#2 用語集
・魔女(マジア/Magia)
この世界に存在する《人種》の一つであり、魔女機関が統治する社会においては主役となる存在。
他の人種にない固有の能力として、貯蔵している《魔力》を《魔法》という多種多様な形で操るものが存在し、それが何よりも魔女を魔女たらしている。
・魔女の特徴
人間と比べた際の魔女の特徴は以下の通り。
・魔法を行使できる
・蓄積できる魔力が多い
・寿命が長く老化が遅い
・生まれついての魔女は存在しない
人間との差異は可視できないものがほとんどであり、大抵の魔女は人間とそう変わらない外見をしているが、魔女が生まれる経緯を考えると至極当然なことである。
・魔女が生まれるまで
生まれつき魔女である魔女は存在しない。
魔女とは、『人間が変異して生まれる種族』なのである。
魔法の修行を十分に積み、《天啓の神殿》で魔女となる儀式を行い、魔女としての証である《称号》を得ることで新たな魔女が生まれるのだ。
・魔力
この世に存在するエネルギーの名称。
含有量の大小はあれど、生物だろうと無生物だろうとこの世界の万物には魔力が宿っている。
非常に便利で汎用性・応用性に富むエネルギーであり、この世界の根幹を成す存在である。
上述の通り、魔女はこの魔力を魔法という形で出力することが出来る。
・魔法
魔女が貯蓄している魔力を様々な形式で出力し発生させる事象の総称。
練習によって殆どの魔女が取得できる汎用魔法と、それぞれの魔女が得意・専門とし他の魔女には再現性のない固有魔法の二種に分類できる。
・魔弾
魔力を収束しエネルギー球として撃ち出す魔法。多くの場合、指先や掌といった身体の末端から放たれる。
全ての魔女が扱える魔法ではあるが、通常の場合威力や射程は心もとないものであり、これをメインウェポンとする魔女は奇特である。
いちおう、ゼロ距離で喰らわせればそれなりのダメージは期待できるが、その程度。非戦闘員魔女が護身用に使う程度が関の山である。
・魔女の身体能力
魔法を操ることが最大の特徴である魔女だが、その身体能力も多くの場合人間を上回っている。
体内に貯めこんでいる魔力が染み出し、身体に浸透することで、人間を超えた身体能力を発揮することができるのだ。
しかし個人差はあり、一部の魔女は魔力の染み出す割合が低い、または無いことにより、人間とほとんど身体能力が変わらない場合もある。
むしろ逆に、染み出した魔力の影響で逆に身体能力が低下してしまう魔女もいる。
・邪悪魔女(マジア・ファルネス/Majia-Falness)
魔女機関の幹部である10人の魔女。基本的に、10人それぞれが魔女機関の各部門の長を勤める。
魔女機関によって成される魔女社会の事実上のトップでもある。全ての魔女にとっての憧れであると言えよう。
当然ながら代替わりも発生する。引退する際には後任の魔女を推薦し、過半数の賛成が得られた場合にその推薦された魔女が後釜として着任する形式を取っている。なお指名されないまま欠員が生じた場合、他のいずれかの魔女により推薦が行われる。
・残酷魔女(マジア・ヴィエンド/Majia-Viend)
魔女機関に従わない者の処分を専門とする魔女。メンバーには残酷さ・無慈悲さが求められるという。
創立者は現邪悪魔女1iバシカル・キリンギ。現在は特別顧問として残酷魔女へのスカウトを行っている。
過酷な任務なこともあり、メンバーたちは常に人手不足を憂いている。アクセルリスが加入した時点での総員は11人。
・外道魔女(マジア・ゲーウェン/Magia-Gzewens)
魔女機関に従わない魔女。要するに犯罪者である。
一口に外道魔女と括ってはいるが、実際には一括りにできる単純なものではない。
窃盗や詐欺といった軽犯罪を重ねる者もいれば、大量殺人や大規模な暴動といった脅威を振りまく者もいる。
繋がりも一枚岩ではなく、他の外道魔女と手を組まない孤高の者、逆に外道魔女同士で集まり同盟を結成する者、あるいは同族はおろか自分以外全ての魔女を敵視している者など多様に分かれる。
あくまでも、魔女機関に背く魔女全般を外道魔女と呼称しているだけなのである。
彼女らの処罰を専門とする残酷魔女の間には識別のためのランク分けが導入されているが、あくまで非公式なものである。
・魔女機関(フォルガニンタ・マジア/Folganint-Majia)
《魔女は総てのために、総ては世界のために》を標語として掲げ、良き世界を作るために日々尽力する魔女の組織。他の自治団体に比べてもあまりに巨大な組織であり、広い統治を行なっているなど、この世界における事実上の統一国家であるといえる。
とはいっても理不尽な令を下すことは全くなく、5000年を超える年月を掛けて優良なシステムを完成させているため、外道魔女のような魔女機関に逆らう魔女は奇特といっていいだろう。
・魔都ヴェルペルギース(Walpurgis-Nacht)
魔女機関が本部を構える、魔女の聖地にして中枢にして拠点。
『常夜の都』であり、日は昇らず、常に淡い光を放つ月が鎮座し、昼夜を問わず空には幾つもの星が瞬く。
中央には邪悪魔女の塔クリファトレシカが建ち、それを取り囲むように建物が建ち並ぶ。
中央クリファトレシカ/東/西/南/北の五つの地区に区分されており、それぞれの地区に固有の特色が存在する。
通常の世界とは位相がズレた異世界に存在しているらしく、魔行列車以外の手段で来ることは不可能。
元々は数名の魔女たちの拠点があった小さな町だったとされている。
その数名の魔女たちが組合を結成し、魔女社会の統治を始めたのが魔女機関の始まりだと言われている。
・クリファトレシカ(Qliphothlesk)
魔女機関の本部である巨大な漆黒の塔。100階建て。ヴェルペルギースのシンボルでもあり、魔都のどこに居てもその姿を見ることができるほどだ。
初代邪悪魔女たちが大勢の魔女たちと力を合わせて建てたと言われている。
内部には用途ごとに分けられた複数のエレベーターが存在しており、100階建ての広大さに反して移動の不便さは一切ない。
なお、『上層』とされる91階以上には特殊な用途の部屋が集められており、不要不急の侵入は推奨されていない。
・魔行列車
魔力を主動力として動く乗り物。魔石から作られた魔石炭を燃やすことで動く。
魔石炭は魔力を多く含んでいるため、従来の石炭よりも効率が良く、また自然へ与えるダメージも少ないというすぐれもの。
またそれとは別に、ヴェルペルギース行の魔行列車には通常の空間とヴェルペルギースの空間を繋げる装置が搭載されている。
その装置に特定の魔石を設置することで、ヴェルペルギースに存在する同種類の魔石と共鳴し、二つの空間が繋がるという仕組みだ。
この『ヴェルペルギースに存在する魔石』とは、各駅に設置されている守護魔獣のオブジェに埋め込まれているものと一般的には解釈されている。
が、実際のところは不明。魔女機関も正式な回答は発表していない。
・エントラッセ(Entllance)
アイヤツバス工房からの最寄り魔行列車駅が存在する街。それなりの規模であり暮らしていくのに不便はない。
商店もおおよそ揃っており、アイヤツバスもよく買い出しに来る。
・使い魔(シーヴェ/Selave)
魔女が魔法によって生み出す生命。全ての使い魔は産み落とされる際に魔女と何らかの形で契約を結び、『主』と定めた魔女に尽くす存在となる。
既に系統化された魔法かつ小規模なものではあるが『生命の創造』は複雑かつ難易度の高い魔法であることに変わりないため、使い魔を生み出すには結構な時間や労力が必要となる。
使い魔を生み出すことに特化した魔法を持つ魔女などがいれば例外だが。
・エルフ(Elf)
野生個体のほとんどは森に住み、森を警護するという生活を送っている。
どのような形であれ森には一人以上のエルフが警備しているというのが常であるため、野生の者と出会う機会も多い。
一度住む森を選ぶと死ぬまで住処を変えないのが伝統とされているが、近年は事情が変わってきているようだ。
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