特別編-1 ニケ、イラスト描いたってよ

「大変でーーす!」


 叫びながらドアを勢いよく開けて入ってくるニケ。元気だなぁ……。


「やっほー、ニケ」


 テルがナチュラルに挨拶する。あのノリを無視して普通に接することできるのは尊敬するわ。


「で、どうしたんだ?」


「じ、実はあっしの絵が……!」


「まさか……!?」


 俺とテルはゴクリと喉を鳴らし、つばを飲む。辺りが重い空気で充満される。


「と、取り敢えず


https://kakuyomu.jp/users/SPUR514/news/16817139556320149662


で検索を……」


 俺達は言われるがままに検索する。ちなみに、この世界にスマホは存在しないぞ!


 特別編は基本ifストーリーと思ってくれれば良いぞ。


「9662……っと。……!」


「キリム打ち込むの早いね。私にも見……!」


 そう。そのURLを打ち込んだ先には……


「「ニ、ニケのイラストォォォ!?」」


 ニケを見る。スマホを見る。もう一回同じことをする。


「何回見比べてもニケだ……」


「信じられません……。主人公とメインヒロインよりも先にイラスト描かれるなんて……」


「自分でメインヒロインとか言って良いんですかい!?」


「良いの良いの。事実だし」


「もの凄く傲慢!傲慢度がマックスですよ!」


「たまに言われます」


「そこは『よく言われます』じゃないんですね!!」


 そんな二人のやり取りの横で俺は、これはおかしいと思い、ガヴとハーデスと会議していた。


(どう思う?)


(作者がニケのこと好きなんじゃない?)


(それか、 男キャラ描くの下手だし、白髪ロリとかありふれてるし……と消去法で描かれたか……)


(その両方の可能性もあるな)


(だね)


(だな)


 まぁ、なにはともあれ。俺のことも描いてくれる日が来るといいなぁ。


「よし、そろそろ飯食いに行こ……」


 二人の方を見ると、なんか戦ってた。


「えーっと……オチはどうすれば……」


「困ってるな!そこの少年よ!」


「お、お前は!冒頭のモブじゃないか!本編に来るなんて珍しいな!」


「オチに困ってそうだったから爆弾持ってきたぜ!」


「サンキュー」


「ちなみに爆発まであと百十文字ぴったりだ」


「つまり、千文字ぴったりで爆発するんだな。」


「Exactly《その通り》!じゃあまたな!」


「また冒頭でなー!」


 さて、どうしようか。あと何文字だ?


「隠れ身の術!」


「甘い!私の【探知眼ディテクション・アイ】は目標の場所を示すの!」


 白熱してるなー。


「二人共!本編でまた会おうな!」


「「はいっ!!」」



終わり

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