ケース1 かなめの事件ファイル

 今回の事件は山下邦夫の家族間の問題、とりわけ奥さんに対する恨みの念が原因で悪霊に呼び寄せられて起きたようだ。

 

 事件の鍵を握るのは、過去に起きた不倫殺人と一家心中。

 

 ・過去の事件の概略を以下に記載する。

 

 1、件の廃ビル(給湯室)で不倫を重ねていた三島恭子。

 

 2、不倫相手に捨てられた三島はストーカーになる。

 

 3、男は三島を煩わしく思い、酔い潰れた三島を線路に放置し殺害する。

 

 4、三島は男に殺された後に怨霊となる。

 

 5、男は三島の怨霊に憑かれ、精神を病んだ結果、家族を殺し心中する。

 

 6、男も三島と共に悪霊になる。

 

 7、踏切周辺で事故が相次ぎ、会社も倒産、廃ビルは売春宿になり、呪いの巣窟に。

 

 8、波長の合う男性(今回は山下さん)に憑依し、その家族を殺害させる。

 

 

 先生の話では、男は死後、三島に支配された従属霊になったという。つまり三島の言うとおりに行動する悪霊……

 

 山下さんに直接憑いていたのは、この従属霊の方らしい。憑依によって山下さんの性格が変わったと推察する。

 

 

 ・以下、不確定な推測を羅列する

 

 先生の契約と呪で、山下さんの指がその後どうなったのかは不明。

 

 憑依霊が「俺が山下邦夫だ」と叫んでいたため、もしかすると霊体の指だけに影響があったのかも……?

 

 先生がコンパクトを手に入れた入手経路とあのコンパクトの正体も不明。(いずれ問い詰めるべし)

 

 

 ・追記

 

 先生にさせられた無茶振りをここに記す。(いずれ抗議するべし!!)

 

 指令の内容は、奥さんの番号を私の番号に差し替えること。そして奥さんの服を借りに行くこと。

(本当に山下さんから留守電が入っていた時は死ぬほど怖かった。)

 

 直前の三日間で叩き込まれた武道? の練習で筋肉痛がひどい。包丁を振りかぶった山下さんを見て死ぬかと思った。 

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