5-3作品目 興奮?すてぇたすそくてい!

「これが測定器かぁ」

 見た目は完全にランニングマシンだ。ランニングマシンと違う点といえば、大きさだろうか。だいたい、普通のランニングマシンの1.5倍の大きさである。


「僕から行かせてもらおう」

「自信あるのか?」


「いや、四天王って弱いやつから順にじゃん?」

「自信ゼロってことね」


 カッコつけてるのかつけてないのかはわからないが、そう言ってホープは測定器に乗る。


『測定者、確認。Ⅲ組13番ホープ・ライオンハート。初の測定なので、説明します』


「……最近の測定器って凄いですね、キリムさん」

「何故いちいち俺に聞く。まぁ、凄いとは思うが」


 測定器は俺たちの反応を無視して話し続ける。


『まず、最初は最低評価……Eの速度で走ってもらいます。だんだんはやくなり、どの評価の速さまで耐えられるかというのが、この測定器の測定の仕方です。では、頑張ってください』


 ……どうやら、説明が終わったようだ。

「うし、さっそくやるとするか」


 ホープが準備運動をしながら元気よく言う。やる気がどれだけあるかが伝わってくる。根は真面目なやつなのかもな。


「うぉぉぉぉ!」

 



『測定結果:E』


「……」

 目を手で覆う俺。


「……」

 目をそらして天井を見上げるニケ。


「……」

 あわあわと慌ててるコハルさん。


「……」

 魂が抜けたかのようにノロノロと測定器から降りるホープ。


「つ、次はあっしの番ですぜ!」

「お、おう!頑張れよ!」




『測定結果:A』


「……」

 両手で顔にあてて、やるせない俺。


「……」

 ダラダラと汗をかきながら目をそらすニケ。


「……」

 最早挙動不審なコハルさん。


「……」

 体育館の隅で縮こまってるホープ。


「つつつ、次はコ、ココハルさんがどうぞっ!」

「は、はははいぃ!」




『測定結果:C』


「ふ、普通ですね!」

「そ、そうたな!」


「僕は普通以下だけどな」


(((この空気どうすれば良いんだぁぁーー!!)))



 その後も、重力系の能力が使われてるかのような空気で測定をした(流石に全てを語れる程メンタル強くないから、省かせてくれ)。結果は以下の通りだ。あ、ちなみに俺はガヴ達のおかげでこんなステータスになったんだからな?元々のステータスてはないぞ?



ホープ 速E 正確性B 魔素C 魔術C 力C


ニケ  速A 正確性A 魔素D 魔術C 力A


コハル 速C 正確性D 魔素B 魔術E 力B


キリム 速C 正確性D 魔素A 魔術A 力C


「ニケやべぇ……接近戦では最強じゃん」


「ね、年齢で平均を出してそれを元にランクを出されてるんですよね?まぁ、それでも私達より強いんでしょうね……」


「やっぱり、僕には速さが足りないな。ニケ、僕に速く走るコツを教えてくれ」


 頭を下げて頼むホープ。ニケは少し悩んだあとに……


「良いっすよ」


……OKするのであった。


「というか、キリムさんは魔素と魔術凄いですね。ニケさんが接近戦、キリムさんが遠距離サポートすれば、この学年でトップになれるのでは……」



「「「おおおおおーーー!!!」」」」



 ……。確かに、俺とニケが合わさればこの学年でトップを狙えるかもな。でもさ、この世には天才ってのがいるわけで……


「テ、テルメランさんが力以外Aだ!ちなみに力はEだ!」


 この学年のトップを狙うなら、ニケとテルのコンビのほうが良いだろう。そう思ったステータス測定だった。


――――――――――――――――――――――次回へ続く

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