第5話 PK無双と謎の申し出

 【裏切者】スキルの熟練により、様々なスキルの表示非表示を切り替えることが分かった俺は、それを有効活用するための装備を作った。


「【BUSTER】:バスターランク18」


「現在装備武器【アスモデウスマシンガン】」


「防具【暴食王の冠】【暴食王の胸当】【魔界の小手】【爆弾王の腰帯】【ベルゼブーツ】」


「攻撃力170、防御力315」


「発動スキル【裏切者(非表示)】【爆弾威力強化(非表示)】【爆弾設置高速化(非表示)】【怒り】【ジャンプ強化「超」(非表示)】【飲食アイテム強化「超」】【飲食アイテム共有化(非表示)】」



 まず、爆弾系のスキルを隠すことで、怪しまれないようにできる。


 防具によって選べるスキル系統が幾つかあるのだが、中にはスキル選択をしないという択があるため、爆弾王の腰帯が防御力高めというのを活かすために着けているよう思わせられる。


 それでも怪しさは残るだろうが、スキルの非表示機能は今のところ認知されていない。事実としてスキル表示されてなければ勝手にバグだのなんだのと解釈してくれるだろう。



 そして、新たなスキルとして【飲食アイテム強化】とそれの共有化を追加した。


 一見自分の回復アイテムが共有化されてしまうように見えるが、飲食用ではない回復アイテムもあるので問題ない。


 このスキルは、何より「覚醒丸薬」を共有化できるのがでかい。これは自身の体力を削ることで攻撃力を底上げする、【怒り】と組み合わせると最強のアイテムだ。


 しかも今回は飲食アイテム強化は「超」なので、攻撃力の底上げ量もそうだが、体力残量も一気に2割ほどまで削られる。


 ただし、タイミングを見極めないと敵をあっという間に討伐されてしまったり、自身が回避ミスで死ぬ可能性があるので、そうガンガン使えるものではない。


 とはいえ、プレイヤーキルをするうえではあまりにもチートアイテムすぎることは明らかだろう。



「さて、それでは三分クッキングに出かけるとするか」



 俺は適当にランクの高いプレイヤーの集まる上級者部屋を選んで潜入した。


 今回の獲物はこの三人。



「【おにおん】:バスターランク24」


「現在装備武器【デビルハンマー】」


「防具【リヴァイアサングラス】【リヴァイアサンメイル】【リヴァイアサンアーム】【破壊魔ベルト】【破壊魔ブーツ】」


「攻撃力200、防御力325」


「発動スキル【攻撃力アップ「大」】【甲殻砕き】【怒り】【武器振り速度強化「超」】」


 近接打撃特化、脳筋野郎か。かなり硬い。



「【UC】:バスターランク19」


「現在装備武器【破壊魔双剣ギルソード】」


「防具【破壊魔ヘルム】【破壊魔メイル】【破壊魔アーム】【破壊魔ベルト】【破壊魔ブーツ】」


「攻撃力190、防御力305」


「発動スキル【攻撃力アップ「超」】【甲殻砕き】【身の程知らず】【武器振り速度強化「中」】」


 近接切断特化。こいつも脳筋。少し硬い。



「【G】:バスターランク20」


「現在装備武器【嫉妬と羨望の悪魔弓】」


「防具【リヴァイアサングラス】【リヴァイアサンメイル】【リヴァイアサンアーム】【リヴァイアサンベルト】【リヴァイアサンブーツ】」


「攻撃力180、防御力330」


「発動スキル【攻撃力アップ「中」】【羨望の眼差し】【怒り】【剛速武器使い】」


 遠距離特化、速度重視か。こいつは若干テクニカルなタイプだな。しかも一番硬い。




 ふむ、やはりこのランクにもなってくると皆かなりガチ装備だな。まあ関係ないけどな。


 結論。全員即殺可能。




「回復ツボ置きます」


 例の如く回復ツボを置くと、なにも知らないプレイヤー達はまんまと寄って来た。


 当然だ。今の俺の見た目は爆弾スキルなど一切つけていない至極まともなプレイヤーなのだから。



 さて、覚醒丸薬もうどく飲みますか。


「ゴクっとな」



 瞬間、一気に全員のHPがわずかに!


 俺はさっさと爆弾を設置した。



「おりゃああああ」


 そして爆弾を蹴り上げた後速攻で高くジャンプ。



「【おにおん】が戦闘不能になりました」


「【UCが戦闘不能になりました】」


「【G】が戦闘不能になりました。三人目のプレイヤーのダウンを確認しました。クエストに失敗しました。集会場へと帰還します」



 今回のプレイヤーは全員「ガチ」だ。それを瞬殺した。

 


 もはや俺にキルできないプレイヤーなんていないんじゃないか。そう思わせるくらい鮮やかなお手前だった。


 よし、このままガンガン駆け上がってやるか。



 ウキウキ気分で集会場から皆が抜け去った後、突然一人の女プレイヤーが入ってきた。


 そして、いきなり妙なことを言い出した。



「私を弟子にしてください!」



 弟子にして欲しいらしい。なんでやねん。

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