第5話 At school in the morning
「オッハー、古城」
「おはよ、
休日を挟んでの登校、つまり今日は月曜日。
ちなみに日曜は翡翠を送ったあと今月分の授業を予習復習また復習していた。
「…お前休日いい事あったか?」
「は?」
「いや…なんかいつもより幾分か明るく見えてな」
「…まぁ、あったにはあった、うん」
「ほぉ〜?何だ?女か?」
「すぐそっちに繋げるよな…お前は…」
「違うのか?」
「いや合ってる…あ、相手は絶対言わん…」
「ケチくせぇなぁ全く…」
『なぁ、俺らって親友だよな?』
『さぁな、ただ俺はお前より親しい他人を知らん』
『古城…』
『いや、1人居たかもしれんな』
『台無しだよ馬鹿野郎』
という会話があった。
アホ臭いと思うかもしれないが、俺もそう思うのであなたの感性はまともだ。
「な〜な〜誰なんだよ〜」
「うっせぇな、中学生かお前は」
「いや親友にようやく春が来たのかと」
「いや多分そんなんじゃないぞ…多分…」
「またまたぁ…あ、やべ、先生来てら」
「準備しねぇとな…」
お互い授業の準備を始めた。
まぁそこからは普通に授業があり、学級委員の仕事をこなしたり、挙手したり宿題の答え合わせしたりとしているうちに時間は過ぎていった。
苦手な美術は今日はなかったので気分は普通だ。
そうして昼が来た。
「古城〜食おうぜ…ん?誰だありゃ?」
「どした?」
いつも通り之締とともに昼飯を食うのだろう、と思っていた矢先、之締が普段と違う反応をしている。
なんだろうか?
「あれ、なんか騒いでんぜ」
之締が目線を送っている方向には、何やら人が集まっている。
「あ、すいません、このプリント、確かまだ提出されてないはずなんですが…」
「え〜マジ?ちょっと学級委員〜」
クラスの女子達からお達しが出た。
…あ、生徒会のあのプリントのことだろうか?
「よっこらせっと…確かこの辺に…」
「ん?出してなかったのか?」
身を乗り出して聞いてきた。
「締め切りは明後日だよ…まぁ、早めに回収しに来たんだろうな…」
「学級委員長は大変だねぇ〜」
「まぁな、じゃ渡してくる」
とっとと終わらせて飯を食いたいもんである。
…と、近づいて行くと、
「あ、君って生徒会庶務の子だよね〜、やっぱ忙しいの〜?」
「あ、え、えぇ…まぁ業務はそこそこありますね…」
「そういえば成績もいいよね」
「え、えぇまぁ…恥ずかしくない程度には…」
(…翡翠じゃねぇかッ…)
押し負けまくっている翡翠が居た。
…今まで1度も気にしていなかったが、そういえばプリント回収とかは庶務がやっていたような気がする…
などなど色々考え、少し気まずくなりながらも、
「すまんすまん、忘れてた」
何とか割って入って声をかけた。
「…あなただけですよ?まだ出してなかったの…全く」
「すいませんな」
平成を装いつつ、少し笑いつつ頭を下げた。
…その俺の下げた頭に翡翠は近づいて、
「…放課後、楽しみにしてますからね…」
耳打ちしてきた。
無論俺はそんなことされるなんざ微塵も思ってない、完璧な不意打ちを決められ、気分はまるでブラインド〇タックをされた気分だ。
「ッ!?」
まぁ…こういう反応になる。
詳しく言うとビクッとはね起きた。
頭を下げていたんでな。
「では、受け取りましたので」
それだけ言うと彼女は颯爽と去っていった。
あの野郎覚えてろ…野郎じゃないが。
「おいおい、何されたんだよ?」
「…あぁいうキャラじゃないと思うんだが…」
見ていた之締が話しかけに来た。
あんな反応をしたのだから当然である。
「なになに?何言われたの〜?」
「ハイハイ気にすんな寄ってくんな離れやがれ」
「相変わらず扱い雑いよね…」
「お前にゃこんぐらいがちょうどいいだろうが、
「っちぇ〜、飯行こうぜ〜みんな〜」
クラスカースト上位に居る
まぁカースト上位とか言ったが、うちのクラスはオシャレだの学力だの運動能力打の関係なく、皆交流している。
というか俺がそういう意識に変えた。
俺が『中キャ学級委員長』とか呼ばれているのはそういうことだ。
陰だろうが陽だろうが、馬鹿だろうが天才だろうが、オタクだろうが真面目生徒だろうが、皆仲は普通である。
「…はぁ、俺らも食いに行くか」
「おう、遅れちまうぜ」
食堂組の之締に合わせるため、2人で歩いていった。
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