第5話
いろいろあった初日・・・の次の日
アルファード・ガイゼンはとても爽やかな朝
「主様主様~、あーさーですよー?起きませんかー?朝食は私力作のスッペシャルメニュー!!朝からギンギン!!もりもり朝食マシマシセットですよ~?今起きるなら私が隣であ~んしてあげます~よ?あ、それてもこのまま添い寝しちゃいます?はっ!!まさかその先もご所望ですか?きゃっ!!主様のスケベー!!」
「うるさいっ!!!!」
には程遠い目覚めを迎えたのだった・・・
☆☆☆
「はぁ~」
「主様~?そんな大きなため息吐くと幸せが逃げちゃいますよ~?ここは私がハグしてあげたますか?きっと元気出ますよ!!」
「結構です」
「む~、主様のイケズ~」
私は再び息を吐いた
昨日エルの進言通り使用したこの魔道具、正式名「完璧メイドセリー」
たしかに仕事は完璧だった。私と部屋に戻るや夕食の仕度に湯浴みの仕度、衣類など私と共に送られて来た荷物なんかの整理まで完璧にこなした。
仕事内容に文句はない。仕事内容には
こいつ、一動作一動作の動きがうざいのだ
うざいなんて言葉私は使ったことも無ければ知らない言葉だった。だが、セリーの私に対する接し方に怒りを我慢してていたらエルが『ああいう「うるさい」「面倒くさい」「煩わしい」輩をセリーヌ様がいた時代では総じて「うざったい」略して「うざい」と呼称しておりました』と教えてくれたのだ。
そんなうざいセリーを私室に置いてきて私は
悩んだ、悩み抜いてその答えは出ている。
その原因の一つは昨晩届いた手紙だった。実は昨晩国王である父から手紙が送られて来た。ある物と一緒に・・・
手紙には
『これが最後の手紙だ。お前の代わりに第二王子のレオンハルトが立太子することになった。それから、現在王家からアンナマリーを初めとした今回の事件に関する被害者達に慰謝料を支払う事になった。それとランベル公爵家を筆頭に多くの貴族家からお前の処刑を希望する声が上がっている。レオンハルトがその対応をしているが恐らく回避は難しいだろう。貴族達にお前を古の塔に送ったことを説明したが「ならば、物資の提供を取りやめ、毒盃を送れ」と要求をしてきた。お前も被害者ではあるがお前が仕出かしたことは許容を超えていたため庇うことはできない。貴族達の眼の前でこの毒盃を送る。本当に苦しくなったら飲みなさい。一人の息子を守ることができない不出来な父を許してほしい。お前を愛していた。
ラゼル・ガイゼン』
父からの手紙を読み終えると隣にあった毒盃へと視線をむける。
たしかに私は罪人だ
だが、ここまでの仕打ちをされるほどの大罪を冒しただろうか?
私はパニア男爵令嬢に操られてアンナマリーやその他の者に迷惑をかけた。
だが、誰も殺してはいない。
操られていた時の記憶は今なお鮮明に思い出すことができる。
レイチェルに感けて執務を疎かした
レイチェルに請われるまま贈り物をした
レイチェルに泣きつかれてアンナマリーを糾弾した。しかしすぐにブラットはじめ彼女の友人達がそれを否定、立証した
卒業式の件だって結局悪役は私のまま被害者アンナマリーには害はいかなかったはずだ。
おや?私を庇う者がいなすぎないか?
それにさっき父は手紙に貴族たちの突き上げうんぬんは書いてあったが私の体への気遣いや毒盃を飲むなとは書いてなかった。
つまり父は表面上は不甲斐ないとか言っていたが内申では「早く死ね」と思っているのではないか?極めつけは最後の「お前を愛していた」そう愛していたなのだ。
ならば私は、いや、俺はもう自由にしていいのではないか?面倒な王太子としての責務からも開放されるし、この塔なら死亡確認は取れないから顔や名前を変えれば俺だと気付く者はいないだろう。幸か不幸か先の件で俺に親しい者は皆離れたからな・・
よし、この塔を拠点にして自由に生きてやる!!
と俺は決断したのだった。
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