幕開:キャラクター&用語解説/イントロダクション

#1 登場人物

●主要メンバー


・アクセルリス・アルジェント(Akzeriyyuth-Argent) 鋼の魔女/邪悪魔女5i/残酷魔女

本作の主人公。身長159cm。鋼の元素を操る力を持ち、師であるアイヤツバスの下で日々精進している。

アクセルリスの名は古い言葉で『銀』を意味し、その名の通り美しい銀色の髪と瞳をもつ。髪形は左で束ねたサイドアップ。

好物は鶏肉。普段は明るく前向きな腹ペコ魔女だが、その本性は『残酷』そのもの。凄惨な過去を持ち、当時の記憶から『生き残ること』を最優先に考えており、そのためにはいかなる犠牲も厭わない。

ただし、彼女にとって『なによりも大切なもの』は逆に自分の命を捨ててでも護ろうとする精神の持ち主でもある。

この矛盾めいた独善性がアクセルリスをどのように導くかは、まだ誰も知らない。


・アイヤツバス・ゴクムアゴグ(Aiyatsubus-Gogmagog) 知識の魔女/邪悪魔女9i

アクセルリスの師匠にして邪悪魔女の一人。身長176cm。

金髪のポニーテールで、トレードマークはメガネ。その奥の目は常に微笑みを浮かべている。外出時は常に黒いコートを纏う。

《死んだ妖精の森》の奥に工房を持ち、そこでアクセルリスと生活している。

《知識の魔女》の称号は伊達ではなく、魔法は勿論のこと、生活での豆知識や古い伝承にも詳しい。

邪悪魔女となる以前の彼女の経歴は謎に包まれている。それを紐解くことも、この物語の鍵となるだろう。


・トガネ(Togane-Gogmagog-Argent) シェイダー

アイヤツバスが生み出したアクセルリスの使い魔シーヴェ

アクセルリスを『あるじ』、アイヤツバスを『創造主そうぞうあるじ』と呼ぶ。

本体は小さな赤い光で、これは彼にとっての眼らしい。影の中に住み、泳ぐように移動する。

シェイダーの特性として、影を介して物体に宿り影響を及ぼすことが出来る。動かしたり、補助したり、邪魔したりなど多芸かつ多岐に渡る。

彼の存在もまた、アクセルリスの物語に大きな影を落とす。


・アディスハハ・デドウメドウ(Adyeshach-Deadmeadow) 蕾の魔女/邪悪魔女4i

邪悪魔女の一人。加入時期はアクセルリスより少し前。身長161cm。

アクセルリスと同年代であり、すぐに意気投合。出会って間もないが、よい友人関係を築いた。

ピンク色の眼。オレンジ色の髪を首の根本程度に伸ばしている。頭上には立派なアホ毛。

彼女の身体からは微量ながら常に魔力が溢れているため、足元には草花が生い茂る。

この草花は土地によって生える種類が変わる。また、土の状態で成長度が左右される。肥沃な土の上であればよく育つし、逆に建物の中では全く生えない。

なお姓であるデドウメドウは《枯れ野》を意味し、由緒正しい魔女の家系である。彼女たちは生物のエネルギーを枯らす魔法に長けている。だが、アディスハハが邪悪魔女に就任してからほどなくしてデドウメドウの一族は壊滅した。関連性は不明。

この物語のヒロインとなる存在。彼女とアクセルリスが交わる中、生まれる光は果たして。


・ファルフォビア(Fearphobia) エルフ

アイヤツバスが工房を構える地《死んだ妖精の森》に住まうエルフ。身長139cm。

赤い眼、赤黒い髪のショートカット。自他とも認める勤勉ガール。

アクセルリスの大親友であり、互いに唯一無二の友として信頼・敬愛し合っている。

物体の数を瞬時に数えられるという特技を持つ……が、あまり活かされることはない。


●邪悪魔女


・バシカル・キリンギ(Bacikal-Killing) 冷徹の魔女/邪悪魔女1i/残酷魔女特別顧問

邪悪魔女の一人。同じく邪悪魔女であるシェリルスの師。邪悪魔女としての役割は《執行官》。だが、それ以外に兵士教練官及び機動部隊総隊長をも務める。身長162cm。

真黒の眼、同じく真黒の髪は短く整えられている。黒甲冑が代名詞。剣は魔法で腰の後ろに浮かせて帯刀する。

自分も他人にも厳しい、ストイックの化身。《冷徹》の称号に違わない、魔女機関に最も忠実な魔女として働いている。

残酷魔女の創始者にしてかつての隊長。その功績が認められ、邪悪魔女に選ばれた。現在は残酷魔女の特別顧問にも就任している。


・イェーレリー・オストロスト(Iweleth-Ostlost) 骸の魔女/邪悪魔女2i

邪悪魔女の一人。《法務部門》の長であり、肩書きは《法務官》。体長202cm。

様々な骸骨で構成された鎧を纏う魔人、という魔女離れした姿。とにかく骨が重厚で大きいためシルエットは大柄。骸骨の隙間からは碧い光が漏れる。

その称号と外見の通り、骸を操る魔法を得意とする。

厳格な性格であり、法務官を担当していることもあり『魔法の番人』と呼ばれることもある。

洞窟一つを丸ごと工房にしている。上質な骸骨が多数手に入る《竜の墓場》という穴に直結しているらしい。


・シェリルス・シンデレリア(Sheriruth-Cinderella) 灰の魔女/邪悪魔女3i

邪悪魔女の一人にして1iバシカルの弟子。担当は《威力部門》。身長170cm。

トレードマークは謎めいた王冠と澄み渡る青い眼、そして長いツインテール。恰好には結構こだわりがあるらしく、不用意な接触は彼女の怒りを買う。

不躾で傍若無人な態度が目に付く、不良系魔女だ。ただし師であるバシカルには全く頭が上がらない。

得意とする魔法は炎系統。彼女が魔法を行使する際、灰のような色の髪は先端から赤化する。

かつて存在した王朝に《シンデレリア王朝》というものが存在するが関係は不明。


・カイトラ・アルコバレノ(Kaitul-Arcobaleno) 変異の魔女/邪悪魔女6i

邪悪魔女の一人。担当は《財政部門》。身長173cm。変異体状態では333cm。

普段の姿は大量の触手によって形成された深緑色の異形の怪物。頭足類にも例えられるその状態では3mの巨躯を誇る。

が、その姿は己の称号《変異》により、望まぬ形に変化を遂げたものである。

彼女の変異は不定期に起こるものであり、以前はまた違った異形の姿をしていたらしい。

触手を引っ込めて通常の姿になることも可能ではあるが、その状態を維持するのに多大な集中を要すため、必要なければ普段は触手モンスターの姿でいる。

パーティーメイカーズにおいては主菜を担当する。


・シャーカッハ・ヒュドランゲア(Shakah-Hydrangea) 再生の魔女/邪悪魔女7i

邪悪魔女の一人。担当は《医療部門》。身長184cm。

桃色の眼。眼と同じ色の髪を脚のあたりまでだらりと垂らした姿が特徴的な、実に妖艶な魔女。単純な身長ではアイヤツバスを抑え邪悪魔女で最も高い。

姿から想像できるような振る舞いや仕草をとるが、時折寂しそうな眼をする。

パーティーメイカーズにおいては副菜を担当する。


・ケムダフ・アイオーン(Chemdah-Aion) 暴食の魔女/邪悪魔女8i

邪悪魔女の一人。担当は《防衛部門》。身長138cm。ぼうし込みでは276cm。

色の抜けたような白い眼と髪だが、それよりも身の丈の二倍の大きさを持つ巨大な帽子がトレードマークとして目立つ。

その帽子にはこれまた巨大な口と牙が生えており、まるで別個の生命のようにうごめく。

パーティーメイカーズにおいてはデザートを担当する。


・キュイラヌート・ヴォルケンクラッツァー(Qimranut-Wolkenkratzer) 氷の魔女/邪悪魔女10i

邪悪魔女の一人にして魔女機関を統べる《総督》である。球状装置は全長300cm。

初代邪悪魔女の一人。いわゆる大魔女で、その齢は5000を軽く超える。

その肉体は特殊冷却装置の中で冷凍睡眠状態にある。普段は精神のみを装置に接続し、執務を行っている。

本来の姿を見た者は少なく、またキュイラヌート自身も自らの姿を書き写したり伝聞することを好まないため、多くの魔女は彼女の姿を知らない。


●残酷魔女

・シャーデンフロイデ・フィンスターニス(Schadenfreude-Finsternis) 殺伐の魔女/残酷魔女

残酷魔女の隊長。身長179cm。時に厳しく、時に優しく、時に残酷に。残酷魔女たちを牽引するリーダーである。

青白い眼、銀髪のロングポニー。その長い髪は戦闘においては武器にもなりうる……とはもっぱらのウワサ。

首には透明なペンダントを下げている。


・ジェムジュエル・クリスタライズ(Gemjewel-Crystarise) 宝石の魔女/残酷魔女

残酷魔女の一員。身長164cm。

桃色の眼と髪。それらもまた『宝玉』と例えられてきた。

若くして優秀な手腕を買われ残酷魔女にスカウトされ、活躍をしていたらしい。

新たに加わったアクセルリスの指南役となっていた。アクセルリスにも強く慕われていたように、その才能と人望は確かなものであったようだ。


・グラバースニッチ・バーニングアビス(Grabbersnitch-Burningabyss) 獣の魔女/残酷魔女

残酷魔女の一人で、自他ともに認める生粋の武闘派。身長170cm。

黒髪、茶色の眼。口元から時折覗く牙からは強い野性を感じさせる。

シャーデンフロイデに並ぶ古参であり、作戦の際にはいつも先頭を切る。だがそれ故に大怪我を負うこともあるが、彼女はあまり気にしていないようだ。

様々な痕跡を匂いとして感知する能力を持つが、それを抜きにしても獣の魔女としての権能からか嗅覚に優れている。


・アーカシャ・クロニーク(Akasha-Chronik) 記録の魔女/残酷魔女

残酷魔女の一人。戦闘はからっきしな、生粋のオペレーター。身長147cm。

大きなぐるぐるめがねとぶかぶかの白衣は彼女なりのファッション。白髪だが、不養生によるものではない……らしい。

非戦闘員である彼女が外道魔女の処分を職務とする残酷魔女に在籍しているのには深い事情がある。

趣味は開発行為で、残酷魔女たちの役に立つ様々なアイテムを開発しているが、没頭しすぎてよく徹夜する。よって大体不健康。


・アガルマト・ピュグマリオ(Agalmato-Pygmalio) 人形の魔女/残酷魔女

残酷魔女の一人。人形マニア。身長140cm。

紫掛かった黒髪を伸ばしっぱなしにしている。

極度の人見知りで、ごく一部の例外を除き、人形を介さないと他者とコミュニケーションが出来ない。

体躯も現在の残酷魔女の中で最も小柄かつ細身であり、戦闘なこなせるわけもないが、それを差し置いても重要な役割を持っている。


・オルドヴァイス・シルリア(Ordovice-Siluria) 海の魔女/残酷魔女

残酷魔女の一人。海のように寛大で大らかで自由な大物。身長168cm。

海のように蒼い眼と髪。髪は後ろで適当に纏めている。

凶暴な獣や竜種をも受け入れ手なずける度量を持つ。また戦闘能力も意外と高く、水を刃として操るのを好む。

持つ杖にはめ込まれているのは《海の石》。彼女が海岸で見つけた青くてきれいなだけの石。お気に入りらしい。

家事も得意、というか趣味の域。

そんな彼女、魔女機関内アンケートで『嫁にしたい魔女ランキング』の二位に輝いた。

まさに才色兼備、多くの魔女の憧れとなっている優秀な魔女といえよう。


●外道魔女


・ソイルシール・レドックス(Soilseal-Redox) 土の魔女/準外道魔女

準外道魔女。魔女機関への納税を拒み、攻撃を仕掛けたためアクセルリスに処分された。身長164cm。

魔装束は土色であるが、これは趣味の陶芸を続けているうちに付着した色。本来は灰色だったらしい。


・コフュン・ブラスフェミー(Coffin-Blasphemy) 死体の魔女/外道魔女

外道魔女。身長183cm。

不気味さを感じさせる白い眼と白い髪。ボサボサな髪は肩のあたりで乱雑に切られている。

ボロボロの白衣を纏った姿は研究者くずれのよう。実際当たらずとも遠からず。

死者を蘇らせ手駒として使役するという、あまりにも冒涜的な魔法を専門とする。

彼女の魔法によって作られたゾンビは、その体が原形を留めないほどに破壊されなければ『死』にはならないらしい。

首を断てば活動は止まるが、それは脳と体が切り離され、体が行動の指示を与えられなくなるからだ。

死体しか愛せないという特殊性嗜好を持つ。そんな彼女がこの称号を授かったのは必然だったのかもしれない。


・戦火の魔女

謎の外道魔女。

かつて世界を恐怖に陥れた史上最悪の外道魔女である。

その能力をもって世界各地で戦争を引き起こし続け、多くの人々を間接的に殺害していた。

しかし、《頽廃の岡の大戦火》と呼ばれる巨大な戦争を境に一切の活動を止めた。

未だその真名は判明しておらず、魔女機関は今なお懸命に調査を続けている。


●他の魔女


・ディサイシヴ・リットガゼル(Decisive-Lightgazer) 鉄道の魔女

世界各地に脈を広げる《魔行列車》、その全てを管理する大企業《魔列社》の代表。身長155cm。

赤い眼、黒髪ロング。黙っていれば美少女。

このディサイシヴという魔女は、先代の代表から《鉄道の魔女》という称号を襲名し、その若さに見合わない手腕で魔列車を統率しているのだ。

……その割には陽気すぎで暢気すぎな感じを漂わせているが、『ご愛敬』らしい。


・アラクニー・ブラックウィドー(Aracne-Blackwidow) 呪術の魔女/呪術師

魔女機関において『呪術師』を務める魔女。キュイラヌート直属。身長183cm。

作中においてはグラバースニッチとディサイシヴとの会話の中で名前が出ただけで、その詳細は現在のところ不明。


・カーネイル・キリンギ(Karnel-Killing) 冷静の魔女/環境部門秘書

魔女機関において環境部門秘書を担当する。アクセルリスのサポート役である。身長162cm。

真黒の眼、同じく真黒の髪はツインテールに纏められている。

普段は礼儀正しく物腰柔らかい、秘書の鑑である。

そんな彼女が環境部門の秘書となるには様々な出来事が交錯しているらしい。本人の思惑は不明である。


・ガイアガスト・ゼファース(Gaiagust-Zephyros) 突風の魔女

環境部門所属。現在北方キユツバイ地方へ調査遠征中。身長151cm。

ジオゲイルとは良きライバル関係。


・ジオゲイル・アキュローン(Geogale-Aquilon) 疾風の魔女

環境部門所属。現在南方ミーユラ地方へ調査遠征中。身長151cm。

ガイアガストとは友達以上恋人未満。


・フネネラル・エントゥーム(Funeral-Entomb) 葬送の魔女/執行人

魔女機関において独自の職務を与えられた、いわゆる《キュイラヌート直属》の一人。身長162cm。

黒い眼、白い肌、黒い外套、そして手にした鎌と、その容貌はまさに死神といったところ。

そんな彼女の職務は《執行人》。外道魔女を狩る残酷魔女に対し、フネネラルは魔女機関の内部から発生した謀反者を狩る。

その性質ゆえか、魔女機関の魔女たちからは不気味がられており、いつしかその名を呼ぶ事すら不吉とされている。


・マーキナー・デアエクス(Machina-Deaex) 解析の魔女/情報管理官

魔女機関の情報管理官。キュイラヌート直属。身長145cm。

その名の通り、魔女機関に保存されている情報全てを彼女が管理している。ぶっちゃけ超激務。

昼夜問わず情報管理室にて働いているうちに頭がおかしくなっている。あるいは元からかもしれない。

髪を切る暇などほとんどないためその白髪は床に付くほどの長さである。白い眼は大体いつも血走っている。

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