第8話 弟子の強化

「ちょっとししょー! いきなりなにするんですか!」



 クエスト後、頬を膨らませたリンがぷりぷりと怒りながら俺に抗議してきた。



「お前さあ、目的ちゃんと覚えてるのか? 俺が今見せたのは俺が編み出したプレイヤーキルの極意だぞ」



 リンはあっ、と気づいた顔をする。



「なるほど! ああやって敵を油断させて爆破するんですね! さすがはししょー、私にはあんな方法思いつきませんでした!」


「まあ、あれは今は最強だがそのうち手口の噂が広まったらすぐに使えなくなるだろうけどな。ていうかお前、そんなんでよくそのランクまで上がってこれたな」



 中々頭が残念な子な気がするが……。



「えへへ、いやあそんなに褒めないでくださいよ?照れるじゃないですかぁ。適当に弱そうな人たちのところに潜ってただけですよ」



 それでどうやって認定クエストを突破したんだろうか。


 まあ、大方ランクが高い奴らをひたすらキックし続けプレイヤー厳選したとか、そんな感じだと思うが。



「プレイヤーキルと他プレイヤーの対策手段はイタチごっこになる場合が多いんだ。だから、常にその時の最善スキルを考え抜かなくちゃならない」


「おお、なんかししょーっぽいこと言ってる! あれ、そういえばししょーのスキル、爆弾強化系とかアイテム共有化ついてないきがするんですけど……」


「ん? ああ、それはついてるけど【裏切者】スキルの効果で非表示にしてるだけだぞ。ほら」



 俺は非表示設定をオフにした。



「あ、本当ですね。でも、私の【裏切者】スキルにはそんな機能ついてませんよ?」


「これは熟練度が上がったのとなんだのって出た時についたやつだからな。熟練度イコールランクだと思ったんだが、違うみたいだな」



 確か俺の【裏切者】スキルの熟練度が上がったのはランク10のときだ。


 俺はてっきりランク10でその効果が解放されたのかと思ったのだが……。



「あ、なるほど。そういえばそんなこと書いてありましたね。ていうか、やっぱししょーは私なんかと違って熟練者ってことなんですかね」



 うーむ……条件がよくわからんな。



「まあそこら辺は俺の言う通りにこなしてけばなんとかなるだろ。それより、さっさと装備を新調してスキルを変えるぞ」


「はい、ししょー!」




 そうして俺はリンに細かくアドバイスして、装備とスキルを組む手伝いをしてやった。



「わあ! なんか強そうになった! ありがとうございますししょー!」


「おう、これで少しはマシになったはずだぜ」



「【リン】:バスターランク13」


「現在装備武器【真アスモ銃】」


「防具【キラーヘッド】【キラーメイル】【殲滅の爪】【殲滅の帯】【ゼロフット】」


「攻撃力180、防御力275」


「発動スキル【爆弾威力強化】【爆弾設置高速化】【ジャンプ強化「超」】【怒り】【アイテム共有化「中」】」



 まあ、怒りとアイテム共有化を追加して防御をちょっと上げただけなんだけどね。

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