第7話 †絶対遂行者†

「よし、んじゃとりあえず俺が二人を瞬殺するからそのあと自殺してくれ。その二人を殺すところをよく見とけよ見とけよ?」


「分かりました」


「よし、あのアスモデウス覚醒個体周回部屋に行くぞ」



 俺は突如弟子となった女プレイヤー、リンに向かってそう言った。彼女は素直に従ってついてきた。



 俺は既に待機していた二人の標的プレイヤー達のステータスを閲覧した。



「【コウキ】:バスターランク21」


「現在装備武器【焦土豪炎刀「悪魔祓い」】」


「防具【祈祷師の耳飾り】【ゼロメイル】【ゼロアーム】【インフィニットベルト】【祈祷師の真紅袴】」


「攻撃力210、防御力335」


「発動スキル【名刀使い】【爆炎追加「超」】【無想の心得】【聖なる心】【神経質】」


 うん。普通に強プレイヤーだ。



「【はるゆき】:バスターランク28」


「現在装備武器【恐斧「キョウフ」】」


「防具【恐怖の顔面】」


「【恐怖の胴体】【恐怖の腕】【恐怖の腰】【恐怖の脚】」


「攻撃力280、防御力295」


「発動スキル【威嚇】【狂気】【スプラッター】【ゴリ押し】【命懸け】【攻撃アップ「超」】」



 うん。普通にガチプレイヤーだ。



 やはりこのランク帯に来るといい装備してる奴が多いな。


 特にはるゆきとやらの装備は超高難度クエストをクリアしなければ作れない一式装備だ。

 

 その高難度に見あっただけの性能で、命懸けとゴリ押しの効果で体力が徐々に減るが頭のおかしい火力を叩き出せるのだという。


 そして、威嚇により敵がビビって怯みやすくなり、スプラッターにより敵の切断可能部位を即切断できる。



「ししょー、本当にこんな奴ら倒せるんですか?」


 リンが小声で耳打ちして来る。こいつ、俺を舐めてるのか。俺は「絶対遂行者アブソリュート・キラー()」だぞ。



「大丈夫だ、問題ない」



 俺は自分のステータスを確認する。



「【BUSTER】:バスターランク20」


「現在装備武器【アスモデウスマシンガン】」


「防具【暴食王の冠】【暴食王の胸当】【祈祷師の小手】【爆弾王の腰帯】【ベルゼブーツ】」


「攻撃力170、防御力315」


「発動スキル【裏切者(非表示)】【爆弾威力強化(非表示)】【爆弾設置高速化(非表示)】【怒り】【ジャンプ強化「超」(非表示)】【飲食アイテム強化「超」】【飲食アイテム共有化(非表示)】【回復ツボ強化「大」】」



 俺の装備は前とほとんど変わってない。変わったのはランクが少し上がったのと、回復ツボ強化をつけたところくらいか。




 クエスト開始直後、俺は丸薬と回復ツボ、そして爆弾の準備をする。これだけで幾多のプレイヤーを葬り去ってきた、言わば俺の相棒達だ。



 アスモデウス覚醒個体が二人のプレイヤーにまあまあなダメージを与えてくれた頃合いを見て、俺は回復ツボの設置を知らせる。



「あれ。ししょー、これなんですか?」



 二人のプレイヤーと一緒にリンもノコノコやってきた。俺は構わず丸薬を飲み、体力を思い切り減らす。



 そして、素早く爆弾設置し起爆!



「【リン】が戦闘不能になりました」


「【コウキ】が戦闘不能になりました」


「【はるゆき】が戦闘不能になりました。三人目のプレイヤーのダウンを確認しました。クエストに失敗しました。集会場へと帰還します」



 祈祷師あくりょう退散!


 せいぎは必ず勝つ!

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