第二章 ~宝呪篇~

特別編-2 俺の妹がこんなに可愛いのは当たり前

「……て、……きて」


「ん……」


 視界が眩しい。もう朝か……。


「起きて!キリム兄ぃ!」


「んあ……なんだ、テルか」


 テルメラン。俺の大事な妹で、世界で一番かわいい人。


「じゃ、おやすみ」


「寝ーなーいーでーくーだーさーいー!!」


「ったく、なんでこんな時間に……」


 ……時計はいつもならそろそろ家を出る時間を指していた。


「〜〜〜!?!?」


「ほら、早く!」




「いってきます!!」


「キリムもテルも気をつけてね〜」


「行ってくるね、エルミさん!……あっ、キリム兄ぃ待って〜!!」



 少し遅れたが、は待ってくれていた。なんだかんだやさしいな。


「お、来た来た。おっはよ〜」


「……遅いぞ」


「ガヴ、ハディ、ごめんな」


  こいつらはガヴ・リエルとハディ・エス。俺たちの幼馴染みだ。


「テルちゃんは今日も可愛いね!私の次に!」


「いやテルのほうが可愛いと思う。ハディは?」


「どっちかと聞かれたら、性格面的にテルメランだろうな」


「ふたりともひーどーいー!!」



 〜昼食〜


「お昼食べよ!」


「テル……クラス違うのにわざわざ……友達は?」


「うっ……キリム兄ぃとガヴ、ハディがいれば別にいいですっ!」


「ったく、嬉しいが困るぞ……」



 〜ある授業中にて〜


「……お」


 グラウンドを走ってるのは……テルか。流石自慢の妹、クラスで一番速い。


「キリムくーん、どこ見てるのかな?」


「やべっ」


 この後問題解かされたけどニケに助けられたからセーフだった。マジ感謝感謝。




 〜下校〜


「あ!兎さーん!」


「……放っておいていいのか?」


「あぁ、ガヴがこっそりついていって……」


 後ろの物音が気になるから見ていたら、ガヴがクレープを食べていた。


「テルー!!!」


「……フン」



 〜就寝〜


「テル、おやすみ」


「うん、今日も楽しかったよ、キリム兄ぃ」


「そうか。良かった」


「……キリム兄ぃ、明日はちゃんと起きてくださいね?」


「はいはい。じゃ、おやすみ」


「おやすみなさい」








 〜朝〜


(という夢を見たんだ)


(いや、なんか……うん。好きな人を妹に……)


(くっ……w)


(いや俺が話したかったのはそこじゃなくて!ハーデスの呼び方!)


(なるほど、ハディ……良いね!これからはハーデス改めて、ハディだ!)


(待て、勝手に決めるな)


(よろしくな、ハディ)


(だから待てと……!)


 こうして1日は始まる。


――――――――――――――――――――――

次回へ続く

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