第17話ドラゴン討伐




シルバードにまたがったミラーが、魔の森を捜索して4日目だ。

沢山の魔物を討伐して、貴重な魔石が思いのほか手に入った。

けれどドラゴンの情報は、1つも掴めていない。



そして、5日目の昼過ぎに帰った時には、ミラーは凄い勢いでシルバードから降りた。


『主殿、ドラゴンを見つけました』


「何処に居た。それは1体かそれとも複数か?」


「高くそびえた山の中腹の洞窟内に寝ておりました。赤いドラゴンで1体です」


「そうか、でかした。いよいよ本番だ。気合を入れて行くぞーー」


すぐさま準備に取り掛かった。

そんな俺をセバスは心配そうに見ていた。




黒騎士100人が黒狼にまたがって、魔の森に向かって出発した。

20体が荷馬車10台を引き、後から付いて来ていた。

その荷馬車の先頭に、俺は乗り込んで黒狼を操っていた。


何度も何度も魔物が現れて戦いが始まって、何度も倒した。



8度目の戦いに、レッドベアーが居た。

前足が4本で後ろ足が2本の、赤い体毛のベアーだ。

後ろの2本足で立上がって、4本の手で火球を作り出して連続で投げつけていた。


黒騎士は、盾で防ぎながら進み、そのまま盾でぶち当たった。

レッドベアーは、あお向けに倒れた。

黒騎士の横を素早く通りぬけた黒シーフが、ナイフでクロスするように首を切っていた。


右手には黒いナイフ、左手には赤いナイフを持っていた。

この黒シーフは、素早さが断トツに早かった。


そして素早く動いて、別のレッドベアーの首を後ろから切り落とした。


2体だけがレッドベアーで、残りの21体はブラックベアーだった。

このベアーも集団で行動することで、他の魔物から自分らを守っていた。

そうなのだ。魔物同士で襲いあっていた。


弱ければ食べられる。弱肉強食の世界だった。



そしてレッドベアーの死骸に、死霊術を施した。

骨となったレッドベアーは、立ち上がり自身の頭を掴むと首に付けた。

ポワンと淡く輝いて骨は付いてしまった。


そして俺に頭を下げた。


『主殿、よろしくお願いします』と念話で言って来た。


「分かった。お前を我が軍にいれよう」


レッドベアーは、もう1度頭を下げた。


もう1体も死霊術を施して、アンデットにした。

そしてベアードと呼ぶ事にした。


ベアード


HP120

MP140


STR18★ VIT18★

DEF18★ INT20★

DEX10  AGI19★


魔法

火魔法




またまた新たな魔物に出会ってしまった。巨大な白い蛇だ。

太さは1メートルもあって、全長は50メートルもありそうだ。

その白い胴体を持ち上げて、上から見下ろしていた。


黒騎士を乗せたまま20体の黒狼が駆け出した。

その瞬間を狙っていたように、白蛇がジャンプして黒狼に襲った。


5体の黒狼が黒騎士ごとに吹き飛ばされていた。

残った15体が反対に襲い掛かった。


力の差なのか、剣で斬ってもうろこに跳ね返されていた。

そんな白蛇に、斬撃ざんげきと火球が命中。

鱗がはがれて傷ついていた。白い胴体に赤い血がにじんだ。


ベアード2体が必死に火球を放って、白蛇の周りを燃やした。

その炎から逃れるように白蛇は、すぐに後退した。

その後退した白蛇の頭を、急降下したシルバードが襲った。


頭を両足で押さえ込んで、くちばしで頭部を攻撃。

ミラーも飛び降りて、キルソードで首に斬り付けた。

白蛇はかわした。


シルバードは、振り飛ばされたが羽ばたいてなんを逃れた。


しかし、白蛇の首から大量に血が吹き出していた。


もだえ苦しむ白蛇に、俺は雷銃を撃った。

白蛇の胴体に命中して、硬直したまま倒れた。


仕留めたのはミラーだった。

身動き出来ない白蛇の脳天に、キルソードを突き刺した。



白蛇の死骸に、死霊術を施した。

皮を突き破って、「メリメリ」と骨となった蛇が現れた。


あんなに凶暴に見えていた白蛇が、あまりにもみすぼらしく見えた。




もう空も薄っすらと暗くなってきた。

しかし、俺の魔眼は反応していた。

ここの地下には、貴重な金属が眠っている。


黒騎士に命じて、掘らせた。

荷馬車から、3本のツルハシと3本のスコップを手渡した。

すぐに掘り出している。


残った黒騎士は、見張り番だ。

シルバードも地面に降りて、大人しくしている。


俺はパンと干し肉を食っていた。そして寝てしまった。




目が覚めたら、大量に金属が掘り出されていた。

その金属を使って、みすばらしい蛇の鱗を作った。

丁度揃っていた金属を混ぜ合わせた。

そして近場にあった木の樹液を一緒に混ぜ合わせた。


出来上がった金属は、白っぽい金属なった。

その金属使って、鱗を作った。

それを蛇に1つ1つ付けて、白っぽい蛇に仕上げた。

頭部は蛇の仮面だ。口を大きく開けれるように工夫している。

目玉部分は、ブラックベアーの魔石を5個もはめ込んだ。

怪しく光る目は、白蛇の獰猛どうもうさを表現していて、気に入っている。


そして白蛇をシロと呼ぶようにした。


シロ


HP200

MP10


STR20★ VIT18★

DEF18★ INT4

DEX20★ AGI19★




今度は、ベアード2体の鎧製作を始めた。

普通に金属の光沢した鎧だった。

アルマジロのような鎧だが、まるくなることは無い。

しかも腹にも鎧を装着した、頑丈な作りだ。


四つんばいから立上がっても、なんの不具合もなく立上がった。

4本の腕を「ガシガシ」と鳴らして強さをアピールしている。



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