第二章  ― 1 ―

 (テレビから緊急速報が流れてきた)

 地震の震度が、5弱以上の揺れが起きると推定されたときに、テレビやスマートフォン・携帯電話から流れてきて、緊急事態を知らせるアラートだ。


『どこかで地震が起きているのだろうか』

 

 揺れを感じないなと思っていたら


 突然、テレビ番組が、今までの放送から。

 

 「報道フロアーから緊急のニュースを、お伝えします。」


 報道フロアーからの放送に変わった。

 男性アナウンサーが、緊急事態を告げるように話を始めた。


『地震ではないのか』




 (東京消防庁からの緊急伝達)

 東京消防庁からの緊急伝達だという主題で男性アナウンサーが伝え始めた。


 「東京消防庁からお願いがありますので、お知らせいたします。

 現在、東京消防庁の119番通報システムは完全にパンクしております。一切繋がらない状況が、今後も続く恐れがあります。原因は、調査中です。考えられる事象は、東京消防庁管内にお住まいになられている方々からの119番通報が、殺到しているためと考えられています。」


 と、読み終えると、男性アナウンサーは、次のように続けた。


 「先ほどお伝えしました東京消防庁の119番通報システムに加え、千葉県・埼玉県・神奈川県・山梨県の119番通報システムが同じくパンクしており、一切繋がらない状態が、起きているという話が、はいってきました。」

 続けて

 「原因は調査中です」

 続けてこう告げた

 「一都四県にお住いの皆さまで、緊急事態に陥っている方々にお願いです。命の生命の危機に陥っていない場合は、少し冷静になってから・・・」

 男性アナウンサーは、途中で話を止めてしまったような口調で、テレビからは、一切、音や声が聞こえなくなってしまった。


『何が起こったのだろうか』


 しばらくして、今度は女性のアナウンサーが同じく話し始めた。


 「現在、一都四県において、119番通報システムがパンクしており、一切繋がらない状況が続いております。命の生命の危機に陥っていない方は、一度電話機を置いて冷静になってください。」


『一切理由も言わずに電話を掛けるなとは穏やかではないな。それから先ほどの男性アナウンサーはどうしたのだろうか』


 何度も同じ内容を繰り返していた女性アナウンサーが突然、うめき声をあげたと思ったら「見えない」と叫んだ。


 「私の目が、両目が、両方の目が、目が見えなくなりました。目の前が、真っ暗になりました。」

 と、女性アナウンサーが、今の状況を伝えてきた。


『目が見えなくなったのか。パンデミックが起きたのか』

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