第2話「なんてこったい!/(^o^)\」
校舎裏で友達と自分の恋人が抱き合っているってどういうことぜよ。。
いかん、気を抜いたら目の前が真っ暗になりそう。。。
ていうかなんか胸のあたりがむかむかしてきて気持ち悪くなってきた。
一回、深呼吸をしよう。
すー、はー、すー、はー。
…よし、少し落ち着いた。
もしかしたら抱き着いたといってもなんかの間違いかもしれないし、もう一回確認しよう。
そう思いどんなことが目の前で起きてもいいように心の準備を整えてから壁から少し顔を出して覗いてみる。
「…んっ…んちゅ……じゅる…」
………
なんかキスしてんだけどおォぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
しかもなんか舌入れるディープなヤツだし俺それアイツとした事ないし!!普通のキスぐらいしかしたことないし、そんなん画面の向こうでしか見たことねぇよ!!こんなん準備した心だって一瞬で砕け散るわァ!!!
「…んっ……ぷはぁ……ちょっとは、加減…しなさいよね…」
息遣いが荒く顔がほてっている、しかし少し怒った様子で花音は竜也に語り掛ける。
「ねぇ、聞いてる?…っちょっと、こんな場所でお尻触らないでよ」
ま・る・で・今・ま・で・何・度・と・な・く・触・っ・て・き・た・よ・う・な・慣れた手つきで竜也は花音のお尻を触る。
「いいじゃん、ここ誰も来ないし。そっちだって乗り気じゃん」
「…せめて私の部屋で続きはお願い」
「ははっ。しょうがないなぁ…でも、前までは本当に拒絶されていたから、大した進歩だよ。えらいえらい♪」
「なんでそっちが偉そうなの…」
「でも、彼氏君のほうはいいのかな?…」
ニヤニヤという言葉がぴったりの顔を花音に向けている。
「その話はやめて。彼は今日バイトだからこの後会う予定はないわ」
はわわ、脳が破壊されりゅ。。。
なんてこったい!どうしてこんな事になったんだ。
俺が偶々人気のない場所を探して明日、花音とご飯を食べようとしていたからこんな自分にとって最悪な光景を見せられる羽目になったのか?
俺がもしかして意気地なしだったから、花音が愛想つかしたとか?
俺が一年間花音にキスぐらいしかしなくて手を出さなすぎたから?
でも、あいつは清楚で、簡単に手を出す男は嫌いって言ってたし、だから心のつながりを一番にして慎重に行こうって思って、、、
……わからない。
やばい、いろんな感情がごっちゃになってとりあえず泣きそう。
今、あいつらに会いたくない。
向こうも移動する気配がしてきているし早くここから逃げないと。
そう思い、震える足を静かに動かし、絶対に悟られない誰も来ない木の隅に移動して身を隠す。
その間も移動する花音たちのほうを見ているが、明らかに友達の距離じゃないぐらい近く、一緒に歩いていた。
二人が去ったあとも俺はしばらくの間木陰でじっとして何も考えずにいた。
しばらくしてバイトがあった事を思い出した。
遅刻してはいけないとそれだけを考えて、ようやくその場から立ち、機械的に足を目的の場所まで運ぶ。
バイト中は何も考えなかった。
と、取り合えず家に帰ったらアニメの最新話をチェックして寝よう、うん、そうしよう。
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