10作品目 一瞬で灰になれ

俺「今北産業」


モブ「俺、主人公になった。

   兎の惨殺死体見つけた。

   犯人捕まえた」




「うぉぉぉぉぉぉ!!」


「ぐぬぉぉぉぉぉ!!」


「はいはい、二人共遅いですぜ。もっと頑張ってくだせぇよ」


「「ぐぉぉぉぉぉぉぉー!!!」」


 今どういう状況なのか、それは今から数時間前……


 


「ニケ、お願いがあるんだが……」


「内容によっては断らせていただきやすぜ」


「あぁ。で、お願いってのはホープと同じ特訓をしてほしいんだ」


「……ほほぅ、さてはテルさんにいいトコを見せるためですかい?それともまた別の理由が?」


「お前に言われるのは癪だが、まぁそんなところだ」


 この前、カイという奴に勝てないと思った俺はハーデス……ハディを頼ってしまった。


 自分の無力さをなんとかしたい、自分ひとりだけとまではいかなくても自分の手で戦いたい。


 だからこそ、どんな努力でもやってやると決めた。


「あっしは恋する少年を応援しやすぜ!よし、そうと決まれば放課後、ホープさんと一緒に校門前で集合ですぜ!!」


「……!あぁ、わかった!」




 放課後になったので、テルに用事があると伝えてホープと一緒に校門前に行く。


「お、来やしたね」


「おう、で今から何をするんだ?」


「……今のうちに気合い入れとけ」


 後ろから肩をポンッとたたき、そんなことを言うホープ。


 ……一体なんだってんだ。


「それじゃあ、あっしの家まで走って行きやすよ」


「なるほど。ちなみにどのくらいの距離なんだ?」




「ざっと30km」




「……は?」




 ……そして今に至る。


(あはは、キリム頑張れ〜)


(強くなりたいんならこれぐらいこなせよ、キリム)


(応援してくれてありがとなこの野郎!)


 流石にニケも人間なのか俺たちに合わせてるのか、長距離走をしているときのスピードで走っている。


 ……ここから見たら汗が全く見えないが、多分、ここから見てるからだろ、うん。流石に人間だよな?




「ほら、あと5キロですぜ!」


「「お、おぉ〜!」」


 ホープもキツそうだ……。たしか2週間ぐらいは経ってるっけ、ホープがニケに弟子入りしてから。


「ぜぇ……ぜぇ……」


「っはぁ……はぁ……」


「らんららーん」


「「!?」」


 何こいつ歌い始めたよ!やっぱこいつ人間じゃねぇ!





「つ、ついた………」


「はぁ……はぁ……!」


「よし、それじゃあ特訓始めやすぜー」


「「もうちょい休憩させてくださいっ!!!」」



――――――――――――――――――――――

次回へ続く

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