青い四葩（よひら）

干菓子色の水中花（ハーバリウム）

苺月下（ばいげっか）の水面（みのも）に創像を孕み

矢庭に寵児を謳う八の蜂と

猥曲（わいきょく）性愛者が諾（うべな）い無しに

尺度を性徴へ

早飲み込み生聞き黒豆の諍（いさか）いが招き

流言蜚語（りゅうげんひご）　偏執イシューが

枚挙の枝を矯（た）めて樹を病（わくら）す

八仙花の夜露を

香ばしい香具師（やつ）が舌を撫ぜ

第2・3ボタンの隙間から見える

裡（り）のうちで鏡映る

扼腕（やくわん）の志学の脚気へ

巳（とぐろ）巻く荊棘（うばら）が

臙脂（えんじ）色の天鵞絨（てんがじゅう）の

冬薔薇（ふゆそうび）から

濁汚染　燻（くすぶ）る眼と涙が旨味（おい）しいと嗜み

加之（しかのみならず）　悉（ことごと）く循環器を

千よりひとつ先

腐草（ふそう）蛍になる

青い四葩　校庭で

整地ローラーに潰される

多恨少情にリヴレス

黄色（おうしょく）の蘭竹石（らんちくせき）が

机上の花瓶に一輪枯れていた