罪を纏った口元
「うっ!」
落雷のような爆音と共に体が壁に打ち付けられる。
「痛え…」
「今のこの攻撃を耐えるか…」
そう言いながら双剣の柄を繋げた。
「ま、まさか…」
「お前の武器と同じ。『
簡易鑑定をすると
“冷炎の双剣
身体筋力 +3000
スキル 冷酷の心 『殺し』に対しての感情がなくなる
燃える忠誠心 忠誠を誓いあったり仲間と思う相手に対して勝手なことをされると歯止めが利かなくなる
冷炎の操術者 双剣に自由に冷魔法付与アイスエンチャントと炎魔法付与ファイヤエンチャントを付けられる。
冷炎の踊り子 双剣を一体化させたときに発動できる。常時冷魔法付与と炎魔法付与を付与。追加ステータス 身体柔軟、小手先総合を共に+500”
「はは。こりゃつえぇわ」
そんな声は重い一撃にかき消された。
「ふぅー…」
「ふん。所詮、お前もここまで、か」
やべぇ…力はいらねぇ…。
HPは全く削れてないけど。足の関節は逆に曲がり、利き腕の右腕は力が全く入らなかった。
双剣の彼は、すでにとどめを刺そうと大技を繰り出そうとしていた。
…ちぇ。結局、この世界に来てもいいことなんてないんじゃねえか。くそ神達がよ。
「…最後に。言い残したいことはあるか」
「……もしお前が何者であってもこの言葉を伝えられるなら教えてやる」
「…なんだ」
フッと笑みを浮かべ。しかし相反するように血管を浮かばせ。俺は中指を立て、彼に八つ当たりするように言った。
「“死んで償え!くそ神様がよ!!!!”」
刹那。彼はぐっと胸を押さえ、足をついた。
「!?」
「どうして…分かった…」
「ま、さか…」
いや、おかしい。
この言葉はきっと。何よりも重い。それなのに
「どうして…発動して…」
“事象の説明
装備 武神の羽衣に付与されているスキル『大賢者の知恵』の効果です。
スキル 大賢者の知恵 使用MPを1000分の1になる。使用MPは1より少なくならない”
「これの…せい…?」
強張った。体が動かなくなった。
次第に彼は手を付き、徐々に吐血し始めた。
「く…そ…俺、は…まだ…彼女、を…」
「彼…女?」
「…人よ。もし、お前に道徳があるなら…彼女を…」
弱り切った体でうずくまり、そんな体で土下座し
「生き返らせる、術を…見つけてくれ…」
「あ…“待て”…!」
俺の声は届かず。彼は息を引き取ってしまった。
「……」
口元に、手を当てる。ひどく震えている。罪悪感に憑かれた口元だ。
消せない罪は。背負った罪は。二度と消えることはない。
“Lv.UP 2→23にレベルアップしました”
まるで罪を形容しているかのように。俺のレベルはUPした。
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