4-3作品目 反抗のガヴリエル

モブ「今北産業」


俺氏「魂は魔素の塊

   生き返る確率は4%

   この先どうなっちゃうの〜?」




「…え?よ、4%?」

 いやいや、熾天使セラフと冥府の王の二人がかりで4%は流石に冗談か聞き間違いだろう……そう思い、「本当か?」と聞き返す。


「うん、4%。嘘偽りないよ」

 その言葉を聞いて俺はつい「まじかよ…」と言葉が溢れてしまった。


「ん?心配してくれてるの?」


「そりゃ、俺が関わった相手は誰でも心配になるだろ」

「流石主人公、優しいね」


 からかうような目で見てくる。それは、恥ずかしさと嬉しさが混ざっている表情にも見えた。


「……で、それがおれの【主人公補正】となんの関係があるんだ?」

「うん、説明するね。


 君は物語で主人公の仲間強キャラが、確率の低い挑戦に失敗したところを見たことあるかい?」


「……なるほど、そういうことね」

 つまり、主人公の俺と友好的な関係を築くことで、低確率の挑戦を成功させようってことか。それなら100%とは行かずとも、成功確率は上がるだろう。


「良し、もう俺の魂に入ってもらっても良いんだがその前に聞きたいことがある。魂3つ……しかも何百人分の魔素を俺の体に入れても大丈夫なのか?」


「あぁ、全部じゃなくて一部だけ入れるの。それと私達を繫ぐことでそこから魔素を送り魔力に変換することが出来るわ。しかも、魔素の管は実質私達の体だからテレパシーみたいに会話も出来るよ」


「便利なのか?……いや、便利なんだろうな。じゃあ早速やってくれ」


「わかった。ハーデス、起きて」

「ん?話終わったのか」


「始めるよ」

「言われなくてもだ」


 そう言い二人は、これからふたりはプリ○ュアのプリ○ュアマーブルスクリューでも放つかのように手をつなぎ、もう片方の手を天に掲げる。


「我、富める者プルトンハーデス、この者の一部となり、苦難を共にすることをここに」

「我、伝達者メッセンジャーガヴリエル、この者の一部となり、苦痛を共にすることをここに」


「今一度、」

「輪廻の輪にし、」


「「かの者とすべてを共にすることをここに誓う!!」」


 詠唱が終わるや否や、二人の胸元から光の粒子が出てくる。あれがあいつらの魔素……魂の一部なんだろう。それは俺の方へと伸びてきて、遂には俺の胸元へと溶け込んでいった。


 全てが溶け込んだ瞬間、目の前が光始める。


「え!もう朝なのか?」


「いや、まだ朝ではない」

「でも、もう用事は済んだから帰すだけだよ〜。安心して、目が覚めるのは朝だと思うから」


「なら良かった……じゃあ、また明日な」


「あぁ」

「うん、また明日」


 視界が全て光に覆い込まれる。そして…………


――――――――――――――――――――――

次回へ続く

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