第11話黒騎士兵舎
20人の黒騎士とミラーを連れて、魔の森深くまで来ていた。
新たに黒騎士を召喚する為の、遺体探しが目的だ。
黒のローブ姿の魔法使いが、魔石を煉りこんだ杖で魔物たちを一掃している。
巨大な火の球が着弾すると、辺り一面が火の海になり魔物を燃やし尽くした。
ブラックベアーがすでに丸焦げになった状態で立っていた。
そのブラックベアーを俺は蹴り倒した。
地面に倒れた瞬間に「ガサザサザ」と崩れた。
その崩れた跡から魔石を取り出した。
この魔石、案外高く売れて俺は気に入っていた。
なんでか知らないが美顔クリームの材料らしい。
その為に値崩れしない商品でもあった。
弓が得意な黒騎士は、魔道具製の矢を放つと、レッドバードを射止めた。
その後は、黒騎士の手元に矢が勝手に戻って来る仕掛けが施されていた。
再度、弓を引いてレッドバードを射止めた。
連射する場合は、2本の魔道具矢をつがえて放っていた。
2本の矢は、別々の獲物を射止めた。
盾と剣を持つ黒騎士は、盾で魔物の
そんな戦いを横目でみながら、地面に集中していると反応があった。
「ここか!たしかに死者を感じる」
地中に向かって死霊術を掛けた。
土が盛り上がってきた。
突然、骨の手が突き出されて地面をしっかりと掴んで、頭蓋骨がせり出した。
その数33体のスケルトンが召喚された。
農耕地に黒騎士用の兵舎を建てる羽目になった。
名目は農耕地を守る為の兵舎で、今もローランの森で黒騎士達は魔物討伐をしている。
一部の黒騎士は、洞窟で鉱物の発掘で24時間働き続けていた。
発掘された鉱物は、鍛冶班が鍛冶場で領内に必要な物をドンドンと作っていた。
今までは、帝国から粗悪な物を買わずに済んで、自前で作って安く売って領民からも喜ばれる程だ。
黒騎士は、魔物から魔石を取り出せるようになり、魔物から素材を剥ぎ取ることを覚えた。
ここには鑑定士が居なかったので、魔石を取り出した後は魔物は地中に埋めるかその場に放置されていた。
使われていたのは、毛皮だけだった。
賢者は間違った判断をした。
魔物の素材を街に入れて、人間に変化を及ぼすことを恐れたようだ。
その教えが脈々とこの街のルールになり、当たり前のようになっていた。
俺の【魔眼】で視てそんな可能性は全然無い。
それと魔の森の奥深くで、ポーションの素材の薬草を俺が発見。
その結果、様々な薬草がみつけられた。まだ薬草図鑑に載っていない物まで発見している。
錬金術と言えば、ポーションが代名詞で別名で薬屋と帝国では言われている。
そのせいで、錬金術師は回復士より地位が低く見られている。
回復士は、癒しの教団に属していた。
その為に、薬屋は低い地位まで
俺は黒騎士を教育して、薬草も見つけ次第回収するように仕込んだ。
知識の高い魔法使いが中心に薬草回収も行っている。
「領主様、おはようございます」
「早くから働らかせてすまないな。野菜は育っているか?」
「いえいえ、こんな魔物によって働きにくい体になった私に、働く場を作ってもらって感謝してます。野菜も驚くほど成長をみせてます」
「もうしばらく待っていれば、上級ポーションを作れる素材が集まるから、辛抱してくれ」
「上級ポーションは幻の薬です。それが作れるのですか?」
「帝国で錬金術と鑑定された身だ。帝国図書館でレシピと作り方は、しっかりと頭の中に入っているよ」
「私の足が治りますか?」
「治るはずだ。いや治してみせる」
「父ちゃん、良かったね」
錬金術士が発明や発見した物は、必ず本にして帝国に納める義務があった。
しかし、錬金術士は金になる発明や発見などを秘密にして、独占して金儲けをしてしまう。
その為の本の作成だったが、有名な錬金術士が偉い人を抱き込んで、容易に帝国図書館の観覧が出来なくしてしまった。
親族のみ直伝として知識が伝えるが、錬金術を恩恵として授からない場合は、その知識も途絶えた。
そのせいで、幻になった物も多く忘れられた物ものは更に多いのが現状だ。
帝国の悪しき風習だ。
それと、商業ギルドと冒険者ギルドの協力が得ることができて、今では多くの人が農耕地で働いて川の村で住んでいる。
ようやく建築班が建てている現場へ到着。
黒騎士兵舎は、黒騎士の兵舎なので建物自体も黒く塗るように指示している。
武器庫も備えた。ここでは最大級の建物が建築中だ。
土台部は、洞窟から掘り出した
これは、鑑定士の鑑定と錬金術士の術で作り出した物で、俺独自の発明品だ。
湿気や断熱効果や防音効果が抜群な発明品だ
俺の知っている知識の一部に、中に鉄筋を入れると更に強くなるらしい。
なので今は城壁や城の建設する時に試したい。鉄自体が高い値段だったが洞窟から発掘ができて解消された。
予定では1万人も収容出来る城の建物だ。
寝るスペースは作らない。黒騎士は立って待機する場所さえあればいい。
今では黒騎士数は、100人までも膨れ上がっている。
この兵舎に全員収容は出来るが、兵舎としてのスペースが手狭になって来た。
その為に、又も屋敷の改修が遅れてしまった。
「これはシン様、おこしでしたか?」
「思っていたより順調に建っているようで安心したよ」
「領主様の頼みです。しっかりと建てます。それにしても強縮岩の粉は凄い物です。1日でかっちかっちに固まってます。あれならもっと凄い物も建てられます」
「どういった物が建てられる」
「そうですね・・・自然の湾岸を船が入りやすいように、作り変える事も可能です」
「それはいいね!屋敷を改修してから取り掛かってくれ」
「領主様の屋敷ですか?・・・気合を入れて立派に作り変えてみせます。任せて下さい」
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