8-3作品目 俺たちは友達がとても少ない

(まさかあの人犯人じゃなかったなんてな……)


(まぁ別の事件の犯人だったし、結果オーライだよ、うん)


(そうなんだが、うーん……)


 多分これ、この後真犯人と合うフラグなんだよなぁ……。


 ちなみに今俺はエルミに笑われた後(一応事態を聞いてたので心配もしてくれたが)、普通に授業を受けている。


「んじゃあ、この問題を……キリム」


「はいっ!?」


 しまった!何も話聞いてないっ!


(えっと……あれは……なんだっけ) 


(ガヴ様!?)


(わかんないなぁ……ねぇ、ハーデス。あれわかる?)


(あ゛?……19.6だ)


「じゅ、19.6です」


「……正解だが、授業はちゃんと聞けよ?」


 うっ、バレてたか……。


 この後後ろの席からニケがめちゃくちゃ煽ってきたので先生が見てない間にチョップしといた。




「昼ごはんか……テルもニケも女友だち作ってたし、あっちと食べるだろう。


 にしても、友達出来たのか……」


 良かった。二人が友達いなくて学校つまんないとかになりそうじゃなくて。


(親目線というか心配が過ぎるよっ!?)


(こいつはテルメラン・オプタクスとどうなりたいんだ、全く……)


(それはそれ、これはこれだよ)


 ……あれ?そういえば俺一人ぼっちってこと?


(やばいどうしよう!)


(えー、ぼっち飯でいいじゃん)


(俺たちが見てるから3人だけどな。まぁ、食べるのは一人か)


(ひとり飯よりなんか虚しい気が……)


 そうこうしていると、後ろから肩を叩かれた。


「ん?……って」


 後ろには満面の笑みのニケと平然を装っているけど目がきょろきょろしてるテル、そして……


「ホープ、お前……ボロボロすぎじゃねぇか!」


「あぁ、ニケ……いや、師匠の特訓でできた傷だよ。回復魔法使ったら筋肉とかもつかないし、自然回復に任せてるんだ」


「いやぁ、まさかここまでボロボロにならないといけないとはあっしも思ってやせんでしたよ。まぁでも、逆に育て甲斐がありやすぜ。


 それはそうと、キリムさん。一緒に昼ごはん食べやせんか?」


「……え?」


「いやぁ、あっし実はこのメンバーで食べたいと思ってたんですよ。


 コハルさんも誘いたかったんすけど、なんかそそくさとどっか行ってしまいやして……。今日は追いかけようにも間に合わないし、このメンバーでいいかなと」


「え、でも女友だちとかは……?」


 テルとニケは顔を合わせたあと、俺に言う。



「「出来てないよ?まだ」」




「作れよ!」


 結局、俺たちで昼ごはん食べて、授業受けて、普通に帰って、普通に寝た。



――――――――――――――――――――――

次回へ続く


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