第2話 パターン
俺は女の知り合いがたくさんいて、Lineにもメールにも女の連絡先が100人以上登録してある。女の方から聞かれることも多いけど、俺から聞くと「私に気があるんだ」と女が勘違いして、高い確率であちらから誘ってくる。
人妻で多いのは『今度、飲みに行きませんか?』という最初の一手。
『俺は禁酒してるから、夕飯一緒にどう?』と俺が誘う。一緒に飯を食ってから、『この後時間ある?』と聞くと、半分くらいの女は『ある』と答える。それで、ホテルに行くパターンが多い。俺はその人が結婚してるかなんて聞かない。そんなの関係ないからだ。女も自分から結婚してるとは言わない。独身の女はあちらから『江田さんって彼女いるんですか?』等と聞いてくる。そういう人は、結婚相手を探してるから、俺は結婚前提の彼女がいると答えることにしてる。そういう女は何で2人きりで飯を食っているのかと苛立ち始める。
「食事くらい別にいいだろ?」
相手の女は、俺に彼女がいると知ってがっかりする。
「どのくらい付き合ってるんですか?」
「3年くらいかな。そろそろ結婚しようと思うんだよね。君は?」
「私は最近彼氏と別れたばっかりで・・・」
「へぇ。聞いちゃ悪いけど何かあったの?」
「実は・・・」
「君みたいないい子を振るなんて、その男も見る目がないね」
俺は根っからの軽薄な人間だ。相手の旦那が俺に対して「妻を寝取られた」と思うなら、そうかもしれないけど、俺の場合はきっかけを作ってるのは奥さんの方だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます