当日~解決編~

書きたかった4

わたくしが怪盗ネモフィラ……とは?」


 まるでローズかのように心当たりがないという反応をする。しかし、私からすればこいつはローズではない可能性しかない。


「そもそも、何故私がネモフィラだと思ったのですか?」


「あぁ、順に説明するよ」


 そう言ってシャンプーを洗い流し、温泉に沈んでいるオレンジ・ガーベラを拾った。そして、そのまま湯に浸かった。うん、いい湯だ。


「さて、お前がローズじゃないという証拠だが……まぁ、ほぼ無いな」


「……え?」


「だって、何も気にしなかったら完全にローズと思うぐらいローズなんだもん」


「そ、それなら私はネモフィラじゃないじゃないですか!全く……」


「いや、確かにローズっぽさはあった。ローズ検定二級ぐらいかな」


「なんですかその検定!?」


「ちなみに私は一級だ」


「世界一いらない検定ですよね!?というか何で私より上なんですか!!私が偽物とでも言いたいんですか!!」




「いや、そうだが」




「そうでした!!」


「話を戻すが、ローズっぽさは二級物だった。が、行動がおかしかったんだよな」


「行動……ですと……!?」


「あぁ、それがどの行動かというと……」


「と言うと?」


という行動だ。」


「いや、凝視はしてませんが……というか、何故それで私がローズじゃないってなるんですか?」


「知らないのか……用意周到と思ってたが、意外だな。いいか、よく聞けよ?」


「……ゴクリ」


 私はカッと目を見開いて立ち上がり、腕を掲げながら堂々と宣言した。




「ローズは尻派だぁぁぁぁぁ!!!」




「な、なんですとぉーーー!?ってきゃあ!!」


 ネモフィラは驚いたせいでまた転んだ。今度は後頭部から。……痛そう。


 体制を立て直し、こちらを見ながらネモフィラは反論し始めた。


「あ、あれは……そう!朱宮様はお尻よりも胸のほうがとても良かったので、ついそっちに目が言ってしまっただけです!そんなの何の証拠にもなりません!」


「ふむ、確かに私の胸は素晴らしいな。それは認めよう……だが、尻も素晴らしいということを忘れるな」


「は、はぁ……。何だか論点がズレてる気がしますが、覚えておきます」


「うむ。それよりネモフィラも風呂入れよ。気持ちいぞ」


「ネモフィラじゃないてすが、言われなくても入ります」


 足からゆっくり浸かっていくネモフィラ。肩まで浸かった辺りで「ふぁぁ……」と気が抜けた声が漏れてた。


「どうだ、凄いだろ」


「ええ、凄いです」


「〜〜♪」


「その歌は?」


「あぁ、ゲゲゲの鬼○郎だよ。お前は知らないのか?」


「確か色んな妖怪たちや人間の関わりなどを描いた作品でしたっけ?」


「まぁ、そういう認識でいい」


「でも、何故急に?」


「いや、ちょっと妖怪的な歌がいい気がしてな」


「??」


 そうして5分ほど経った頃に『カポーン』という音が鳴った。


「お、誰か来たっぽいな」


 私が入り口を見てみるとそこには、羞恥心がないのか、隠す気もなくありのままの姿をさらけ出してる紅輪コウリンがいた。


「お嬢様がピアノ部屋の棚の中に閉じ込められてたので、出して連れてきましたっす!」


「おぉ……思ったより仕事してくれとる。また借りを作ってしまった……」


 「来てくださいよ〜」と紅輪が後ろに話しかける。すると、バスタオルで身を隠しながらローズが入ってくる。


「ど、どうも〜?」


 ネモフィラの方を見る。絶望した顔で、涙目で……小刻みに震えている。なんか、可哀そうになってきたな……。


「そ、そっちが偽物なんじゃないんですか?」


 お、立て直した。頑張れ。


「いやいや、お嬢様は私のことを呼び捨てしませんよ〜」




「………………あっ」




「今完全に「あっ」って言ったよな?」


「きき、ききき気の所為です!」


「往生際が悪いぞ。オレンジ・ガーベラは私が持ってるし、唯一の出入口も紅輪が塞いでる……お前に勝ち目はない」


「くぅ……」


 うつむいて震えているネモフィラ。悲しいのか、怒ってるのか……


「……そ」


「そ?」



「そんなしょうもない証拠で妾のバレるだなんて最悪だぁぁぁ!!」


 そう叫ぶや否や、ボンっと音をたてて煙がネモフィラの体を包む。


 煙が晴れたその先には……


 なんか……凄いお姉さんがいた。


 私は最初に「私にとって一番デカい事件だった」と言ったよな?

 


 何故私はいちいち「デカい事件」と表現した?


 何故私は「難事件」などと言わなかった?



答えは簡単。それは……



「けしからんっ!!」


 私はネモフィラの身体を見た瞬間、興奮して一気にのぼせた。


「ちょ!お嬢様!? 大丈夫っすか!?」


 どうやらローズもあのボン・キュッ・ボンな身体を見て気絶したようだ。まるでワ○ピースのサ○ジみたいに鼻血ダラダラ出してる……。


 やばい……私も、もう……ダメ……


「朱宮さんまで!?だ、誰かぁ!来てくださいっすーー!!!」


――――――――――――――――――――――

まさかのここで次回へ続く

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