ここまで来たら「運命」
“風神の贈り物
身体筋力 +1000
機能 風化 攻撃時に発生した衝撃波を風魔法に230%の倍率で変換し放つ
太古の生物 攻撃終了後、熱光線を放つ
風弾 特定の動作を行うことで風魔法の銃弾を放てる
風の便り 地面に刺すと半径1mの範囲をサーチできる
風の助け 移動時風魔法で追い風を発生させる”
「簡易鑑定でこれかよ…」
ザ・チート。This is チート。
なんだよ…さっきなんか言ってたけど聞かなかったことに…
「ん~、まあ全盛期ほどは作れねぇか」
もう何が何だかわっかんねぇ。
「おい、お前…今何やったんだ?」
「い、いえ。ただこの剣を振るっただけ…」
あまりに強力過ぎて、本当に剣を振るっただけなのか怪しく見えてきた。
「…おじいさん?あなたは一体…?」
「ほっほっほ。お嬢ちゃん、わしはただの鍛冶屋だよ。ほれ、これも…」
そう言いながら構えていた店に戻った。
「…」
「?」
戻るなり、何やら顔面蒼白で固まっていた。
「…あ!急用ができたの忘れてたわい!じゃまた!」
「え⁉」
そんなことを言ってる間に彼はその人ごみに消えていった。
「な、なんだったんだあの爺さん…」
「そ、それよ。ハイロ、その刀…」
「あ」
結局ありえない強さの武器をお金も払わずもらってしまった。
「…まあ、またあったらちゃんと渡します」
「そうだな」
ひとまず、こいつは装備したままスキルの中に保管することにした。
「いらっしゃいませ~」
「わぁ…」
ついて行ってついたのは衣服店。こんなところに防具なんてあるのか…?
「HP強化の服はあるか?」
「はい!こちらなんですけど」
「これは…」
「はい。こちら耐久性が高い配合の“スライム毛皮”にHP強化の素材である“大妖精の鱗粉”を使用した物になってます。大妖精の鱗粉を使用している以上、値は張りますがそれでも、買う価値は十二分にあるほど性能は折り紙付きですよ」
「ふむ…ハイロ。いっぺんこれ着てみろ」
「は、はい」
促されるまま試着室に入ってみる。
「どうだ?」
「“HP開示”」
“HP1/1(バッドスキル 創造主の縛りの効果でHP変動なし)”
「だめ、ですね…」
「そうか…」
「他のものでも…」
なんとなくいたたまれない気持ちになり辺りを見渡すと、ふと一つの服が目に入った。
「あれは?」
「ああ。あれは、先日訳の分からないご年配の方が」
訳の分からないご年配?
「『これをここに売るわい!どれ、試してみぃ』と妙に押し強く進めてきた」
妙に?押し強く?
「ぼろっぼろの、ただの布と大差ないものです」
運命って言っても過言じゃないよな?
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