第二話
カチカチと時計の秒針が動く音だけが聞こえる。
時計を見るとまだ朝の5時のようだ。いつもよりも早い時間に起きたが私の目は完全に開いていた。昨日の記事について早く調べたい。今日は早めに出社しよう。
「おはようございまーす」
「あ、!橘先輩!!!今日は早いですね」
「かのちゃん。うん、今日は調べたいことがあって。」
「まあ私たちって調べる仕事じゃないですか、毎日興味のない情報も調べないといけないですよね」とほほ笑んでいた。
かのちゃん、とは私の後輩のことだ。名前は板東可乃。どんな仕事にも一生懸命に取り組む姿が素敵な入社2年目の子。彼女は学生時代の時にSNSでのトラブルがあって一度自殺未遂をしたことがあったらしい。その時の彼女のことを私は知らないが、今は明るくなったのかと思う。
「せんぱーい、どうかしましたか?」
まさか、寝不足ですか?と聞いてきた。確かにいつも私が来る時間ではないからだろうか。
「まあ、少しだけ眠いね」
「先輩って仕事熱心なのに何でいつも遅刻ギリギリで出社してくるんですか?」
なんで?なんでって…
「それは、私にもよくわからないな、」不思議そうな顔をしている彼女。
きっとそのことについて知ったら、彼女が何と言うか。だいたい想像もつく。
いつも夜中まで家で調べられることは調べて、社内でしか調べられないことは社内で調べる。それをずっとしているため毎日深夜3時に寝で、最終的には寝坊をする。それが日課だ。そんなこと、彼女が知ったらとても心配するだろう。でも、それは私にとってのいつも通りの生活。気にせずに仕事をする。
海底インターネット 7み @nanam_i
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