第4話

それは学校の研修旅行の事だった。

何やら女子が大騒ぎしているなぁ~と視線を向けると、騒ぎの渦中に彼女あり。

田上達が虫で大騒ぎしていた。

そんな中、虫が大丈夫な鵜沢さんが騒ぎの元の虫を捕まえて窓から逃がしていると、虫にパニックになっていた女子達が、雪崩方式で倒れていた。

すると、彼女のジャージのファスナーに、長い髪の毛の女子の髪が絡んでしまったらしい。

数人の女子で、髪の毛救出作戦が始まる。

あんなの、ハサミで切れば良いのに……と思って見ていたが、女子とって髪の毛は重大な事らしい。

格闘すること数分。

「取れた!」

の声に、彼女が両手を上げて

「やった~!」

と叫んだその時だった。

ヒラリとジャージの上着の前が開いた。

白いレースの下着に、予想に反した豊満な胸が露わになる。

予想外の展開に、思わず固まってしまう。

その瞬間、彼女と目が合った。

彼女が俺の視線に気付き、慌てて視線を逸らした後、ゆっくりと下を見た彼女は

「ぎ……ぎゃあ~~~!!」

と悲鳴を上げた。

俺はその場から慌てて逃げ出した。

部屋に戻った俺に

「あれ?長塚、顔真っ赤だけどどうした?」

と声を掛けられた。

 その日の夜、部屋では彼女の胸を見た奴等と見られなかった奴等で盛り上がっていた。

「うそ!田上の胸、そんなにデカいの?」

「マジマジ、残念だったな。見られなくて」

「田上、童顔であれは反則だよ」

と盛り上がり、話題がどんどん卑猥な方向に進んで行く。

偶然居合わせてしまった俺としては、なんとも居心地悪くて部屋を出た。

10代の男子なんて、穴があれば入れたくなると言われているから、絶好のカモにされてしまう。

溜め息を吐いて廊下を歩いていると、バッタリ彼女と出くわしてしまった。

顔を見た瞬間、部屋で話していた奴等の話題を思い出してしまい慌てて目を逸らした。

すると、彼女が悲しそうに目をうるませて俺の顔を見上げた。

それがまた、アイツらの話題を彷彿とさせて直視出来なくさせた。

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