第5話 主要キャラ全員集合で大波乱の幕開けです。

「はぁ……。まず、今の現状を改めて確認しよう。」

 今は、あの皇太子の家から帰ってきて、豪華な自室でリラックス中。


 婚約は皇太子……。面倒くさいからセイテンでいいや。

 セイテンに、破棄することを拒否られて現状維持。


 明日は、皇族が主催するパーティーで、ヒロインであると思われる聖女候補がくる……。


 ふーっ。前途多難すぎじゃろ⁉

 あとついでに、エスコート問題もあるんだった……。

 さっき兄:ヘルトに会ったから頼んでみたけど、他の人のエスコートするからダメって。

 まぁ、他の人って言っても兄の恋人:マリアナ公爵令嬢でしょうけど。彼女は婚約者ではない。二人は幼馴染であり恋仲であるという感じで……。


 あーっ!!!! 思い出した!

 誰が、ガレナに恋焦がれていたのか!

 彼ならいいと言ってくれると思う……。

 これで問題の一つが解決。


 それで残る問題は........

 明日、聖女と対峙してからでもいいかな?

 それからでも遅くはないはず。



【翌日】

 ふう、いやだが行くしかない。

「アリン、行こうか。」

「ハイ、お嬢様!」

 今日は正門からいかないといけないから、昨日みたいに庭園を歩いてはいけない……。

 馬車は苦手なんだ。前世では随分乗り物酔いを起こしていたからね。

 それに、ファンタジーの馬車ってめちゃ揺れるんでしょ?嫌だな。


 なんて思っていたら、安定し過ぎた運転で10分くらい城の周りをまわって城に到着。


 馬車から出てエスコート人物との待ち合わせ場所に向かっていると……。

「おはよう、ガレナ!今日のドレスも気合入っているわね!やっぱり何を着ても似合うのは罪ね。」

 後ろから来た人に声をかけられた。

 こんな砕けた言い方されたら誰かわかるでしょ。

「御機嫌よう、アルマ。一応公の場だから言葉遣いには気を付けてね?」

「分かってますわよ!もう……。」と拗ねた青髪の少女。


 彼女:アルマ・プルウェアは私の幼馴染で伯爵家の令嬢だ。気楽に話せる数少ない親友だ。それともう一人ガレナには幼馴染がいる。それが........


「いたいた、お姫様たち。もうそろそろ入場の時間だろ?」と朗らかながら、規則を守ろうとしていることがひしひしと伝わる言葉遣いをしている青紫色の髪の青年。


「もう!お姫様って!ガレナは良いけど、私は下の位だからね?合わないの!」

 今、アルマに注意されてるけど、彼からしたら私たちはどちらも位が上だもんね。そりゃ仕方ないよ。おまけに騎士だし。


「おはよう、イベル。今日はよろしくね。」という。

「あっ……。はい。........うん。」

 アルマに睨まれて口調が戻ったwww

 青髪の青年:イベル・トロプフェンがもう一人の幼馴染の子爵家次男の騎士で、今回のパーティでのエスコート役だ。


 つまり........そういうことなのです。イベルはガレナのことが大好きなのです!

 でも、ゲーム内ではあっさり飛ばされて、ガレナの身代わりとなって死んでしまうキャラですね。何で彼の恋心、気が付かないのかな?

 ゲームファン内では、皇太子ルートのハッピーエンドで婚約破棄されたらイベルと仲良くしたらいいという声があったくらいだ。


 さてさて、それは良くないけど、置いておいて。

 聖女様に謁見に行かないと……。

『ガレナ侯爵令嬢・アルマ伯爵家令嬢のご入場です!』と入口の護衛兵が言う。


 その途端、私たちに視線が集まる。

 そして、私のエスコート役がセイテンじゃないことに波紋を起こしていた。


「そういえばなんで、今日はセイテン様じゃないの?」

「なんか、聖女候補の方のエスコート役になったんだって」

 そう答えるとアルマは納得したように口を閉ざした。

 聖女のエスコートとかしないといけないの?分からないけど。


「ガレナ!イベル!こっちに来い」と近くのテーブル席からヘルトの声がかかった。

「ガレナちゃん、ご無沙汰してます。」とヘルトの横から白髪の美人が現れた。

 彼女が、兄の恋人マリアナ・ノースフェイス公爵家令嬢だ。

 私も、ガレナ自身も彼女のことを敬愛していた。

 しかしながら、彼女も殺されるのだ。なんて言ったって兄の恋人だから。

 


【ときロイ】の攻略対象者は四人。

 メインの皇太子:セイテンとサブの三人、その一人が悪役令嬢ガレナの兄:ヘルト。

 そして、あと二人いて........


「おー、ヘルト。ここにいたのか。」と暢気な印象の声がした。

 この声は……。

「おう、ラミア。お前も来ていたんだな。」と兄が彼とあいさつを交わす。

「まあな。うちのギルドも今回の警備の手伝いをしているからな。」という青年。

 赤い髪と黒い瞳の持ち主:ラミア。

 彼は、ヘルトの魔法学校での同級生で、暗殺者などが登録する闇ギルド(表向きには冒険者ギルド)のギルドマスターだ。

 そして、二人目のサブ攻略キャラでもある。


『聖女候補者と皇太子の入場です。』という声が会場に響く。

 何人もの使用人などと共に来た。

 セイテンと聖女候補にして、このゲームのヒロイン:ペスカ・プランタン。

 プランタン男爵の一人娘だ。しかし、元使用人との間の子供だったので最近まで平民の言うことになってた。

 しかし、聖神力が強いということが発覚し貴族となった子だ。

 セイテンよりも明るい色の薄紅の髪と黄土色の瞳の持ち主だ。


 そして、彼女の後ろには緑色の長髪で色白肌のエルフがいる。

 彼が最後の攻略キャラ:ヤードだ。

 彼は、エルフながら人間の国の最高魔法使いになった人物だ。



 これで、ゲームの主要人物が全員揃った。

 これからが、波乱の幕開けだ。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る