5-1作品目 とある学生の自己紹介

モブ「今北産業」

俺氏「ワイ主人公

   ガヴリエルとハーデスと融合召喚

   毎回2行なんだよなぁ…」


 ………。どうやら、ここは俺の部屋のようだ。


 ガヴとハーデス、俺とテレパシー出来るっぽいけど、ホントなんだろうか……


(もしもーし、阿呆とねぼすけいるー?)

((違う!!))


(なるほど、こんな感じで喋れんのね。了解)

((おい待てやこら))


 俺は学校があるので早々に起き上がり、準備を始める。


「おっはよー!早くしないとちこ……ってもう起きてる……チッ」

「今舌打ちしただろ」


「朝ごはんできてるから早く来てねー」

「おい待てやこら」


 俺の引き止めも聞かずすぐに一階へ降りてくエルミ。料理の腕は確かだが、毎朝飛び乗ってこようとするのはやめてほしい。殺意高い系スライムとか誰得モンスターだよ。


「いただきます」

 着替えを終わらせて朝食をとる。……うん、やっぱり美味しい。

 

(…じゅるり)

(ガヴ、よだれの音が聞こえるってどんだけ腹減ってんだよ)

(魂だから……かれこれ何年食べてないんだろう……)


 顔も見えないのに、遠い目をしているのが伝わってくる。なんかごめんな?


「うし、行ってきます」

「いてららら〜」

「特徴的ないってらっしゃいの言い方だな」

「うん、ナイスツッコミではあるけど、遅刻には気をつけてね」

「言われなくても」


 さて、今日は遅刻しないように行くか。そう思い、ドアを開ける。


「おはよう、キリム」


 ドアを開けた先にはロリ天使がいた。


(天使なんて初めてみたぞ……)

(いやいや、私天使だからね?)

(ガヴリエルよ。お前を天使と思うほうが難しいんだぞ?)

(!?)


「今日は遅刻しないんですね」

「うっ……すみませんでした」


 昨日のことまだ根に持ってるのか。まぁ、完全に俺が悪いんだが。


「じゃあ行こっか」

「あぁ」


 その後、野良猫見つけて(テルが)追いかけたり、野ウサギ見つけて(テルが)追いかけたり、ニケと出会って(二人で)逃げたりした(このときニケは顔をマフラーで隠して屋根の上を走る不審者にしか見えなかった。本人は「心外です」と言ってた。)が、なんとか無事辿り着いた。


「はーい!自己紹介考えてきたかなー?」

 チャイムと同時にエルミが勢いよくドアを開けて入室してくる。バンっと激しい音がなり、開けた本人が驚いてたりもした。こいつはこいつで阿呆なんだよなぁ。


「HRで伝えることも無いし、早速出席番号順にやっていこー!おー!」

 ということで自己紹介が始まった。尺の都合上(本当はあまり覚えてないだけ)、知人以外は省かせてもらう。


「テルミラン・オプタクスです。えっと……宜しくお願いします」


 ……知人とか言ったけど俺の前に一人、後に一人しか無いじゃん。


「次〜」

「は、はい」


 俺の番なので、立ち上がり話し始めようとした……が、教室を見渡すと改めて思う。


(人前で喋るのって……怖いよね)


(……ブフォww)

(ガヴリエル、そう笑ってやるな……くくww)


 こいつら……いつか肉体戻ったら殴ってやる。落ち着け、落ち着け〜。こういうときは誰かの自己紹介を真似したりしたら良いんだ……えっと……えっと……


「い、胃カメラですわ〜〜?」

「思ったよりタイムリーな自己紹介ネタ!?それ通じる!?」


 エルミにツッコまれた。なんか新鮮だな。ちなみにテルは見世物として面白がられてるっぽい。テルの目は口ほどに物を言うから、わかりやすい。


(そのネタ大丈夫なの?色々と)

(……知らん!)


(ネタによってはこの世界物語消滅削除する可能性もあるってこと、忘れないでね。まぁ、それはそれで面白そうだけど)

(お前こそ面白そうで消滅する《削除される》ような真似はするなよ……?)


 ガヴにはまた釘をさしておくとして……次の自己紹介はニケだな。一体どんな自己紹介をするのやら……


「ただの人間には興味ありやせん。忍者、シノビ、忍術使いはあっしのところに来るように!以上」

「鉄板ネタかと思いきや集めてるの忍者だけかよ!」


 かくして。自己紹介は終わり、この後ステータス測定が始まるのであった。

――――――――――――――――――――――

次回へ続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る