第4話
「検索さん」
『検索さん?』
「あ、ああ、検索の腕輪って長いから」
『でしたら私のことはエルとお呼びください』
「名前があるのか?」
『はい、私を作ったセリーヌ様がそう呼んでくださいました。』
「わかった。エルさん」
『エルです』
「わかった、エル、よろしく」
『はい、主様』
「うん、じゃ最初に聞くけど、この部屋の道具で他に疑似人格?というのか?エルと同じような魔道具は何個あるの?」
『私のような疑似人格のある魔道具は全部で10種、さらに疑似人格とは違い魔物や天使、悪魔等を宿している魔道具が全部で10種類です』
「は?魔物?天使?悪魔?え?」
『はい、魔物を宿した物が4種、天使が3種、悪魔が3種でございます。天使は問題無いのですが魔物と悪魔の物は使用の際注意が必要です何故なら』
「ちょ、ちょっと待ってほしい!!え?魔物は分かる?でも魔道具に宿す?そんな事可能なのか?というかそれになんの意味が?魔物を使役するテイマーっていうのがいるのは聞いたことあるが、」
『はい、テイマーのように召喚し使役する事も可能です。ですが一番の利点はその魔物の特性を自身で使用できる事です。主様から見て右側、赤い剣があるのは分かりますか?』
「あ、ああ、あるにはあるが?」
エルに言われた場所を見ると壁には見たことのないほど美しい剣が壁に飾られていた。柄の部分は黒く握りやすそうな形に刃は見た事のない形状をしていた。片刃で剣先が反り返っているのだ。
『あれは厳密には剣ではないのです。』
「剣ではない?」
『はい、あれは東大陸、その最果てにある諸島にある刀と呼ばれるもので、あの刀には魔物の中でも最上位である不死鳥、フェニックスが封じられています。あの刀を使いこなせば炎を自在に操り、その炎で焼かれた者は灰すら残しません。』
「な、なるほど、」
『さらに宿っているフェニックスに認められればさらに上位の能力が発動可能です。フェニックス自体も温厚な性格をしているので魔物シリーズを使うならおすすめの一品です。』
「わ、わかった、考えておくよ。それで他の2種、天使と悪魔だが、実在するのか?あれは言っては何だが空想の産物ではないのか?」
『天使や悪魔は実在します。どちらも大魔法である天使降臨と悪魔召喚でこの世に出現可能です。ちなみに主様から見て右側の棚の上にある錫杖がわかりますか?あれが天使シリーズ『癒しの錫杖』です。あれは例え致命傷の傷を負ったとしても一瞬で全回復させることができる物です。天使シリーズは三種の内2種は回復防御特化となっています。』
「な、なるほど・・・」
『続いて、左側、棚の上にある指輪が見えますか?あちらは悪魔シリーズ『七魔の指輪』でございます。あちらにはなんと一つの指輪に7匹の悪魔が宿っており、それぞれの特性の能力が発動可能です。ただし、悪魔シリーズは全て使用に際し代償を支払わなければなりません。その代償は悪魔個々で違いがあり、さらにその時の気分で変わります。なので使用の際にはご注意を』
「わ、かった」
先程からエルがもたらす情報で私の脳は限界を迎えそうだった。
きょ、今日はこのあたりでいいかもしれない。
思えば今日はこの古の塔に来た初日だ。
まさか初日でこんなに頭を悩ませる事になるとは・・・
「とりあえず今日は部屋に戻ることにする」
『畏まりました。ですが主様、一つ私の提案をお聞き入れ頂けませんか?』
「あ、ああ、なにかな?」
少し怖くもあるが一応聞いてみよう。
今後どうなるか分からないが今はただ一人(?)会話ができる相手だからな
『ありがとうございます。主から見て右の棚、左側3番目の棚を開けてぐださい。』
「わかった。」
エルに言われた通りの棚を開けると解っていたが見たこともない多様な魔道具が鎮座していた。
『こちらは生活魔道具です。その中から中段右から二番目にある人形をお取りください。』
「これかな?」
『はい、そちらに主様の魔力をお流しぐたさい。そうすれば人形は起動します。』
「わかった」
私は、魔力を人形に流す
私の魔力を半分程流した時
「うっ!?な、なんだ!?」
『起動します』
突然人形が光出し私は思わず人形を空に投げた
だが人形は地面に落ちることなく浮きやがて激しく光が強くなり人形が見えなくなった瞬間
「じゃんじゃーん!!美少女メイドセリー爆誕!!」
と謎のポーズを決めて地面に着地したメイドが現れたのだった。
だからもう限界だってのっ!!!!
私は生まれて初めて空(室内なので天井)に向けて吠えたのだった。
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