2度目の出逢い

 そこには美しいという言葉だけでは、足りないほどに美しさが詰まった女子生徒がいた。彼女は透き通るような白い肌をと絹のような綺麗な銀髪を持ち、その目はどこまでも吸い込まれていきそうな大きくクリッとした目の女子生徒だった。

彼女は周りの視線を感じないのか、それとも素知らぬふりをしているのか。ただまっすぐこちらを見ていた。その目を見たとき僕はあの日の怪奇現象を思い出し背筋に冷たいものを感じた。


(確かに美女子のような綺麗さだ。美女子は顔までよく見えなかったけど銀髪もあの子にそっくりだ。)


そこまで考え思案を巡らせていると頭頂部に痛みが走った。パッと後ろを振り向くと今にも怒りマークが見えそうな顔をしぷるぷると顔を揺らしている海道先生の顔があった。


「三本木ぃ、私の説教よりも転向してきた美少女の方が気になるようだな。」



「い、いえ。そういうわけではなくてですね。」

 と一生懸命弁解をしようと試みるが


「言い訳はいらん。おまえが説教中に結城を見ていたのは明らかなのであろう?」


「はい。仰るとおりでございます。結城?」


「お前は遅刻したから自己紹介を聞いていないと思うが彼女は本日付けでこのクラスに転校してきた結城 日奈美(ゆうき ひなみ)だ。お前の隣の席になる。お前は結城が気に入ったようだからな。この学校の案内をさせてやろう。」


「え?それは先生がやりたくないから「なにかいったか?」


「いえ、やらせていただきます。」


「じゃあ今日の放課後な。結城には時間をとってもらっているからちゃんと教えてやるんだぞ。」


「え?今日?そんな急な。」


「文句があるのかね。3年寝太郎といわず永遠寝太郎にしてやってもいいんだぞ?」


「いえ!やらせていただきます!わたくしめにお任せを!」


「わかったのなら席に戻れ。次の遅刻は許さんぞ。」


そう凄まれてはもう何も言えない。僕はくるっと回り自席に戻った。

隣の席だという結城さんの隣へ着き席に座る前に彼女によろしくと一言言ったがその返答が来ることはなかった。


(聞こえなかったのかな。)


と対して気にすることなく、席に座り授業を受ける体制に入った。

 

 授業は転校生のことをあまり気にせず、前回やったところから始まりいつものように授業が始まった。


(そういえば転校してきた彼女は教科書などを持っているのだろうか。)


と少し気になり彼女の方を向いてまたハッと目を見開いた。


(この光景は見たことがある。でもどこで・・・。)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る