第16話シルバードと魔法銃
アンデットの怪鳥に、魔改造するべく城の屋上にいた。
材料は、すでに屋上に用意している。
銀と数種類の金属を均等に混ぜ合わせた。そんな合金にした金属を使う事にした。
シルバー色に輝く金属だ。
そのシルバー金属を使って、羽を1つ1つ細工しながら付けていった。
1枚の羽は、本物と見違える程の出来栄えだ。
それを体の曲線に合わせて大きさを微妙に変えて付けた。
顔部分は独特の仮面を被せて誤魔化した。
くちばし金属部は、稼動出来るように工夫している。
足の部分は更に細かい作業が続いた。
足でガツンと掴めるように、可動部を調整して装着させた。
「掴んでみろ」
言われるまま上手く掴んでいた。
スムーズな動きだった。
全体を見た感じだと、シルバーに輝く鳥だ。
「そうだ、お前は、シルバードだ」
気に入ったように、しきりに
「シルバード、飛んでみろ」
言われた途端に、シルバードは飛んだ。
優雅に羽ばたいていた。
何処も不具合がないように飛び回っている。
キラキラとシルバーの羽が、太陽の光を反射して輝く鳥のようにみえた。
そして気が済んだのか戻って来た。
俺の後方にいたミラーが、念話で『乗りたい』と言って来た。
「乗りたいのか・・・分かった。森で魔物を狩ってレベルアップして来ていいぞ」
その言葉を聞いたミラーは、シルバードにまたがって飛び立った。
城の周りを旋回して東に飛び去ってしまった。
そして戻って来た時には、レベルアップをしていた。
こんなステータスだったのに・・・
シルバード
HP150
MP180
STR11 VIT13
DEF10 INT29★★
DEX17★ AGI19★
魔法
風魔法
少しだけパワーアップしていた。
シルバード
HP170
MP200
STR11 VIT13
DEF10 INT31★★
DEX18★ AGI20★
魔法
風魔法
そしてミラーもレベルアップしていた。
ミラー
HP210
MP50
STR26★ VIT13
DEF14 INT6
DEX14 AGI25★
戦い過ぎたのか、シルバードは羽根をたたんで静かにしている。
『主殿、良き乗り物をいただき感謝している』
そんなことを念話で言って来た。
え!お前が乗ると決め付けているのか・・・仕方ない。
「しっかりと面倒をみろよ」
『分かりました。しっかりと成長させてみせます』
ああ、自身満々のようだ。
顔の表情があったなら、にやりとしているのだろう。
そして腰袋から魔石を取り出して来た。
見た事もない魔石だった。
「これをくれるのか?」
ミラーは静かに
俺は鑑定すると、上級ポーションに使われる魔石と判明した。
後はドラゴンの血だけだ。
それさえあれば、色々と出来る。
しかし相手はドラゴンだ。こっちにも勝てる見込みはあるが、5割程度だと感じている。
もっともっと強力な武器が必要だ。
早速、作業場へ向かった。
作業場では、新たな魔法陣の開発に取り掛かった。
目の前の棚から古びた本を取り出した。
そこには火の球を、魔法陣で作り出す説明が書かれていた。
しかしドラゴン相手に火の球では通じない。
相手は火のブレスを
俺は、魔法攻撃で1番強い雷魔法から始めた。
火の球を雷の球として発射出来ないかと考えた。
雷魔法のジン・ボーンが雷撃を放ったのを、魔眼で見ていて魔法原理がなんとなく理解した。
魔眼だから出来たことだ。
だから火のルーン文字を雷のルーン文字に置き換えてみた。
完璧にコピーしたルーン文字を、円形に沿って金属合板に刻み込んだ。
そして錬金術を施してゆく。じわりと浸透してゆく錬金術だ。
以前に作っていた火の銃を取り出した。
そして魔法陣を取り出して、雷の魔法陣をセットした。
外の広場に的を用意して、黒騎士に
「22番、的に向かって雷銃を撃てーー」
引き金を引いたその瞬間、黒騎士ごと大爆発が起きた。
黒騎士は後方6メートルまで飛ばされた。
雷銃は、
あれだけの破壊なのに22番は、むくりと立上がった。
フルプレートアーマーに施していた防御魔法が機能して無傷に近かった。
原因は分かっていた。魔眼で暴発する瞬間をはっきりと見た。
銃全体に電流が流れて魔石に負荷を掛けて暴発した。
金属で作った銃だ。電流が流れる事まで考えておくべきだった。
早速、雷用の銃を作りなおした。
構造は同じだ。
しかし雷が発生して撃ち出される部分は、
魔の森のラルーラの木から取れる樹液だ。
錬金術で不純物を取り出して、水分を80%取り出して成型して固めた物だ。
それを銃口の中に取り付けたら完成だ。
又も22番に撃たせた。
銃口20センチから雷弾が発射されて、的を破壊して後方の壁まで大きな穴を開けてしまった。
ああ!シレン・ベーが怒るかもしれない。
絶対に怒るぞ。後で謝っておこう。
雷銃の何度も何度も作った。
作った数は20丁だ。
それとは別に、
風銃は、広い範囲を切裂けるように、銃口を平べったくして高速に横回転するように変更した。
案の定、撃ち出された瞬間は小さいが、距離が10メートルも離れると急に大きくなって、木を切り倒した。
なんとなくテンションが上がって来た。
手を握ってガッツポーズをしてしまった。
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