帰路

 トボトボと一人帰路へつき、やけに熱い夕焼けをビシビシとくらいながら夏を背に感じ子今週自身に起きた出来事について考えていた。


(やっぱり僕の考えすぎだったのかな。未桜もそういってたし。)


彼女に話したのはよかったのかもしれない。

彼女であれば僕がつらく思っていたことも笑い話に変えてくれる。

彼女は不器用なだけなのだ。人にうまく伝えるのが難しいだけでなく、だれよりも周りのことを考えて行動している。ただ言葉選びや対応が下手なだけなのだ。気付ける人はそうそういないだろう。


(もっと優しく言ってあげることが出来ていたら昔だってうまくやれていたんだろうな。)


とはいっても彼女の現在は友達百人どころか千人を超える勢いでたくさんいる。

改善されたのだ。彼女は外面というものを覚えてしまったのだ。元々見てくれもよく文武両道とよかったため、それに騙され近づき彼女の獰猛さや相手の気持ちを顧みず自身の気持ちだけ伝えるような発言で近づく人を恐れさせていたが、ある事件をきっかけに彼女はやめたのだ。外で見る彼女はただの眉目秀麗才色兼備の華の女子高生というやつであった。


そんな彼女を見て当初は我慢の限界が来ていつ爆発してしまうのかとひやひやしたが、現に彼女はやり遂げている。適度なガス抜きをしているのだろう。


その一番の被害者は僕だというのは重々承知している。


いざ被害者として改めて実感をすると今日の疲れがドッと体に重くのしかかってきた。

だがこんなところで倒れるわけには行かないと重い体を引き摺り、やっとの思いで自宅についた。

その後のことは覚えていない。気付いたらカーテンの隙間から光が差し込んでいた。

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