9-2作品目 スターダストメインキャラクター
ありのまま今起こったことを話そうと思う。
まず、俺は女性店員に話を聞いていたんだ。そしたら、その女性が急に後ろから刺された。
自分でも何を言ってるかわからないが、これは紛れもない事実だ。
だから、俺は……
(【
「……っ!」
俺が呆気にとられている間に、ハーデスが女性を回収する魔術を使ってくれていた。
(【
(ありがとうっ!)
女性を連れて後ろに下がる。
「なっ……!?キリム、大丈夫!?す、すぐに警察と救急と……」
「テル、ありがとう。あと、下がっておいてくれ」
「キ、キリムはどうするんですか!」
今にも泣きそうな目でこっちを見てくる。流石にやり残したこともあるし、それに第一章に出てくるような敵だし、負けらんねぇな。
「大丈夫、俺が負けるわけ無いだろ?」
「……私より弱いくせに」
「ぐはっ!」
正論を言われて倒れる俺。正直ここまで鋭いとは思ってもいなかった。
「っ!【
カキンッ!と俺の後ろで音がする。振り向いてみると、そこには小石と包丁が落ちていた。
どうやら、テルが助けてくれたようだ。
「うーん……君たちがあの部屋を見つけた学生なんでしょ?いやぁ、まさか僕の店に来るとは思わなかったよ。
君たちのせいで色々と生きづらくなったんだよ、全く……。さて、そろそろ君たちを消さないといけないんだけど……
これ以上時間かけるのもなんだし、それに学生なんかに負けられないから、全力でいくよ。
さっさと人生諦めて死ね」
……なるほど。
ぱっと見蛇なんかには見えないこの男が何故蛇みたいと言われていたかわかった。
襲いかかる瞬間、この男は紛れもない、蛇そのものだ。
気迫、呼吸、走法、視線……何においても、人間なのに蛇にしか見えない。形は人間なのに、だ。
「蛇に睨まれた蛙……いや、蛇に睨まれた兎の気分だ」
(だが、お前に死なれては困る天使と冥府の王がいる)
(蛇なんか私達にとってはノミ同然だよっ!)
俺は兎でも、こいつらは違う。そして、テルも少しは動けそうだ。
「テル。俺はお前みたいに強くもないし、才能も能力もない。だからと言って守られたいわけでもない。まぁ今動けないんだけど」
「キリム!そんなこと今言わないで!私がなんとか……」
「だーかーら!俺がなんとかするの!」
俺はその男に話しかける。
「えっと……カイだっけ?テルを見逃してくれとは言わないけど、一旦気絶だけで待ってほしい。
気絶させたあと、俺とお前で戦うんだ」
「え?やだよ。僕にメリットないじゃん」
「おいおい、話聞いてたのか?俺はテルより弱いんだ。万が一を億が一にするのは大切だと思うんだがなー。
あ、もしかしてテルより弱い俺にすら負けるのが怖いとか?」
「そんな安い挑発に乗るわけがない……けど、そうだね。今から死んでいく君たち、というか君の最後の願いだ。
女の子を守るために戦い抜いたんなら、その頭、飾ってあげるよ」
「ちょと!キリ……」
カイは俺との約束を守り、テルを気絶されるだけで済ませた。
「うっし、それじゃあ主人公らしくカッコつけますか!」
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次回へ続く
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