好きな人を寝取られた俺達へ

不人気者

第1話「どうしてだよぉ…!!」

やあ、みんなこんにちは俺は沢村啓介さわむらけいすけ、現在高校二年だ。


挨拶の途中で申し訳ないが今俺の目の現実に起こっていることを説明させてくれ。


場所は放課後の校舎裏、奥には男女二人、男のほうが女子に抱き着く姿勢で何やらしゃべっている様子だ。


それだけならばいい、おいおいここは学校だぞもうちょいイチャイチャを控えたらどうだと内心思いながら苦笑するだけにとどまったはずだ。問題はその男女が俺の関係者だという事だ。




俺には好きな人がいる。というか付き合っている恋人がいる。


俺の恋人は天春 花音あまはる かのん。幼稚園からの幼馴染で、性格は真面目、軽率な奴が苦手で、清楚という文字がぴったりな美少女だ。


 中学生の頃はお互いなんとなく意識はしていたんだけど距離をいまいち縮みきれていなかったから、高校入学前に思い切って自分から告白してよかったと思ったよ…………


おっといかんいかん!!現実逃避をしている場合じゃない!!




……まぁこの時点でいろいろ察してくれてると思うけどもう少し説明させてくれ。


実は、俺にはもう一人中学からの友達がいる。


そいつの名前は春尾竜也はるおりゅうや。中学の頃、よく悩み事とかあったらコイツに相談するほど信頼できる奴だった。顔はかっこよくて、コミュ力もあり、おまけにスポーツ万能。いやぁ女子からモテるモテる。


でも勉強は少しだけ苦手だったのかよく俺と一緒にテスト前は勉強していたな…それで進学校であるこの学校に推薦じゃなくて一般受験で受かるなんて、大したやつだよ……


………


……


おおっといかんいかん!!


現実から目をそらしては。




さぁ、お待ちかねの現実タイムだ。




で、だ。


その二人がな、あんなぁ、目の前で抱き合ってんだよぉ…。


なしてぇ……。


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