 

 化け狸といえば酔っぱらっていて、葉っぱを頭に乗せたら変身出来るのが特徴の妖怪だったはず……。多分実物もだいたいそんなかんじだろう


 さて、私が気絶した後はどうなったのか……


「あ!朱宮あけみや様目が覚めたんっすね!助けてくさいっす!」


 声がした方向……風呂場の入り口を見ると、ネモフィラと紅輪コウリンが激しい攻防を繰り広げてるではないか。なるほど、さっきはこの戦いの最中にたまたま踏まれたっぽいな……。


「わざとじゃないからって許すわけ無いだろう」


「ひゃい!?」


 私は後ろからネモフィラの腰に手を回し……


「ちょっ!ちょちょちょっ!?」


 きれいにジャーマンスープレックスを決めた。



 ……そう思った。



「ふっ……このネモフィラに傷1つつけれると思わないことよ」


 ネモフィラは石像に変身していた!こいつ、一体いつ頭に葉っぱ乗せやがった!?


「確かに石像をジャーマンスープレックスでは倒せんな……なら、これはどうだ!」


 私はネモフィラを上に投げる。そしてそれを追いかけるかのように私もジャンプする。


「行くぞ!天蓋ラッシュ!」


 説明しよう!天蓋ラッシュとは、天蓋が繰り出すパンチの嵐だ!普通のラッシュと何も変わらないぞ!


「石像にパンチだなんて効くわけないじゃ……!?ヒ、ヒビが!!」


「まだまだぁ!」



 ダダダダダダダ……



「ハッ!わたくしは一体……!?」


「お嬢様も目が覚めたんっすね」


「って!朱宮様は何をしているんですか!?」


「あぁ、ネモフィラを殴ってますよ」


「どっからどう見てもただの石像なんですが……」


「ネモフィラは化け狸と言って、頭に葉っぱを乗せたら変身が出来るんっすよ」


「妖怪ってホントに存在したんですね……」


「多分どこにでもいるんじゃないっすか?」


「貴女たち!呑気なこと言ってないでこの僵尸キョウシを止めてよ!私このままじゃ死んじゃうよ!」


「キョウシ?よ、よくわかりませんが……朱宮様!殺すなら別の部屋で!」


「!?」


 ローズにそう言われるや否や、私は殴るのを止め、石像をガッチリとホールドした。


「これなら場所移動しても逃げられないだろ」


「うぅ……。僵尸は本来、筋肉が硬直してて関節曲げれないはずなのに〜!何で硬直を使いこなしてるんだよー!」


「説明口調乙っす」


「キョウシについても色々と説明してくださいね?朱宮様」


「……あぁ、わかってる」


 かくして。全員を食堂に集めて、尋問が始まるのであった。

――――――――――――――――――――――次回へ続く

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