(4)ねがい事いっぱい!


今日は7月6日、七夕の前日です。

なにやら、子供たちはばちょうのおうちに何かを見つけたみたいですね。


今日も少しだけ様子をのぞいてみましょう!



「かあちゃん、あれなにでずー?」


「ほんとだ、いずくくん、ばちょうのおうちになにか飾ってあるね」


「あれは七夕飾りダヨー、明日は七夕なんダヨー」


「そうでシュね、なにか願い事を書いて、飾ると叶うって言うお話を

聞いたことがありまシュ」


「おもしろそうデース、私も願い事いっぱいありマース!」


「あら、アメリカにはなかったお祭りでシーね、私も書いてみようかしら?」


「そう来ると思ったダヨー、短冊をみんなの分用意したから願い事を書くといいダヨー」


「さすが、ダヨさんでシュね!えっと~ニンジンをおなかいっぱいになるまで、食べたいでシュっと」


「ふぶきも~つよい剣がほしいぶー勇者の剣でぶー」


「あ、ふぶきだけずるいずー、いずくは魔法のつえがほしいずー」


「なんだか、クリスマスみたいデース、えっと、じゃあ、私は新しいテレビがほしいデース」


「う~ん、じゃあ私は新しいリップがほしいでシーね、この夏の新色、試してみたいでシー」


「なんか、みんなちがうダヨー、願い事を書くんダヨー!」


「そういうダヨさんは、なにを書いたでシュか?見せてくださいでシュ」


「えっと、な、ナイショなんダヨー」


「え~見たかったでシュ~そうだ、ダヨさん、織姫と彦星のお話って知ってまシュか?」


「そのお話どんなお話デース?ワタシも聞きたいデース」


「それって、日本のラブストーリーだったでシー?私も詳しくは知らないわね」


「もちろん、知ってるダヨー、みんなに聞かせたいから、ゴロンするダヨー」


「ふふ、ダヨさんって保母さんみたいでシュね、どっこいしょっと」


「私もゴロンするデース」


「よっこらでシー」


「コテンだぶー」


「いずも、かあちゃんのお話大好きでずー

ゴロンでずー」


「みんな準備はよいダヨー?では、おはなしはじめるダヨー」


「すーすー ずーずー ぐぁー」


「ええ、てぴちゃん、もうねちゃったでシュか?」


「仕方ない子でシーね~」


そんなこんなで、七夕前日の夜は更けていって、

北海道の朝はとても早くて、もう朝が来て……


「ふぁ~私としたことが、おはなしに疲れて寝坊しちゃったダヨー

あ、昨日の短冊、飾ってあるのね、私も願い事飾らなきゃダヨー」


『はるおが、無事にゴールして、かえってきますようにダヨー』


(私の今の願いはこれだけダヨー、あれ?短冊増えてるダヨ?

どれどれ、みんな、どんな願い事書いたのダヨー?)


そう思ったダヨさんが、短冊をのぞくとそこには……


『はるおが、無事に帰ってきて、1着になれまシュように』


『はるおくん、がんばるデース!1着とれますようにデース』


『はるおちゃんが、幼稚園の頃みたいに元気に走れますでシーに』


『はるおにいちゃんが、かっこよく1着でゴールしますでずーに』


『いずくくんのお兄ちゃんが、勝てますようにぶ』


(ううっ、みんな、泣かせるダヨー ちょっと涙がでちゃうダヨー

そうだ、短冊をもうひとつだけ……)


「あ、ダヨさん、そろそろ馬房に帰る時間でシュよ、

桶がまってまシュよ」


「シュシュ、もう少し待つダヨー」


(よし、これでいいんダヨー)


そっと飾った短冊には……


『シュシュ達と、ずっとここにいられますようにダヨー』


願いのこもった短冊がまた、一枚増えて、

今日も、そよそよとした初夏の北海道のさわやかな風に吹かれています。


みんなの願い届くといいですね。

そして、はるお、がんばるのですよー!


つづく

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