硫黄の生々しい匂いがお話の雰囲気と合っていて好きです。主人公は三大欲求が満たされている上、住む所も父のような存在も、お金すら手に入っているのに、終始何にも満たされないような気持ちで読みました。最後のミツコの目が、もやもやした生活の中で唯一純粋なもののようにも思えますし、逆に主人公をもやもやの中に捕らえておく恐ろしいもののようにも思えます。
作者からの返信
瞳さん
コメントありがとうございます。
言われてみれば確かに、彼は衣食住、さらには性生活まで満たされているのに、どこか満たされない気持ちのままなんですね。
それは引きこもっていたゆえの幼さなのか。
そしてミツコの純粋性も、人によっては恐ろしく感じるかもしれませんね。
反応もらえないかもしれないなと思いながら書いていた作品なのですが、感想を頂けて嬉しいです。
マサ坊は常に不満を感じてますよね。でもそれそど悪い生活じゃない。なんでだろうと考えると、いろんなものと自分を比べて負けていると思ってしまっているのかなと。
両親に守られていたかつての部屋と怪しい隣人に囲まれた部屋、キレイな風俗嬢とまるっこいミツコ。
メディアから入ってくるきらびやかな世界をみて勝手に絶望してる人を思い浮かべました。
大金を手にしたマサ坊がきらびやかな世界に足を踏み入れつつも今の場所に帰ってくるのは、分相応であるべきと考えたからなのか、眩しすぎていられなかったのかわかりませんが、これをきっかけに少しでも不満が解消されればええなと思いました。
間違って給付金を振り込まれて捕まった人みたいになりませんようにw
作者からの返信
Edyさん
コメントありがとうございます。
まったくもっておっしゃる通りですね。
キラキラ世界、例えばあの大学生カップルのようなものに憧れはするけれど自分には縁のない世界だと思っている。
そこに思いがけず大金が手に入ってしまった。
そこで憧れの世界に触れてみようと彼は思うんですがなんともうまく行かず。
彼にはこのまま、身の丈にあった生活を続けてもらいたいものですね。
お読み頂きありがとうございました。