第四話:どうしてこうなった
「う、うそでしょ…… モノリスが聖地になっている? 更にそこを中心に国が五つも立ち上がっている!? なにこれぇっ!!!!」
翌日出勤後慌ててオーブを覗いてみる。
するととんでもない状態になっていた。
私が神託をしやすいように投入したモノリスはいつの間にか聖地とかになって大神殿の中に厳重に保護されていて女神信教が世界にとどろいていた。
しかも同じ女神信教なのに宗派が出来あがっててどの宗派も信者を増やす為に色々な勧誘方法とか国を巻き込んでの活動なんかまでしている。
「う、ううぅん。なんかステータス見ると信者さんで下っ端になる程信仰心が高いのにメシアや大司祭とかはほどんと信仰心が無い? なにこの信仰心ポイントの低さ……」
なんか各派閥の女神信仰は各々が私の意思とは裏腹な事をやっている。
いや、私の考えを歪曲して広めている。
「あうあうあうぅ~、なんか聖戦とか言って五つの国もいがみ合ってるし、力のちょっと強くなった国なんかは聖地を自国領にしようとかしているし…… そう言えばソミヤちゃんが言ってたけど、モノリスに触れると異常能力者が発生するかもしれないって言ってたよなぁ…… 戦争もかなりひどいものだし、どうしよう……」
世界資源の数値だって無駄に浪費ばかりしているし、文明発展も良い意味での発展がなされていない。
道徳心ポイントのステータス見たってみんな低いし、これって欲望のまま戦争してるって事?
「暴君王」とかの称号が発生しているってどう言う事よ!?
「不味い不味い、このままだと新世界創世の進行確認で大目玉喰らう! 何とかしなきゃ!! あ、そうだ。とりあえず各国の戦争している所にダンジョン作って戦争がしにくい状況を作り上げれば戦争が止められる? ちょっとやそっとじゃつぶせないくらいのダンジョンにして…… そうだ、モンスター駆除がすぐ終わらないくらいに発生率上げて、駆除しないとモンスターがある程度ダンジョンからあふれ出すようにして……」
とにかく戦争を押さえないとまずい。
この方法ならどこかの国に私が加担しすぎないで済むから下手な神託を下すより良いはず。
「もしかして私って天才!? これなら資源は使わずに済むし、負の感情とか人間の死んだ魂とかを糧にすればダンジョンも何とかなる。戦争するよりモンスター駆除に勢力回すからちゃんとレベルもあげられるしご褒美でレアアイテムとかもドロップできるようにして……」
私はオーブの設定画面でその辺をどんどんとやり込んでいく。
すると面白くなってきてダンジョンをどんどんと増やし、この世界で戦争どころではないくらいにして見る。
「ふっふっふっふっふっ、そうだ、魔人とかをダンジョンの最下層にしてラスボスにしよう。そうそう、勇者とかの称号も増やしてっと……」
そのうち魔王とかも発生させるの好いかも。
こうすれば人類が一致団結して力を合わせるかもしれない。
「パーフェクト! これならきっと上手く行くわよ!」
と、電話が鳴る。
とぅるるるるるるぅぅ~
がちゃ!
「はい、テミアです。ああ教育係の女神様? はいはい、ええ、勿論順調ですよ。ちょっと進化と発展が遅いですけどちゃんとやってますって。え? 一週間後に確認をするからみんなで集まれですか? はいわかりました。ではオーブ持って行けばいいんですね? はい、それじゃぁ作業に戻りますね」
ちんっ!
受話器を置いて大きく息を吐く。
正直危なかった。
この設定で行けば一週間くらいで状況は良くなっているはず。
場合によってはまた自動作業をさせてさらに時間を進めてやればその効果が出るだろう。
私は自動作業と経過時間の早送り機構を使い本日の業務を終わりにするのだった。
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