高校卒業後

「俺さ、、、」




「あら、麻衣ちゃん?久しぶりね!!元気にしてた?修斗と一緒だなんて珍しいわぁ。晩御飯でもどう?ねぇ?修斗」


声を掛けてきたのは、修斗のお母さん。


「えぇ、おばちゃん久しぶり!!私も久々に修斗に会って!同じ高校なのに、部活やバイトですれ違ってたからね、、、。んんん、おばちゃんの美味しいご飯食べたい、、、」


「いいじゃない!久々においで。惟子も喜ぶわ」


惟子ちゃんは、修斗の妹。二つ下で、小さい頃も一緒に遊んでいた。惟子ちゃんも高校1年生かぁ。


「じゃぁ、お言葉に甘えて!お母さんに連絡しておく!」


修斗のお母さんは栄養士の資格を持っていて、すごくご飯が美味しい、、、。久々に食べられるのは嬉しい!!



けれど、



修斗の言葉を聞けなかった。


高校卒業したらどうするんだろ。



「母ちゃんは麻衣が好きだなぁ、久しぶりに会ってテンション上がってるわ」


「ねぇ修斗、さっきの話だけどさ、、、」


「早く行こうぜ、腹減った」


私たちは、修斗の家へと向かった。




「はぁぁぁ、ご馳走様でした!!やっぱり、おばちゃんのご飯最高!」


「そう言ってくれるの、麻衣ちゃんだけよ。修斗も惟子も何も言ってくれないんだから。ごめんね、今日は惟子、友達と約束があるんだって」


「惟子ちゃんにも久しぶりに会いたかったー、高校生だなんてびっくり」


「俺らだってもう高校三年で来年は卒業だぜ?」


「早いわねぇ、修斗も麻衣ちゃんも、こーんなに小さかったのに」


「あ、もうこんな時間!おばちゃん、片付け手伝うよ!」


「あら、手伝ってくれるなんて、麻衣ちゃんも素敵な女性になって、、、大人になったら、修斗のお嫁さんになってもらおうかしら」


「こんなガサツな女と結婚とか嫌だ!!」


「こっちだって、女好きの修斗と結婚だなんて!」


「あらあら、この喧嘩風景も久々ね」



私は食器の片づけを終え、自分の家へと帰ろうとした。


「修斗、家まで送ってあげて」


「分かった」


「私、一人で帰られるよ!」


「暗いから、危ないわ」


「まぁ、こんな女を襲う奴なんていないと思うけどな!!」


「こら、修斗!!」



私と修斗は、二人で歩いた。


と言っても、私の家まではそんなに距離はない。


なぜか、無言のままだった。

この状況は居心地が悪かった。



「送ってくれてありがとう」


「久しぶりに会えて良かった。また話そうぜ。学校でも声かけて」


「うん、じゃあ」


「またな」



久しぶりの再会はちょっと寂しく終わった。



「ただいまー」


「おかえり、修斗の家に久々お邪魔したのね。今度はうちに呼びなさい」


「おばちゃんの料理と比べたら、お母さんの料理食べさせられないわ、、、」


「あらっ、ひどい」


「シャワーあびるね」



シャワー後、私は自分の部屋に行き、携帯を見た。


すると、修斗から連絡が来ていた。



「今日は本当嬉しかったわ、麻衣と会えて」



なんかドキッとしたのは、気のせいだろう。



「私も嬉しかった。おばちゃんのご飯も美味しかったし、幸せや」



「高校卒業後、どうする?」



「修斗は?」



「俺が聞いてるんだから、麻衣が答えろ(笑)」



「私は、特に決めてないんだよね」



「麻衣はそうだと思った」



「馬鹿にしてる?!」



「してる(笑)

俺は専門学校通おうかと思ってる」



専門学校???



「えっ、何の?」



「やっぱさ、母ちゃんが楽しそうに料理しているのを見たら、俺もしたくなって。」



「おお、そうなんだ。なんか意外」



「麻衣と違って、将来のこと考えているから(笑)」



「私も考えないとだなぁ、、、」



修斗がそんなこと考えているなんて思ってもいなかった。

おばちゃんのこと、尊敬しているんだな、、、。



「ちゃんと考えろよ。俺は麻衣のこと心配しているんだから」



「どうゆうこと?」



「麻衣にはしっかり、楽しく生きてほしいから。」



よく分からなかったけれど、嬉しかった。




私は何になろうか、、、







ぼーっとしていたら、高校生活はあっという間に過ぎて。



修斗からは


「専門学校合格した」


という連絡をもらった。



高校卒業して、私は公務員専門学校に行くことにした。



修斗と私、初めて違う道を歩むことになる。



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28歳の女 璃々花 @riri0404

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