第9話 物語が始まる時
全てを倒し終えたその地に彼は立っていた。
これが後の物語から消え去る貴重な時。
「サァサァ!!皆さんやってきました!!ショータイムですよ!!どちらが勝つかなんて、もうお決まりですよね!!それでは!スタート!!」
さあ、仲間になろう。
友達になろう。
小学校で言うだろう?
『クラスメイトは全員友達!喧嘩はだめだよ〜!!』
そう……教わらなかったか?
後藤雄一君……
***
【高速で接近する機影を確認。数は5。速度、機影、原子反応からしてミサイルです】
「うそ!?」
【迎撃システム起動。着弾まで、5…4…】
「うわうわ!?ヤバイヤバイ!!」
目視できるまでにミサイルが接近してきた。
山側からだ。
迎撃システムにより持てる武装全てを駆使したが、撃墜できたのは2機。
着弾してくるミサイルを回避する為に一気に王都側へと向かう。
しかし、思ったよりも爆発範囲が広く。足を取られた機体は横転し、最後の一発を受けてコックピットはシェイクされパイロットは気絶。
AIによる自動制御にすぐさま切り替わるが、何者かに踏み付けられ、羽をもぎ取られる。
【フライトジャケット大破】
【ウェポンホルダー中破】
【コックピットブロック損傷拡大】
【エネルギー漏洩 応急処置:失敗】
【残量エネルギーロスト。きど……て
イ
し 】
光が消える。
この世界は未来だ。
残念な事に、彼が思った以上にこの世界は人が危険なのかもしれない。
それは、ロボットがロボットを踏み付ける光景から見て取れるだろう。
過去に技術を置き去った人類がするのは、生産工場の特定、そして技術力の回復。
扱えただけで複製が不可能なのであれば、兵器を溜め込み、それを上手く扱うのは普通。
そして、野良の子供すらも兵器として、国のため。その身を鎖に繋がれた。
嗚呼、可哀想に。
知りながら助けようともしない。
それが、人ってもんだ。
異世界転生したけどロボットあるんだがwww〜特務隊6番機として活躍していきます〜 デルタイオン @min-0042
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