ケース3 卜部のボイスレコーダー
「月干支丁亥。日干支乙丑。只今より呪物蟲虫蠢神の右腕を処理する。例によって音声を記録する」
「呪物は足尾家によって創出された独自の呪術で構成。スカフィズムと犬神の応用と推察される。バアルゼブブの眷属、あるいは
「龍神の加護の宿った忌沼の清水で封印し■■■に運搬。術式は龍神逆祝詞。相倪呪巣体。依代は卜部」
奇妙な歪んだ音声のテープが再生される。
※逆再生音源のよう。
液体を飲む干す音。
「さて……始めるか……」
「うう……くっ……」
男のうめき声が次第に大きくなる。
「あああぁあああぁぁああ!! 痛ぅ……」
「ハァハァハァ……」
喘ぐような息遣い。
「嗚呼ああああぁあ!!あああああああ!!駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!!あああああああああ!!これ以上は……」
男の叫び声が響く。
「ふぅ……ううぅ……ひぃ……ひぃ……ぐすっ……ううううううぅ」
泣きじゃくる声。
のたうち回って暴れる音。ガラスが割れる音。
物音は止み替わりに嗚咽とすすり泣きが数十分にわたり続く。
「我身に■■し■■■■のアし■々よ…■反■互■に睨■■■成りけり」
音声はそこで途切れた。
※■■の音声は不明瞭で解読不能。
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