5-4作品目 ベランダにロリが舞い降りた……?
モブ「今北産業」
俺氏「俺主人公
ステータスそこそこ
天才は凄い」
ステータス測定も終わり、色々と保護者宛のプリントを貰った後、すぐ下校時刻になった。
「やっぱりテルは凄いよな、力もある意味」
「一言余計だよ。まぁ、褒めてくれるのは有り難いけど」
今俺はテルと二人で帰ってる。ちなみにテルがニケを誘ったらしいが、「ホープの修行があるんで無理です。それに、二人の邪魔をするほど図々しくないですよ」とかなんとか言って、俺達とは帰らなかった。……こいつはこいつで一言余計じゃね?
「あ、兎……」
「テル、兎追いかけて迷子になんなよ」
「子供じゃないですっ!」
「半分冗談だ」
「は、半分……」
ショックを受けつつも見事に兎を捕まえてモフモフするテル。いつも可愛い動物をモフモフして上手くなった手付きと、テルの眼で気持ちいいところを的確に見つけることが合わさることによって、モフモフされる動物は必ず幸せな気持ちになるとか……。
「モフモフゥ……」
(……。今朝もいたが、何故兎が?)
(あれ、
(いや、野生じゃなかったらテルはすぐ気付く)
(テルちゃん凄っ。でも、ホントに何で兎がいるんだろう……。これもこれから事件が起きたりする前兆かな?)
(止めてくれ、縁起でもない……)
実際、こういうことが起こった後は何かしら事件起こるんだよな……。
俺は内心不安になりながらもモフモフに満足したテルと家に帰った。ちなみに、あの後10分ぐらいはモフモフしてた。
「ただいま」
返事はない。もちろんそれはわかっていたが、俺は誰もいなくてもただいまを言うタイプだ。要らない情報かな?
「
俺は考えることを一旦放棄して、二階の自室へと足を運ぶ。
自室に行ったなら当然だが、ドアを開けた。ちなみに部屋にはベランダがあるのだが……。
ベランダの塀に何故か小柄な手がみえたのは初めてだった。
「!?」
俺は急いでベランダへと向かう。一体誰が……と思いながら下を見ると……
「や、やっほーキリム。さっきぶり」
「何してんの!?」
「いや〜、昔みたいにベランダからキリムの家に行こうとしたら、足滑らせて落ちかけて……」
「ったく……ほら、引っ張るぞ。ういしょっと」
ゼェゼェと息を切らすテル。どうやら帰ってきて即効で侵入しようとしたらしい。……力Eなのに頑張ったな。
「で、何のようだ?用も無く来ないだろ?」
息が整ってきたので、訪ねてみる。すると、とても端的に、何事も無いように、普段と何も変わらずにその言葉を言った。
「ああ、実はキリムをデートに誘おうかと」
「ひゅえ?」
俺はテルとは真反対に、とても動揺した。
――――――――――――――――――――――次回へ続く
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